第2話 二人っきりで過ごしたい

 俺は、ナオと出会った時の事を思い出していた。


 どの道、ナオから、事情を話してくれるならいつでも聞くつもりではいたんだ。今回は、事情を聞く良い機会かもしれない。


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 そして、二人っきりで話す話題に戻った。


「ちょっと二人っきりで話せる所で話せませんか? 先輩の家でもいいですよ?」


「うちは、家族いるし。二人っきりになったら誤解されるだろ。ダメだ」


「えー。それじゃどうするんですか。やっぱりホテルしかないですよ♡ ね? そうしましょ♪」


「いや、あるだろ他にも………」


「例えば?」


 ん。。。カフェとかは、隣の席と近いと他の人に聞かれるし。。。カラオケは、うるさいな。話せなくはないけれど。近くに寄って話す事になってしまいそうだ。


 まだ、付き合ってない男女で体を寄せ合って話すのは、どうなんだろう。。。

気にしない人は気にしないかもしれないけれど。今まで、女の娘と付き合った事がないので距離感が分からない。


「例えば、個室のある飲食店とか………でも、俺、そんなに金ないよ」


「まぁ、しょうがないですね。それで我慢してあげます」


 どうやらこの提案で、妥協してくれたらしい。いや当たり前なんだけどな。

いきなりホテルや俺の自室なんていくらなんでも早すぎる。


「それじゃ、行きましょうか」と言って、俺の手を取って歩き始めた。

まだ、付き合うかどうかの返事をしていないのに。ナオはまるで恋人の様に指を絡めてくる。


 びっくりしているうちに、指を絡めながらスリスリしてくるんだ。なんだこれ、、、女の娘の手ってこんなにも柔らかくてそれに細いんだ。。。


 俺の手はテニスをやってるせいで、手のひらに豆が出来たりしてゴツゴツしているので、女の娘の艶やかな肌に触れていると、ちょっと気後れしてしまう。そういうのは、彼女であれば気にならないんだろうか………?


 余計な事を考えつつ、今まで感じた事のないほどの胸の高鳴りを感じながら、ナオと二人で繁華街に向かった。途中で顔見知りの奴とすれ違ったが、驚いた顔をしたあと、隣のナオを見て納得した顔をされていた。


 ナオは、フリーの時は基本、告白を断らないと言う噂だから。きっと俺の方から告白したと誤解されたんだろう。そして、どうせすぐ別れるだろ。とか思われて居そうだ。


 そして、繁華街のとある居酒屋に着いてしまった「え? 高校生って居酒屋入って良いの?」と聞いたんだが、最近は高校生でも22時までは居酒屋に入っていいらしい。


 勿論、酒の提供はダメだけれど、高校生でも普通に入れるだなんて、飲食業界も大変なんだな………と、なんとなく思ってしまった。


 そうこうしていると、ナオが手慣れた感じで、受付を済ませて居酒屋の個室に案内された。居酒屋になんて来た事ないから、緊張してしまってあたりを見渡してしまう。掘りごたつ型の座席で、黒と茶色系の壁や柱に間接照明が設置されていて、なんと言うか落ち着くと共におしゃれな感じがする。


 入り口は、障子で遮られて居て隣の席の声は聞こえたりするが、これなら誰が話しているかは分からない。内緒の話しも出来そうではある。


 ただ、席の状況については、違和感がある。こう話し合いをする時って、普通は先生との面談の様に対面で行う物だと思うんだ。


 だけれど、ナオはお店に入ってくる時と同じで手を繋いだままだったので、そのまま隣の席に座ってしまった………。


 しかも隣の席に座ってる間も、ナオは俺の隣で手を繋ぎながらスリスリしているんだ。このままじゃ、エロい気分になってしまう。もし此処が自室かホテルだったら思わず押し倒してしまいそうだ………。


 そんな事を考えながら隣を見みると、ナオと目が有った。

普段慣れない、オシャレな雰囲気の部屋でしかも二人っきりなんだ。

この状況でドキドキしない童貞男子は居ない。ナオの顔を見つつ、まつ毛長いなぁ。目が大きいなぁ。と思いながら見つめ合ってしまった。


「やっぱり、先輩はいいですね。ここまでは合格点です♪」


「え? どういう事?」


「まぁまぁ、細かい話はまた後で、まずは注文しましょ?」


 どういう事なのか気になるが、たしかに部活帰りで腹が減って来ているから、まずは何か注文しよう。とりあえず肉が食べたいな。



つづく

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あとがき


ツィッターで『指を絡めて手を握り合うのって、夏場とか手が汗ばむし、長く付き合ってると、微妙に感じてくる』

と言うつぶやきがあって、汗ばむのが嫌なら、こんな感じでフェザータッチでスリスリしながら繋げば全て解決じゃん!

と気付いたので、入れたシチュエーションです。

これ、実際やられたら凄く興奮してしまいまい。男の子はイチコロに違いないっ!


面白かった、続きが気になる。コンテスト頑張って!

と言う方は是非

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