ずぶりと21発目、闘技場
ペネトがいる場所は闘技場だった。
「おらおら、とっとと掛かって来な。女が怖いのかい」
「何だとぅ」
ちょうど対戦中だった。
観客席で観戦したが、勝負はあっけないものだった。
ペネトが大剣を一振り。
相手は闘技場の壁に叩きつけられ戦闘不能になった。
「不甲斐ないねぇ。あたいは誰の挑戦も受ける。腕に自信がある者は掛かって来な」
それを見ていたシュリンが立ち上がった。
「行って来る」
「手加減してやれよ」
「うん」
シュリンが空を飛びふわりと闘技場に舞い降りた。
「私が相手よ」
「あんたか。いつかやりたいと思っていたぜ」
「御託はいい」
「審判!」
「では始め」
「手加減は無しだ。【怪力】」
ペネトがスキルを使い大剣を振りかぶり、シュリンに叩きつけた。
シュリンは素手で大剣を受け止めた。
しかも片手でだ。
ペネトが力を入れる。
ペネトの血管が浮かび上がり、顔が真っ赤になる。
シュリンの足元の石のタイルが粉々になる。
シュリンは涼しい顔をしている。
シュリンひょいと受け止めていた剣を横にずらし、接近。
パンチをペネトの腹に叩き込んだ。
「やめた。興が削がれた。あんた便秘でしょう。腹の中にゴロゴロと詰まっていたわ。万全でない者の相手をしてもね。ダーリンに相手してもらって改善するのね。ダーリン!」
呼ばれてしまったな。
俺は立ち上がると、観客席から舞台に飛び降りた。
「じゃ、さっそく。【浣腸!】」
「くぅ、これは。腹の中がかき回される。くぅん。はぅん。審判トイレタイムだ」
ペネトはトイレに向かって駆け出した。
しばらくしてペネトが戻って来る。
「スッキリしたぜ。今ならドラゴンも倒せそうだ」
「ダーリン、後は任せたわ」
「えっ、俺? 俺がやるの」
「シュリンが認めた相手なら、対戦相手に不足はない。掛かって来な」
「じゃ、浣腸」
俺は両手を組むと人差し指を突き出した。
くの字に折れ曲がり飛んで行くペネト。
壁にぶち当たり粉塵が上がった。
やばい、やり過ぎたか。
俺はペネトに駆け寄ると、エリクサーを飲ませた。
「完敗だぜ。仕方ない。アマゾネスの掟に従う事にしよう。お前は今日からあたいの
「そんな事だと思ったよ。まあ4人も5人も変わらないか」
観客席にペネトを連れて戻る。
「あたいは、井の中の蛙だったよ。スッキリした今なら分かる。シュリンはあたいの何倍も強い。そして、マム、あんたもだ。クリスターは別格だな。
「ダンジョンのモンスターを1人で皆殺しにすればかな」
「そうかい。それはまた偉業だな。鼻が高いぜ。里のみんなに自慢ができる」
「ぶっちゃけとく。シュリンはドラゴンでマムは聖剣だ。俺は勇者だな」
「何っ、聖剣だと!」
ロウタイドが現れて会話を聞いていたらしい。
「だったら何だ?」
「寄越せ。汚物にはもったいない」
「私達の婚約者にそんな事を言わない下さい」
リアが気色ばんだ。
「何だと。俺の女になるのを婚約者が出来たからと言って断ったが、汚物が婚約者だと。許さん。殺す。【斬撃】」
俺はロウタイドの剣を指で摘まんだ。
そして。
「【浣腸!】」
「ぐっ何をした?」
「あらん、おいたをしたのねぇん」
うわっ出た。
ロウタイドは連れて行かれた。
強く生きろよ。
リアが教会に連絡を入れて、俺とシュリンとマムは邪神討伐に旅立つ事になった。
みんなが見送りに来てくれた。
「待ってるわ。一緒に浣腸魔法を極めましょう」
「聖女認定が降りなかったのは残念です。ですが、成功をお待ちしてます」
「また、あたいと一戦やろうぜ。それまでにあたいも鍛えておく」
「いってらっしゃい。おにいさまぁん」
おお、ロウタイド。
すっかり変わったな。
強く生きろよ。
邪神の神殿までの道は分かっている。
邪神のダンジョンがあってその奥だ。
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