✴ 見習い少女は傷だらけ 反省会
いつもの時間がやってまいりました。こんにちは、カラクロアリカです。
そんな長い話でもなかったし、さくっと行きましょう。
●反省点
・中盤までアリヤが報われなさすぎて読みづらいってレベルじゃねえぞ
・最後で急に恋愛カテゴリだったことを思い出すんじゃない
・レイティングギリギリの血なまぐささは逆に詐欺では
・計画性のなさ
①アリヤ報われない問題
「主人公がやたらに周囲から愛されまくる話はやだ~~ッ!!」って喚きながら書いてたせいでしょうか。絶対そうだよこのひねくれ者め。限度ってもんがあるだろうが。
セディッカもなんかずっとしんどそうで胃に穴とか開いてないかなって途中何度か心配になりましたね、とか他人事みたいに言ってごめんね。
②突然の恋愛エンド
実はエピローグはない予定だった(えっ?)んですが、あまりにも恋愛せずに終わってしまったのでさすがにダメだろ~とか、いろいろ言わせたかったセリフ(痛みも心の一部云々とか)が漏れてたとか、何より「告白するっていう目標を放り投げたままはなくない?」の気持ちが高まったので……。
セディッカの精神状態とか鑑みると一年くらい時間かかるなと思ってたのでちょっとだけ時間を飛ばしました。アリヤの歳でいうと十五歳から十六歳になった。まあそこまで本編で年齢に触れてこなかったので急にどうした感ありましたが。
③レイティング詐欺
ちょっと流血が予定より多かったかなって気はしています。一応要らないとは思ってますが、もし苦情が来たら残酷描写くらいは再考するかも。
眼球抉り出し云々もダイレクトにその描写があるわけじゃないからいいかなって……ダメ?
④計画性のなさ
実は当初の予定だと8万字くらいで終わるはずだったんですよね。いや倍近くになってんじゃん。
というのも、もともと特異点がどうとかいう設定なかったし(!?)洞窟から帰ってきたらラーフェンや魔女やセディッカときちんと話し合って万事丸く収まるつもりで、予定表もそこまでしか組んでなくて。
ところがエジプトルーセットオオコウモリ(セディッカのモデル種のひとつ)の発情期サイクルが春秋二回だと判明するわ、アリヤに「濃い一日すぎて一ヶ月くらいに感じる」とか思わせてしまったせいでフラグになって大幅な時間のズレを補習という形で回収するハメになるわ、結果まともな両親がまともに娘を心配して怒ってくれるわ……。
なんとか帳尻合わせなきゃ……とバタバタしている間に悪霊暴走エピソードを思いついてしまいセディッカが限界迎えて泣いちゃったので「これこのままじゃ終われないじゃん」となって薬を作らせ、「あまりにも楽しい話がなさすぎる」と気付いて、とってつけたようにお菓子作り&お月見デートと薬草採集ピクニックさせたらこうなりました。
そう……また後半アドリブ祭だったんだ……。
●良かったこと
これきっかけでアフリカの文化に興味持ち始めました。
あとコウモリの生態を調べるのは楽しかった。オオコウモリかわいい。
急ぎの調べではあまりまとまった資料が得られなかったので、いくつかの種をサンプルにしてごちゃまぜにしました。でも地域イメージの兼ね合いもあって前述のエジプトルーセットオオコウモリが主ですね。
作話的な意味での良かったことはとくにないです……基本的に書いてる間もセディッカごめんアリヤもごめんしか言ってなかったので。あ、終盤のほのぼのパートは楽しかったですが。
まあタイムリープ主人公ばりにハッピーエンドへのルートを探して行ったり来たりしたのは一応それも経験値にはなったと思います。
●雑談
もともとは「ダンジョンの大家さん。」で出したインプンドゥルという存在がちょっと面白かったと、ラーフェンというキャラが鼻についた(言い方)ので深掘りしたくなったんです。
元ネタは南アフリカの伝承ですが、かなり改変が入ってます。元の方は
『魔女の使い魔で、血を好む魔鳥。美しい男性の姿に変身して女性を誘惑する。定期的に生け贄を与えて養わねばならず、怠れば主人を襲う。通常は魔女から娘へと相続されるが、継承に失敗して彼を解放してしまうと、人びとを襲う悪魔「イショログ」になる』
……ヒモじゃねーか。いやまあ、たぶん日本でいうところの妖怪を調伏して式として使役するような感じ……なのかな。
とりあえず面白いなあと思いまして。
それならラーフェンにも契約した魔女がいるよな~クェンティアおばさん(短編のダンジョンに住んでいる魔女)は違うよな~とぼんやり思っておりまして。
さらにそれ以前、ついったに「魔女の薬屋に入り浸ってるJKがたまに人間に変身している使い魔と交流する」という140字SSの連作を投げたことがありました。
