第19話 おかわり
ミサキの新しい魅力に気づきと不安を覚えた俺。お兄ちゃんパパ活なんて許しませんよ。
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リビングは、とても広い空間で、窓際に大型テレビとソファーがあり。
中央に10人は座れそうなテーブルが有ってその上でまだ空間に余裕があって、観葉植物と間接照明が壁に彩を与えて居た。これぞ、落ち着きのある豪邸って感じがする。外観はなんか、四角い砦? 見たいな感じなんだけれど。中は随分をお洒落だ。
今日の夕食は、牡蠣などの魚介を中心とした食事らしい。厨房で焼いたものを順次持ってくるんだとか。そう夕食の内容が説明された頃にナオママがやって来た。
ナオママは朱音(アカネ)さんと言って、娘がそのまま成長したかの様な女性で、ナオパパの遺伝子を受け継いで無くて本当に良かったと思える人だった。ただ、ナオよりも少し胸が大きい気がする。将来こうなるのか、それともこのままなのか、高校1年生だとなんとも言えないな。そんな風に余計な事を考えると。隣の席のナオから手の甲を抓られた。
「先輩? 何か考えてませんでした?」
「ん? うん。将来の事を考えた」(嘘は言ってない)
「どんな将来ですかね?」
「俺が大学行った後の事だよ」
「え、はい。そうですね。そんなに先の話じゃないですもんね」
「まぁな」
ちょっと気まずくなりつつ、食事を進めていく俺たち。それにしても海鮮が美味い。この牡蠣とか、厳重に管理された養殖の牡蠣らしくそれが、いくつかの調理法で出て来た。なんだかとてもお洒落だ。うちの家で牡蠣なんて食べた事なかったよ。冷凍のカキフライを電子レンジで温めて食べてみた時は、なんか牡蠣に熱入ってなくて。なんか不味い。って思った記憶しかない。
でも、この牡蠣はとても美味い。そうかこんなに牡蠣ってクリーミーで美味い食べ物だったのか。知らなかった。生牡蠣、焼きガキ、カキフライ全て頂いたけれど、どちらもとっても美味い。一気に牡蠣のファンになってしまった。
「兄さん、牡蠣美味しいですね。びっくりしました」
「あぁ、びっくりした。こんなに美味かったのか牡蠣って」
「喜んでくれて良かったよ。美味しいだろ? この牡蠣好きでね。偶に直送してもらってるんだ。妻も好きでね」
「えぇ。元気になりますもんね。牡蠣♪」
そんな事を言いながら、二人は軽くイチャイチャし始めた。どうやら夫婦仲は良い様に見える。それを来客が居ても変わらず、見せつけるのはどうかと思うが…………まぁ、良い所の家で、一人娘の状態だから、出来ればもう一人欲しいと言うのは考えてるんだろうなぁ。
俺も将来はこういう風な家庭を持つ事になるんだろうか。まだ高校生だからあんまり想像がつかない。今はソフトテニスやってるけれど、大学卒業した後にどういう仕事をするかまでは考えられてないからな。とりあえず、運動関係は高校までとかんがえて居たけれど、大学でもやってもいいかも知れないな。
そんな事を考えつつ、食事を終えたあと、ミサキがお願いしていた刀と薙刀を触らせて貰ってから、帰宅する事になった。
「今日はありがとうございました。夕食とても美味しかったです」
「おじさま、お姉さま。本日は有難うございました」
そうミサキが言って、なんて言うんだったか、カーテシー? をしながら、頭をしずしずと下げた。俺も慌てて頭を下げる。な、なんなのうちの妹っ。こう言うのってどこで覚えるのっ!?
「ぅうっ。やっぱりうちの娘にっ!」
「あなた♪ なんの話かしらっ♪」
「お母さん、あのね! お父さんがねっ!!!」
「そ! その話は後にしようじゃないか!? お客さんを送らないとっ!!」
なんか、この後修羅場になりそうだけれど。それでもその後イチャイチャしていそうな気がする。アカネさんがニコニコしながら頭からツノ出てそうな顔をしていて、とても器用な事してるなぁ。と他人事だから思ってしまった。
「それじゃ、先輩また明日♡ ミサキちゃんもね♪」
「あぁ、今日は本当にありがとう」「ナオちゃん今日はありがとう」
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スティーブさんの運転で自宅まで送ってもらう俺とミサキ。
なんだか、ほっと一息つけたので、眠くなってきた。
「ミサキ、今日は楽しかったか?」
「はい。とても楽しかったです。それに、また刀を触ってみたいです」
「そうか、よかったよ。刀持ってる姿、なんだかカッコよかったな」
「そっ、そうですか? どの辺りが!?」
「え、どの辺りって……」
なんて表現したものか、隣の席にいるミサキは俺の顔を見ながらとても期待した顔をしながら催促してきている。こんなに期待されると、なんて答えたらいいか迷うな。
「兄さん、これも練習ですよ♪ わたしを褒めてください♡」
そう言われたら、正直に言うしかない。
「刀を持ってる姿が、とても凛としていてカッコよかったし。なんかポーズが様になってた。まるで練習してたかのようだ」
「兄さん……色々減点ですよ」
「え、どこが?」
「もっとはっきりと褒めてください。それにどこかで見た事があるような。などと言われて嬉しい女の娘はいません」
「な、なるほど」
「それでは、もう一度どうぞ♡」
「ミサキが、とても綺麗でカッコよかったよ。まるで絵の世界から出て来たかの様だった」
「はい♡ ありがとうございます♪」
「お二人は仲がよろしいですね。羨ましいです」
スティーブさんも話を聞いていた様で、会話に入って来た。スティーブさんは、昔辛い事があった様な話だから、俺たちの関係がちょっと羨ましいのかもしれない。
「はい! 自慢の兄です♪」
「俺も自慢の妹が居て幸せだよ」
そんな会話をしていたら、俺とミサキは自然と手を繋いでいた。その時感じた心地よさと、胸の鼓動の変化を俺は忘れる事が出来ないさそうだ。
つづく
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あとがき
デートからの追いデート!
この主人公デートしすぎ問題!
羨ましいぞっ!!
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