居酒屋で後輩にお持ち帰りさせられた件 〜やがてヤンデレになるカップル、ドロドロにハマって抜けられなくなりました〜
ケイティBr
第1話 突然の告白
『ダイスケ先輩♪ 私と付き合って貰えませんか?』
それは俺が高校最後の夏の暑さを感じ始めていたある日
部活動終わりの帰り道の途中で1年生の後輩、南條 奈央(ナンジョウ ナオ)に呼び止められてから、そう言われた。
ナオは、ソフトテニス部活のマネージャーで、みんなの人気者だ。
よく告白されてるのを噂で聞いているが、今まで誰とも長く付き合えた事がないらしい。
「なんで、俺と付き合いたいんだよ。他のやつによく告られてんだから、そいつらの中から選べばいいだろ?」
「そういう、冷静な所も好きですよ。先輩♪ それに先輩って東京の大学に進学するつもりなんですよね?」
「あぁ、そうだけど」
「遠距離恋愛してるって言えば、他の男子から告白されなくてすむじゃないですか。それが、私に都合がいいんですよ。それに先輩なら安心ですし♪」
そうか、この娘は俺を男避けに利用したいだけなのか………
まぁ、ナオは可愛いし、実家も金持ちだから色々気苦労があるんだろうな。
改めてナオをじっくりみる。黒髪のツインテールで目がパッチりとしていてとても愛らしい。喋りもハキハキしていて、マネージャーとしての仕事もみんなに分け隔てなくやっていて、俺も部活動でお世話になっていた。
「でも、お前ん家、良い所の家だよな? 俺の家は普通だぞ? それにナオは可愛いし。男なんて選び放題じゃないか」
「それには、ちょっとした事情がありまして………ちょっと二人っきりで話せる所で話せませんか?」
今は、帰宅途中の生徒がちらほらいる時間帯で、ここに話し込んで居たら確かに目立つ。でも、二人っきりで話せる所か………どこに行けばいいんだろう。
俺はあんまりお小遣いないぞ。と躊躇していると。
「あ、早速ホテルとか行っちゃいます? もう、しょうがないなぁ先輩は♡」
「いや、行かねーよ。アホか。お前、他のやつにはそんな事言うなよ。本気にされたらどうするんだ」
「心配してくれるんですか?」
「心配しない方がどうかしている。自分の体を大切にしろよ」
「そういう所も好きです♪」
エヘヘと、笑ながらナオはそう笑いかけてくれる。
そんな笑顔も可愛いが、どうしてそんなに積極的なのか分からない。
「それに一度は、もうお持ち帰りしたじゃないですか、忘れちゃったんですか? ひどいなぁ」
「いや、あれは、そんなんじゃないだろ。それに持ち帰ったのは俺の妹だ」
「えー。そうでしたっけ? 結局、同じじゃないですか?」
「全く違うって」
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南條 奈央(ナンジョウ ナオ)との出会い
ある雨が降っていて、空が暗さを増していた日。
妹と一緒に自宅に帰る道中にある公園で女子生徒がずぶ濡れになって、佇んでいたんだ。
それが同じ学校の生徒だとはだと気付いてはいたが、知らない娘だったらどうしようか、不審者だと思われないかと考えてしまい、声をかけるか躊躇していた。
そうしていたら、妹の橋本 美咲(ハシモト ミサキ)が「兄さん。助けないんですか? もし、声をかけづらいなら、わたしが、声かけますよ?」
と言ってくれたので、声を掛けるのは、ミサキにお願いする事にした。
そして、その女の娘は、俺が所属しているソフトテニス部のマネージャーの南條 奈央だった。奈央と妹はクラスメイトで、席も近いからたまに話す仲だったらしいので、ひとまず家に連れて帰る事にしたみたいだ。
俺は風呂の用意と親に、妹の友達が来て居る事を連絡した上だけで、奈央とは細かい話しをしなかった。女の娘同士で話した方が良い事もあるだるしね。
それで後日、ミサキから、奈央の事を気に掛けてやって欲しいとは言われたが、事情を知らないので何をしたら良いのか分からない。ので「まぁ、気には掛けておく」とだけ答えたんだ。
その後の部活動中に、妙に奈央から声を掛けられる様になったから、このままで良いかと判断して、俺からは特に何かをしたと言う事はなかった。
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以前、お持ち帰りした時の事を思い出してしまっていた。
どの道、ナオから、事情を話してくれるならいつでも聞くつもりではいたんだ。
突然の告白で驚いたが、今回の事は直接話しを聞く良い機会かもしれない。
そう思ったので、後輩の二人っきりで話したいと言う提案に乗る事にした。そうすると目の前の娘はとても嬉しそうにしてくれたんだ。
つづく
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あとがき
今作は、第8回角川文庫キャラクター小説大賞
コンテスト向けに執筆しています。
アルファポリスの方でも恋愛物のコンテストが5月にあるので
そちらにも応募予定です。
面白かった、続きが気になる。コンテスト頑張って!
と言う方は是非
フォロー、☆、いいねをお願いします!
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