ある日、ふと脳内でこれらが合体して「見習い少女~」が爆誕しました。
使い魔のキャラ設定はSSの時点で「ぶっきらぼうでシャイ」。魔神とか魔女の主人とか世界の均衡が云々とか魔眼がどうのとかは、改めてオリジナルで設定した次第です。
そしたら特異点とかいう厄介設定が生まれてずっとこいつに振り回された。重いんだよ無駄に。
インプンドゥルに合わせて他の人外キャラクターもすべてアフリカの伝承から拝借しました。といっても日本語資料が少なかったりして不明な部分は、やはり妄想と趣味で補完しています。
最初はナバトの洞窟に捕らわれたメンバーしか出すつもりがなかったので、地域も分散させてみました。
東部 ネナウニル(マサイ族)
西部 キンキルシ(モシ族)
南部 インプンドゥル(ズールー族)
北部 ハルン/ハルナ(モロッコ)
中央 アジュア(ムブティ族)
彼らを調べているうちに気になった他のも好き勝手に出しましたけど。なんでもいいけど天空神オニャンコポン様、本当に偉大な存在なのに名前が日本人感覚ではゆるふわすぎてシリアスな場面でどうにも浮いてしまう……。
正直、あまり読み口のよい作品ではないと思います。前作「斯くて雌羊は血に餓えぬ」や「うらみ通りの藁人形」のような凄惨さはなくても、ただ健気に頑張っている善良な主人公がちっとも報わない展開が続くのは、精神的にしんどい仕上がりに違いないので。
私は書いていてアリヤが怖かった。こんだけセディッカに冷たくされても、心が折れるどころか迷わず尽くし続けて、そのうえ自分の中で幸せを見つけて勝手に満足してしまうの、超人すぎてわりと化け物だなって思った。いい意味で。
まあ人間嫌いの人外彼氏を力づくで振り向かせるような女はそれくらいのメンタルでないと無理だよね……。笑
つらいのになかなか終わりが見えなくて、すごくしんどい作品でした。
エピローグでは開き直ってイチャイチャさせたので、終わり良ければすべてよしってことにさせてください。ハピエンへの持っていき方が少し雑なのはたぶん体力切れです。笑
●このあと
危うく「おまけが本編」状態になりかけたラブコメ(約12000字/全五話)があります。
ラーフェンとソルマ(読み切り短編「ダンジョンの大家さん。」主人公)の後日談なんですが、大家さんと見習いの両方とも読んでないとピンとこない内容なのであまりにも誰得……でも書きたかったんだ……。
ダンジョン世界での「三階のラーフェンくん」の受難(笑)と愛と恋のお話です。
●これからの予定
某投稿サイトで企画参加した作品をこちらでも公開します。
①『インタプリタの撞着』
どこかの施設で暮らしている青年。名前は妙な英数字だが、美しく優しい世話係のディアナからニックネームをもらい、何不自由なく平穏な暮らしを享受していた。
あるとき彼はディアナを異性として愛するようになる。永遠に続くかのように思われた、二人きりの甘く情熱的な楽園に――突如、無機質なアナウンスが終わりを告げた。
「繁殖を行ってください」
■AI×恋愛短編コン参加作。ハッピーでグロテスクな終末SF系ラブロマンス
約10000字/全五話構成/性描写あり
②『〈
〈大散逸〉という詳細不明の災害により、魔導は大幅に衰退した。旧時代の魔法道具は動かせなくなり、わずか数十冊ほど残存する魔導書も、現代人が読めば死に至る危険物。
新米警察官のリオは、上からの指示で幼馴染みのジルに捜査強力を依頼する。彼女は国内に数名しかいない特異体質であり、それゆえ魔導書庫の管理人を務めている〈書庫番〉……つまり引き篭もりの本の虫だ。
二人は互いへの想いを隠しつつ、一緒に捜査を進める。すると、もともとお粗末な盗難事件から始まった一連の騒動が、世界を脅かす大事になってしまい……!?
■エイプリルフールゲリラフェア&魔法のお守り短編コンテスト参加作。
五つの魔法具をお題に紡いだ、両片想い幼馴染みの恋とごはんと魔法のサスペンスファンタジー。
全年齢(レイティングなし)/読み切りSS+五話構成の連作短編五つ、総五万字ちょいの実質中編
その他は
・花鬼蝕(中華短編集)を再公開する
しれっと新作SSあります
・刻㋨理シリーズの新作SS
・「幸福の国の獣たち」スピンオフ
他にも山ほど書く予定の話があるけどなるべく前後はさせないつもりです……。
では、またいつか、どこか遠いところでお会いしましょう。
空烏 有架(カラクロアリカ)拝
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