第4話 手放したくない

「今のはちょっと減点ですよ。でも、悪くはないです」


「さっきから、その点数? みたいなのは何なんだ。気になるんだけど」


 良い頃合いかと思って、そう問いかけるとナオが「それはですね」と話し始めようとした時にタイミング悪く料理が来てしまった。どうやら思った以上に見つめ合ってたらしい。


 店員さんが居る所で、話す話題でもないので二人して黙ってしまう。

そして、ナオは今度は俺の太ももに手を置きながらスリスリしてきた。

さっきから何なんだ一体っ………その……反応してしまうだろうがっ!


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「それではごゆっくりお楽しみください」


 そう、言いつつ店員さんが配膳を終えて出て言ったので、改めて料理を見る。

全部美味しそうだ。それと、ナオが頼んだノンアルコールのモヒートも気になる。


 耳の上に髪の毛を持ち上げながらストローで飲み物を飲んでる姿が妙に艶かしい。


「美味しそうだな………やっぱ飲み物も頼むべきだったかなぁ」


「私とシェアすれば良いじゃないですか。これ美味しいですよ♪ アルコール入ってないんで、大丈夫ですよ?」


 そう言いながら、自分の飲み物を差し出して来た。

飲んだ事がない飲み物だし、美味しいと言われると、とても気になる。


「いや、俺はお冷だけでいいよ………お水好きだし………」


「えっ、先輩は私の酒が飲めないのっ!?」


「酒じゃないだろ。自分で言ってたじゃないか」


「冗談ですよ♪ でも美味しいのは本当ですよ?」


 そう言いながら、飲み物を差し出したままのナオ。俺の妹も買って来た飲み物が美味しかった時にたまに「兄さんもこれ飲んで見てよ」シェアしてくるけれど。

同じストローを使ってたりはしない。


 こういう場合は、どうするべきなんだろう。いつまでも躊躇しているのも仕方ない、一気に水を飲み干した。


 部活帰りで、喉乾いてたのと、さっきからナオの行動のせいで、胸の高まりが収まって居ないのとで体が水分を求めて居たようだ。


 それが、お冷を飲んだ事で、体に染み渡っていった。ただの水がこんなに美味しく感じるのは、マラソンをして疲れ切った後にした水分補給の様だな……。


 そして空になった、コップをナオに差し出した。


「それじゃ、ここに入れて。飲んでみるから」


「そう来ましたか、ちょっとヘタレな感じはしますが………んー」


 そう言うとナオはちょっと思案顔になった。すぐに飲み物を注いではくれない様なので、待って居ても仕方ないので、焼き鳥を食べ始めた。

まずは塩味だな。次にタレを食べよう。


モグモグ、モグモグ、モグモグ。


 あ、美味しいぃ。今まで、ハツとか食べた事なかったけど。さっぱりしていてそれでいて、水々しさがあって結構イケる。好きになりそうだ。


 鳥刺身も気になるが、値段が結構してたので、何となく躊躇してしまう。

そう思いながら見つめつつ、焼き鳥食べて居ると、ナオが鳥刺身を食べ始めた。


「あ、美味しい。これはいいですね。先輩もどうですか?」


 そう言いながら、刺身を箸で持って俺に”あーん”の体制で差し出して来た。

でも、付き合ってもない女の娘に”あーん”されるなんてハードルが高すぎる。

どうしようかと躊躇しながら、鳥刺身の皿に目をそらしてしまった………。


「”あーん”して食べないと、鳥刺身あげませんよ?」


「え、割り勘だろ? それなら俺にも食べる権利があるはずだ」


「鳥刺身は私が頼んだので、割り勘しない事にしました♡ だからこれは全部私のです♪」


 た、食べたい。どんな味なのか気になるっ。でも自分で追加注文するほどの金はない。仕方ない、ここは”あーん”されるしかない状況だな。ここで断る男子なんか居ない!


「じゃぁ、もらうよ」


「はい。どうぞ♪」


 パク、モグモグ。ん。思った以上に刺身してる。

鳥でもこんな風に食べれるのか。これなら鳥ササミよりも食べやすそうだ。

なるほど、ちょっと高いのにはちゃんと理由があるんだな。


「美味しいですか?」


「うん。美味しい。良いねこれ」


「それじゃ、こちらもどうぞ♪ あーん♡」


 そう言いつつ、次の鳥刺身を差し出してきた。とても魅力的な提案だ。もちろんあーんされて食べた。


 ノンアルコールのモヒートも、シェアしてもらった。すでに、あーんしてもらったんだから、もう躊躇する理由はない。


 なんか、もう本当に付き合ってるみたいな状態だな。俺はまだOKはしてないんだが、そして、思った


『どうしてこんなに可愛くて魅力的な娘が、少しの期間しかお付き合いしてないんだろう?』


 もし俺が彼氏なら、ずっとこの娘を手放さないのに………。


つづく

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あとがき


ナオちゃんはビッチではありません。

処女ビッチです(重要)

処女なんです(大事な事なので2度言いました)


面白かった、続きが気になる。コンテスト頑張って!

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