第5話 イチャイチャ

「先輩♪ それじゃ、こちらもどうぞ♪ あーん♡」


 そんな事をいいつつ、あーんされて食べつづけた。

タレが、口から少し溢れてしまった時も、ナプキンを使いつつ、口の辺りを綺麗にしてくれて、まるで本当のカップルみたいだ。


 でも、俺はまだナオの告白? を受けてない。なのに何故こんな事になってるんだろう………。


「このお店の料理は本当に美味しいな………それでさ、そろそろ話してくれないかな?」


「え? 先輩の好きな所ですか?」


「そっちじゃないよ。いや、それも気になるけど。点数がどうとかの話し」


「もー。そんなに私の事を知りたいんですかぁ♡ 早速、私の彼氏顔なんですかぁ♡」


 ちょっとドヤ顔をしつつ、片手を頬に添えつつ染めて悶えるナオ………そんな仕草もメチャクチャ可愛いっ。やっぱり俺ならこんな娘を手放さない。一体何があったら、すぐ別れるだなんて事になるんだっ。


「あぁ、そうだよ。だからナオの事を知りたい」


「そうですねぇ。それじゃハグしたら教えてあげます♡」


「え? なんで?」


「私には大事な事なんです。ダメですか?」


 そう言いつつ、上目遣いで俺の事を見つめてくる。

ナオの膨らみつつある胸元の肌色が眩しい。もう少し覗くと、下着が少し見えてしまいそうだ………でも、付き合ってない男女でハグなんって早すぎるだろ。


「ハグくらい普通ですよ。外国では」


「外国ではそうだけれど………ここは日本だよ」


「私が良いって言ってるから良いんです。しないんですか? もしかして私って魅力ありませんか?」


「いや、そんな事はないよ。今、凄く胸がドキドキしてる。自分を抑えるのに苦労してるんだよ。これでも」


 そう言ったら、ナオが俺の胸を触ってきた。女の娘に胸を触られるなんて初めてだ。余計ドキドキしてしまい。俺のものは完全に反応してしまった。。。全身も緊張してつい体に力が入ってしまう。


「ん。硬あぃ。それにとっても大きい、男性のってこんな風になるんですね………もっと触っていいですか? ………でも、ドキドキしてるかよく分からないですね。先輩、直接触って良いですか?」


「何言ってんだ。ここは居酒屋だぞっ。いつ人が来るか分からない様な所で、そんな事できるか」


「もう、何処まで考えてるんですか。先輩は、エッチですね♪ それじゃ首のあたりを触ってもいいですか?」


 そう言いつつ、俺の首に両手を回して、動脈の辺りを確認してきた。確かにこれなら分かるだろうけど。姿勢がまずい。何がまずいってこの体勢だと自然とナオの瞳を覗く様になってしまい。目をそらしたくても反らせない引力を感じる。


 俺はもうこの娘の魅力にやられてしまってるらしい。そんな事を思いつつナオと見つめ合ってしまった。。。


 そうして、そのまま、見つめ合った体勢で、どのくらい時間が経ったかが朧気になりはじめ。もうずっとこのままで居たいと感じ始めた頃、ナオが喋りだした。


「………私『運命の人』を探してるんです」


「え? どういう事? 運命の人?」


「この人とずっと、それこそ来世も一緒に居たいと思える人を探してるんです」


「それは、、、とても、、、女の娘らしい夢だね」


「今は、その『運命の人』が先輩じゃないかと考えて居ます。でも、まだ分かりません。確信がないんです」


「………俺はその『運命の人』と言う者を考えた事がないからなんとも言えないけれど。そうなれたら良いなと今は感じてるよ」


「でも、でも、ですよ。今のその感情は、勘違いかもしれません。私たちはまだ、高校生じゃないですか………」


「そう、だな………まだ大人とは言えない年齢だな………俺たちは」


「………だから、大学卒業までには見つけたいと考えています」


「大学か………タイミング的には良い時期なのかもな」


「えぇ、実家を継ぐ必要もありますので、それまでに『運命の人』を見つけないとお見合いをさせられる事になってるんです」


 なるほど。それがナオの事情か………

「だから、私と付き合ったあと、、、別れてくれませんか?」


「えっ………なんで? 普通に嫌だよ?」


「『運命の人』を見つけるのは、亡くなったお婆ちゃんとの約束なんです………だから、妥協はしたくないんです」


 目の前のナオは、そう言いながらお婆ちゃんの事を思い出したのか、涙ぐんで居て、そして、その顔が今までみたどの顔よりも愛おしく感じてしまった。


 その湧いてきた感情に自分自身でびっくりしつつも、彼女を見つめ続けていて分かった。どうやら、俺の心はこの娘の『運命の人』を探す夢を応援したいらしい。


 そして同時に、目の前の魅力的で、どこか危うい娘を本当の意味で手に入れたいと言う気持ちを強く感じた。


 どうしたら、彼女に『運命の人』と認められるんだろうか。今こうして、ナオと見つめ合えてる時間は、もしかしたらとても貴重な物なのかもしれない。


つづく

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あとがき


ナオちゃんは罪づくりな女

でも彼女の夢を応援したい


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