第11話 練習

※注意:時系列としては9話と10話の間です。

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 最近、俺の妹がおかしい。


 いや、妹がおかしくなったんじゃなくて、兄弟としての状況がおかしいんだ。

俺とナオが期間限定とは言え、付き合う事になった後、妹のミサキに悩んでる事を相談したんだ「どうやったら、俺はナオの元彼達みたいにならずにナオの『運命の人』になれるんだろうか?」と。


 そうしたら、ミサキから言われたんだ『わたしと一緒に恋人の練習しましょう♪』


「いや、なんでそんな話になるんだよ?」


「でも、兄さんは元彼さん達みたいになりたくないんですよね?」


「それはそうだけど………」


「その上で、ナナちゃんをメロメロのドロドロにしたいんですよね?」


「メロメロはともかく、ドロドロって………まぁ、そうだけど」


「だったら、童貞の兄さんには無理じゃないですか? 卒業まで、もう半年くらいしか無いんですよ?」


「ど、童貞ちゃうわっ」


「え!””” 違うんですか!? そ”、そんな………いつのまにっ!? だ、誰ですか!? もしかしてもうナナちゃんとシちゃったんですか!? あ、それともお隣のお姉さんですか!?」


 なぜか、ミサキが物凄く慌てて居る。兄が大人になった事がそんなに意外なんだろうか? そこまでびっくりされると。反応に困る。。。


「………まだ、童貞ですけど。っていうかお隣のお姉さんは無いよ。確かに綺麗な人だけど」


「そ、そうですか(ほっ)」


「それで、何を練習するんだって? 恋人の練習?」


「ええ。そうです。それと兄さんの好みは分かりましたので、待っていてください」


「いや、好みって、お隣のお姉さんは誰が見たって綺麗だろ? モデルやっててもおかしくないくらいなんだし」


「そうですね、おっぱいも大きいですしね。わたしだってもうちょっとすれば………」


「そこじゃないってば」


 ブツブツ言いながら、ミサキは自分の胸を掴んで揉みだした。俺は一体何を見せさせられてるんだ。。。兄の前で、妹がおっぱい揉んでるぞ。

ずっと見て居るわけにもいかないので、目をそらしつつ、テーブルの上に置いてあった水を飲のんでミサキが満足するのを待つ事にした。


 やがて満足したのか、ミサキが現実に帰ってきた。ので俺に声をかけてきた。


「童貞の兄さんが、間違いをおかさない様に、わたしが家の中だけの嘘の彼女になってあげます♪ だから一緒に練習しましょう♡」


「なにも、そんな事しなくたって………」


「じゃぁ、兄さんはナナちゃんをちゃんと褒められるんですか?」


「え………そりゃ、可愛いとか?」


「ふぅ、兄さんはまだまだですね。ナナちゃんは、今まで色んな男性に告白されてるんですよ? それこそ教師にも」


 クソっ、あのロリコン教師め。っと思いだそうとしたけれど。この間の俺とナオが一緒に帰った時の顔を思い出したら、なんかスッキリした。でも、確かにそうだな。可愛いなんて言われ慣れてるよな。


「あぁ、言われて見ればそうだよな。ナオは、可愛いだなんて言われ慣れてるよな。ミサキは頭が良いな。凄いよ。流石は自慢の妹だ」


「に、兄さん、そんなに褒めないでください#」


 ん? 褒めるんじゃなかったのか? 違ったっけ?

改めて、ミサキの事を良く観察する。昔は全体的にちんちくりんだったけれど。

今は、体が大きくなって、女の娘としてはやや身長が高くてモデル体型をしている。

妹だと言う認識を外して見ると、胸も大きいし、顔立ちが整って居て、雰囲気だけならどこかのお嬢様だ。そんな女の娘が、照れた顔をして恥じらってるんだ。魅力的に見えない訳がない。


「ミサキは、とても性格が良くて、お淑やかで、俺の事を立ててくれて。それだけでなく、頭が良くてスタイルも良くて、本当に最高の女性だよ。それに今の恥じらった顔も可愛い」


「いきなりそんな# あぁ♡」


「もっとその顔を見せてくれないか?」


「はい♡」


 そう言いつつ、ミサキは俺に体を寄せてきた。

妹が側にいるだけでこんなに胸って高鳴るんだっけ? いや、今は恋人の練習なんだ。恋人だったらこうなるのは普通だ。


 俺たちが、体を寄せ合って見つめあってると、ミサキが目を閉じてしまった。。。

これは、あれかキス待ちなのか? いや、練習でそこまでするのは違うだろ。

でも、その唇がまるで誘ってるかの様で、とても蠱惑的に見えてしまった。


 このまま練習キスをしてしまうのか、それとも声をかけて終わりにするのか、どちらにするにしても、今の時間が動きだしてしまうのが勿体ないと感じ始めてた頃。


ガチャガチャ、バタン


 玄関の方で、扉が開けられる音がした。どうやら親が帰ってきたらしい。

それに気付いた俺たちは、すぐに離れた。そして、ミサキが言ったんだ


「さ、さっきのは、合格です。でも、ドロドロにするにはまだ足りません」


「ん、あぁ、そうか」


「はい。ですからもっと練習しましょう♪ それこそ二度と離れたくないと思わせるくらいに♡」


 どうやら、妹のミサキの合格がもらえるまでこの練習は続きそうだ。


つづく

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あとがき


兄の目的をサポートしつつ、自分の目的を果たそうとする義妹ちゃん。

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