第12話 開始
俺とナオは、期間限定とは言え付き合い始めたが、学校がすぐに夏休みに入ってしまったし。部活も辞めてしまったので、自然と会うと言う事が出来なくなってしまった。
どのみち、受験勉強をしないとならないし。無理して外行くにしても金が無いんだ。ナオは『お金なら心配しないでください。私お金ありますから』って言ってたけれど、それはナオの親の金だし。出してもらい続けるのは不健全な感じがする。
だから、勉強会したり。近所に散歩行ったり。スティーブさんが勧めてたジムに行く事にした。あと、一回だけナオの家が持っている別荘に行く事になった。
なんか、サーファー用の物件を持ってるらしい。お父さんの趣味で買った物で使わない時は、サーファーに貸してるから、運用しつつ使ってるんだとか。
金持ちがやる事は、よく分からないな。そんなに気軽に家って買える物なんだっけか? いや、投資だからいい?? 税金が??? ナオから説明されても、何を言ってるんだか分からない。
「なぁ、そういうのって何処で勉強するんだ?」
「え? 自然に勉強する物じゃないですか? 私、未成年口座を証券会社で作って、やらされましたよ? とりあえず、お年玉は全部投資させられました」
「証券口座? そんなものって学生の時に作るの? って、お年玉全額??」
「はい。全額です。必要な物あれば、両親に言えばお金くれますし………手元の現金ってあんまり要らないんですよね」
本当になんなんだろう………あまりにも世界が違いすぎる。受験勉強もそうだけれど、こっちの勉強もしないとならないようだ。
「お、俺もやってみるよ。分からない所があったら教えてくれる?」
「はい♪ 勿論です♡」
「ナナちゃん、わたしにも教えて貰えますか?」
「うん、勿論だよ。ミサキちゃん♪」
そう、この場には妹のミサキも居るんだ。今は三人で家のリビングで勉強会をしている。その際に、雑談をしていた所だ。
もうすでに、俺の両親とは挨拶済みで、、、前にミサキとナオが友達同士で、遊びに来たと言う設定になっている。なぜそんな事をしているかと言うと『詳しい事情をあまりお義父さんたち話さない方が楽じゃないですか? 受験勉強も控えていますし。もし、期間限定の彼氏やってるなんて聞かれたら………』とミサキに言われたからだ。
まぁ、うっかりポロっと言ってしまうかもしれないな。付き合ったままの場合は、遠距離恋愛になるわけだし。今の時点ではどうなるか分からないのに話すのは面倒だ。ただでさえ、試験受けるだけでもかなり金が掛かったり、学費や生活費だってばかにならない。大学行けたらバイトもしないとなぁ………。
まぁ、どの道、今やる事は、俺がもっと良い男になって、目の前の娘をメロメロの(ミサキが言うには)ドロドロ? にすれば良いって事だ。
とりあえず、今の俺がやるべき事は
☆☆☆☆☆☆☆☆☆
受験勉強
身だしなみを整える
筋トレ(筋肉は全てを解決する)Byスティーブ
彼女をメロメロにする
お金の勉強 NEW
☆☆☆☆☆☆☆☆☆
とりあえずは今はこの事に対して全力を出す。結果はその後考えるんだ。テニスや勉強、運動でもなんでも上手くイメージを先に持ってやらないと、成長が遅いって言われてる。だから、上手く行かない事を考えてもしょうがないんだ。結局の所『運命の人』かどうかを判断するのはナオなんだから。
そう思いを新たにして、隣に座って居るナオを見つめていると
「どうしたんですか? 先輩?」
「いや、ナオは俺の知らない事を知って居て、もう実際に投資をやってるなんて凄いな。と思ってさ。俺もそんな君に相応しくなれる様に頑張るよ」
「ど# どうしたんですかっ# そんなに褒めちゃって#」
「知らない事を知ってる人を褒めるのは、普通だろ? それが彼女ならなおさらだ。自分の彼女が凄くて嬉しいよ。その上、とっても可愛いし」
「ふ、本当にどうしたんですかぁ♡」
ナオは顔を真っ赤にして、悶えてる。どうやら効果はバツグンの様だ!
もうひと押し、褒めるべきか、それとも一度引くべきか、そう悩んで居ると
「ん”んん”」
咳払いと共に、ミサキからの合図が来た。これは『一度引け』だな。
「さっき言った事は本当だからね? もっと聞きたいなら二人っきりの時にでも話すよ」
「ふ、二人っきりって先輩はハレンチです。スケベですっ! そんなのはダメですよっ!! あ、で、でも♡」
「いや、ここにはミサキが居るから………それともミサキにも聞いて欲しいの? 君が良いなら良いけど………」
「!? あ、そうですねっ。勘違いしちゃいました#」
そしてナオはしゅんとして縮こまってしまった。そんな姿も可愛い。もっと褒めたくなる。けれど、これ以上この場で褒めるのは逆効果かな? そう思ってミサキを見ると。親指を立てて居た。どうやらミサキ的にも今のは合格点だったらしい。
つづく
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あとがき
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