第13話 買い物

 今日は、ナオと一緒にショッピングモールでデートをする事になった。ナオの父親が持ってるサーファー用の別荘を使う事になったので、水着を新調しようと言う話になったからだ。


 まぁ、俺は水着をわざわざ買う必要無いんだが、ナオとミサキはサイズが変わって来てるから買わないとならないって事だった。なぜか、ミサキも一緒に行く話になってるんだよな。


 俺の誕生日は過ぎてるから18歳になっている。だから、妹同伴だとデートって言うより、俺が保護者役みたいな感じだ。まぁ、いいんだけど。


「先輩♪ これってどうですか?」

「に、兄さん、こっちはどうでしょう?」


 二人して、俺にどの水着が良いか聞いてくる。ちょっと二人とも大胆過ぎませんかね? え? 別荘は、プライベートビーチみたいなもんだから、そんなに気にしなくていい? それにスティーブさんも来る? それなら確かに、安心だな。スティーブさんはやっぱ、ブーメランなんだろうか………? なんか想像してしまった。


 目の前の二人の女の娘で、口直しをしないと。


「ナオは、こっちのオフショルダーで、全体に布がついた水着がいいんじゃ無いか? 可愛いし。いつもと違う姿が見れそうで、楽しみだな」


 ナオは俺が進めた水着が満更でもなさそうだ。まぁ、女性がどっちが良い? って聞いて来るのは、相手の好みを聞いて来てるだけ。とか言うしな。

本当は、普段は肌があまり出ない服装をしているから。肌を見たい気がするけれど。いきなりビキニを進める気にはならないし………。


「ミサキは、正直なんでも似合いそうだ。お前スタイルいいし」


「なんか、雑じゃないですか? 兄さん……」


 とは言ってもな……恋人の練習は家の中だけだし。本気で、妹の水着選ぶ兄って、世間体的にどうなんだよ。隣には、ナオも居るってのに。


「そうですよ。ちゃんと選んであげてください」


「………まぁ、さっきと変わらないけれど。どっちも似合うと思うよ。ただ、色で言うなら白の方がイメージ合うかな。いや黒も見たい気がするな」


「もう、結局どっちなんですか兄さん。はっきりしてくださいっ」


 と、言われてもなぁ。ミサキは美人系でスタイルがいいからなんでも似合いそうなんだ………ナオは可愛い系だからこれかな。ってイメージはあるけれど。

困った。のでナオの方を見ながら、肩をあげて降参のポーズと取った。


「なぁ、ナオはどう思う? ミサキの水着は」


「え、な、なんでも似合うと思います。正直羨ましいですっ。ミサキちゃんスタイル良いですから」


「だよな? だってさ、ミサキ」


 なんだ、同じじゃないか。そう思って自信を持って伝えられた。

二人してそう言ったので、ミサキは満更でもなさそうだ。


「そうですか、それでは、これにしようかな? 試着して来ますね」


「あ、私も行きます。待っててくださいね先輩♡」


 二人が試着に行ってしまったので手持ち無沙汰になってしまった。

特にやる事も無いので、最近見始めた投資系のYouTuberの動画を見て過ごす。書籍買ってもんだろうけど、読んでると勉強捗らないし。聞き流す方が楽かな。って思ってる。それに、別荘に行く前に一度、ナオのご両親にも挨拶する事になってるしな。


 しばらくすると、二人とも水着を着て見せてくれた。

普段よりも肌色が多くて、目のやり場に困ったけれど。二人ともイメージに合って居てとても綺麗だった。一般の客も居るビーチだったら大変な事になりそうだ。そうなった場合、スティーブさんとのダブルデートになってしまう………想像したら変な状態だな。バランス的に俺だけ見劣りする気がするぞ。


 マッチョの近くに美女が居るのはバランス的に有りな気がするけれど、俺は『なんかこいつ普通じゃね?』 的な? 夏が本格化する前でにもっと体を仕上げよう。スティーブさんに相談しないと。


 買い物が済んで、3人で食事した後の帰り道に、同年齢の奴に声をかけられた。

そいつは、なんかちょっとチャラい感じがした。


「あれ? ナオちゃんじゃね。今日買い物?」


「あ、はい」


「ふーん。今、フリーなの? それならまた付き合わない?」


「いえ、今は彼氏いるので………」


「そっか、そっちが彼氏? ん? どっかで見た事が………あ、そっちの彼女といつも居た奴じゃん」


 そういって、ミサキを指差した。どうやら、一緒に学校行ったり、帰るところを見られて居たらしい。まぁ、兄弟だしな。


「なんだ、それならそっちの彼女ってフリーなんだ。俺とどう?」


「いえ、結構です」


「そいつ二股野郎なんだよね? 俺そんな事しないよ? 付き合ったら一筋だぜ?」


「えっ。いや、あ、あの……」


 そう言って、ミサキの手を取ろうとしているチャラ男。


「その娘、俺の妹なんでやめてもらえます? 嫌がってるみたいだし」


「なんだ、兄妹かよ。それなら、お兄ちゃん許可してくれませんかね? ほら、あれ、いわゆる、自由恋愛って奴でさ」


「お兄ちゃん呼ばわりされる覚えないし。本人が嫌がってるんで」


「ちぇ、ケチ臭いな。まぁ、いいよ。じゃあな」


 そう言って、チャラ男は行ってしまった。俺たちは呆然としてしまっていたので、しばらく彼を眺めてると、他の女の娘に声をかけ始めた。どうやら彼は、ナンパ中だったらしい。


「なぁ、一つ聞いていいか?」


「はい……と言っても聞きたい事はわかります。最初は、あんな感じじゃなかったんです………」


 どうやら、彼はナオに振られた後、いや、振られる前くらいに変わってしまったらしい……そして、今は誰でも良いから彼女が欲しようだ。


つづく

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あとがき


彼女欲し過ぎて、学校内で何人かに告白したけれど

『あんた南条さんと付き合ってたじゃん。それに、他の娘にも告ったの知ってるんだからね』で、振られて相手にされなかったので、街角ナンパ師にクラスチェンジした元彼

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