第3話 手慣れてるな

「まぁまぁ、細かい話はまた後で、まずは注文しましょ?」


 どういう事なのか気になるが、たしかに部活帰りで腹が減って来ているから、まずは何か注文しよう。とりあえず肉が食べたいな。


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 ナオと一緒に何を注文しようかとメニューを見始めた。 ――――が、料理の数が多すぎて何を選んだらいいのか分からず、どうした物かと悩んでいると隣から声を掛けられた。


「先輩? 何が食べたいですか?」


「とりあえず、肉は食べたいけど。居酒屋に来るなんて初めてだから、何がいいか分からないよ」


「それじゃ、私が選んじゃっていいですかね? 足りなければ追加する感じで」


「あぁ、いいよ。ごめんね。なんか、こう言うのって男が選ぶ気がするんだけど」


「いえいえ、私こういう所くるのって慣れてますから」


 へぇ………そうなんだ…………誰と来たりするのかな? も、元彼とか? ―――それとも家族? 家族とならまぁ普通だけれど。想像もしてない返事が来ても困る。


 まずは、ナオの事情を聞いてからにしよう。


 テーブルに設置された呼び鈴を ピンポーン と鳴らしてしばらくすると、店員さんがやってきた。


「お待たせいたしました。ご注文は如何でしょうか? お客様は、高校生の様ですので酒類の提供は出来ませんので、ご了承くださいませ」


 そう、流れる様に説明された。今は意外と高校生が来る事も多いのかもしれないな。


 でも、あんまり遅くなって他のお客さんに絡まれても嫌だな。あまり遅くならない様にしよう。


「とりあえず。焼き鳥の盛り合わせを2つと ――あ、この鳥刺身盛り合わせお願いします。焼き鳥の盛り合わせはハツとレバーはつけてください。先輩は何か食べたいものありますか?」


「何かっていうか、その鳥刺身結構いい値段してるぞ? 俺そんなに手持ちがないんだけど」


「大丈夫ですって、私が誘ったんだからここの支払いは私が持ちますよ? まぁ親の金ですけどね」


「そんな訳にはいかないよ……せめて割り勘で、それならなんとか………」


 そう言ったら、ナオはニコニコしてうなづきながら、体を寄せてきた。

そして、さらなる追加注文をし始めたんだ。


「じゃ。ノンアルコールのモヒートと、鳥串盛り合わせも追加でお願いします」


「えぇぇ、増えるの?」


「割り勘だから予算増えたじゃないですか? それともやっぱり私が全部出します?」


「そんな訳にいくか、お年玉の残りを下ろせばなんとかなる………多分」


「以上で、よろしいでしょうか? お飲物は如何されますか?」


「とりあえず、お冷で………」


「はい。それでは何かありましたら、お呼びくださいませ」


「はぁい♪」「はい」


 結局、俺は何も注文しなかった。値段が気になって飲み物を頼めなかったんだ。

メニューみてたら居酒屋の飲み物ってソフトドリンクですら結構するし。


 頑張れ、俺の貯金。最悪、親から前借りすれば………なんて言って前借りすればいいか考えないとならないが。そんな事を考えつつ、少し憂鬱になっていると、ナオが俺の頬に顔を寄せて囁いて来た。


「この後、楽しみですね♡」


「え?」


 何の事だ? と思って思わず振り返ってしまうと目の前にはナオの顔があって………至近距離で見つめあってしまった。


 近くで、よく見ると唇がふっくらしていて、リップをしてるんだろうか。唇の表面が艶めかしい。


 最近、妹も妙に色気づいて来て、ドキドキしてしまう事があるが、こんなに年頃の女の娘を至近距離で見つめるなんて事はなかった。


 そうこうしていると、ナオがなぜか瞳を瞑ってしまった……。


 唇を少し突き出していて、キス顔をしている様に見える。え、これってしちゃっていいの? でも、まだ付き合ってないんだよ。俺たち?


 そんな事を考えてると、胸が今までよりも高鳴ってしてしまい。

思わず握ったままの手に強く力を入れてしまった。


「せ、先輩? 痛いです」


「あっ。 ――ごめん」


「今のはちょっと減点ですよ。でも、悪くはないです」


「さっきから、その点数? みたいなのは何なんだ。気になるんだけど」


 良い頃合いかと思って、そう問いかけるとナオが「それはですね」と話し始めようとした時にタイミング悪く料理が来てしまった。どうやら思った以上に見つめ合ってたらしい。


 店員さんが居る所で、話す話題でもないので二人して黙ってしまう。

 

そして、ナオは今度は俺の太ももに手を置きながらスリスリしてきた。―さっきから何なんだ一体っ………その……反応してしまうだろうがっ!


つづく

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あとがき


夢のシチュエーション、キス顔とスリスリその②

OKサイン出して居る女の娘と二人っきりの個室でされたら、

襲ってしまう自信があるっ!


面白かった、続きが気になる。コンテスト頑張って!

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