この欠点だらけのパーティーに救いを
ゴブリンを倒したが討伐の証を持って帰れなかった新一達はなんの収入を得られないままギルドへ帰ってきた。
食事を頼むがただでさえこの世界の食事は不味いのにパーティーを組んだ魔法使いが地雷でしかなかったこともあり余計に不味く感じる。
このままではダンジョンに潜ってもずっと無収入で金が尽きるのが目に見えてわかる新一はパーティーを解消するためにこの場から去ろうとする。
「えっと、今回はありがとうございました。じゃあ俺はこれで行くのでまた機会があったらよろしくお願いしますね、」
そう言い残し新一は席を立とうとするがアリスを服を引っ張らられて立てない。
ステータスではアリスが圧倒的に勝っているため一向に逃げることが出来ないのだ。
「魔法使いと組めるチャンスなんて中々ないとおもいますよ!ぜひこのままパーティーを組みましょう!その方がきっといいですよ、」
「いやいや、そんな強い魔法使いと無職の俺が組むなんて恐れ多いですよ、こんな無職の俺よりも力を必要としてるパーティーと組んだ方がいいですって」
「大丈夫ですよ!私もまだ駆け出しですし職業とか気にしませんから、だから逃げないでください!もう新入りのあなた以外からパーティーを断られてるのであなたしか組む人がいないんです!」
「ちょ、離せ!いくら強くても討伐の証を取れなきゃこのまま無収入で飢えて死ぬわ!それにあんな強い威力だとこっちもいつか巻き込まれるわ、既に爆風で飛ばされてるし」
「そこは何とかしますから!それにあなたもこのままだとダンジョン入れないんですよ!」
「それは、、、」
たしかにそれもそうだった。
新一は駆け出しのしかも職業が無職ときた。
魔法もスキルも使えない新一と組む人はなかなかいないだろう。
新しい仲間を探してる間にも金は減っていきいつかは無くなるのは目に見えてる。
しかし、この魔法使いとパーティーを組んだとしても収入を得られるとは思えないがどちらを選ぶのが正解なのかわからない。
「はあ、わかったよ。その代わり荷物持ちぐらいはしてくれよ。俺が前に出てなんとか倒すからその間は警戒とかしててくれ。」
「はい!もちろんです!なんでもやりますのでよろしくお願いします!」
この世界にきてやっと仲間を見つけたが新一には不安しか無かった。
不安を抱えながら夜も開け新一はギルドで新しい仲間を探すことにした。
せめてあと一人前線を共に戦える人が仲間になれば新一の負担も減るというもの。
分け前も減るが命には替えられないので仕方ないと割り切ることにする。
ギルドで受付けの人に聞いてみるとパーティーを募集してるのは何人かいるらしいがやはり最弱職を仲間にしてくれるところはないらしい。
そんな中一人だけどんな職業でも気にしない人がいると教えてもらえたので早速会ってみることにする。
教えられたところに行くと小柄な女の子が座っていた。
ぱっと見とても冒険者としてやっていける気がしないがとりあえず話を聞かないことにはなにも始まらない。
「パーティー募集の件で来たんだけど大丈夫かな?」
「はい、構いませんよ。どうぞ座ってください。」
やはり丁寧な挨拶といいとても冒険者とは思えない。
腰に刀を刺しているが意外と剣士なのかと期待するがやはりそんな甘くはない。
「刀を持っているってことはやはり剣士なんですか?」
「いえ、私は暗殺者をやっています。ですが暗殺者はいいイメージがないみたいでなかなかパーティーを組んでもらえずパーティー募集してるんです。」
確かに暗殺者といえば闇に紛れて人を殺すイメージがある。
そんなイメージのせいでパーティーを組んでもらえなかったんだろう。
そう思うと目の前の女の子に多少同情してしまうが暗殺者といえば戦闘の達人というイメージもあるためぜひパーティーに欲しいところだ。
「今うちのパーティーは無職の俺と魔法使いのアリスの二人なんだけどそれでもよかったらぜひパーティーに入ってほしいんだがどうかな?」
「はい、私でよければぜひ!」
(きた!これで前衛二人で戦ってアリスは荷物持ちでもして貰えばまともなパーティーになる!)
やっとまともなパーティーを組めることに安堵する。
これで金を稼ぐことができるようになった。
「じゃあ早速ダンジョンに潜りたいんだがいいかな?」
「はい、構いませんが私実はモンスターに直接攻撃ができないんですが大丈夫ですかね…」
「え???」
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