第1話 客の来ない探偵事務所 5
時を同じくして…
とある場所で部屋の大きさも分からない漆黒の闇の中男女の話し声が木霊した。
「本当に宜しかったんでしょうか?」
「文句あるのかしら?」
「ですが、あの子らを放っておくのはあまりに危険かと。」
「どうでもいいわ。力もない知恵もないそんな子などコレクションにいらないもの。
そんなことより数百年ぶりに私の大好きな問題児を見つけた方が大切なことよ。」
「ライオンとウサギを同じ檻にいれるとはまた…。」
「ずっと逃げられていたのよ?あぁー楽しみ。今回も是非楽しませてほしいわ。
折角私がわざわざ出向いたんですもの。」
女の声は偉く上機嫌で高笑いまじりで、そして男の声は控えるようにそして女を少し諫めるように落ち着い声話していた。
闇に二人が溶け込み姿を消すまでの一時の間の事だった。
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