決断をするそうですよ!

毎日毎日土を運んで親方に怒られて泥まみれになってそれでもなんとか毎日頑張ってついに異世界にきてから1ヶ月たった。



この1ヶ月間で貯めたお金は15万ちょい。

その金を使って新一は重要な決断をしようとしていた。

この世界に来て1ヶ月たった事で本格的に寒くなり始めボロボロの馬小屋暮らしも限界だった。

そんな中ギルドに毎日行っていたため色んな人と仲良くなり色んなことを知ることが出来た。その中でも有力な情報がいくつかあった。



この街はレクストアイという名前らしいのだが、どうやら周りには低レベルのモンスターしか存在しないためこの時期は冬眠に入るために狩るのは難しい。

だが街と街にはテレポートが使える魔法使い同士で連携し簡単に遠くに行けるらしい。

値段は1回10万ルナと高いのだがこの時期は利用者が少ないので幸いにも駆け出しの冒険者にはレベル10まで1回1万ルナで送ってくれるそうだ。

他の町は近くに初心者向けのダンジョンがあるらしくそこならこの時期でもモンスターを倒せるらしい。



(このままこの場所にいると凍死は確定だし宿に泊まったら貯金は完全に消える、また春から馬小屋で寝て貯金して装備を整えるまでどれぐらいかかることか…)




1人で悩んでもなかなか答えはでない。

誰かに相談しようと思いギルドに向かうことにした。







ギルドに着くと見知った顔を見つけたため声をかけてみる。


「カイさん!お疲れ様です!ちょっといいですか?」



「おう!新一じゃねえか!座れ座れ」



顔見知りとかカイであった。

初めてこの街に来た時に門番のカイと出会いカードの登録料などを貸してくれたりその後もいろいろも街のことを教えてくれたりと世話になっている。

頼れるお兄さんみたいな人だった。



「さすがに馬小屋生活が限界でして、そしたらテレポートのことを聞いて貯金も出来たので初心者向けのダンジョンがある街に行こうと思ってるんですが、なかなか決心がつかなくて」


「まあ、さすがにこの時期はきついからな。でも宿も高いし初心者向けのダンジョンがある所なら人も多いし仕事もあるから無理せず自分のペースでダンジョンに行ったり日雇いをしたりしたらいいんじゃないか?」


「そうですよね。とりあえず行ってみます!ダメだったらまた帰ってきますよ!」



カイに後押しされたこともあり新一は即座に決めることにした。

この世界にきて1ヶ月、辛い現実に遭遇していたがやはりダンジョンというものに興味はあり、行ってみたい気持ちが強かった。



気持ちを再確認し改めてこの世界に来た時のことを振り返る。

想像してた異世界生活とは何もかも違ったがそれでも何とかギリギリやっていけたのはやはり周りの協力がありその中でもカイには世話になりっぱなしだった。



「カイさん!ほんとにこの1ヶ月お世話になりました。あなたのおかげで助かりました!」


そう言い新一は頭を下げた。

カイはそれを笑って受け止め笑顔で送り出してくれた。

そして新一はギルドを後にした。






いよいよテレポートでほかの街に向かう時が来た。

テレポート代で残金は13万とちょっとになったがこれでようやく想像してた異世界生活に少し近づく。

この街を振り返りながら新一はダンジョンという未知の存在に心を踊らせテレポートする。



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