ずぶりと6発目、旅立ちの時
Side:リア
私はリア・ゲート。
パニッシュメ教会で神官を勤めている。
「はぅ、くぅ、駄目っ」
「神官長様、どうなされたのですか。しっかりして下さい」
神官長様が突然あぶら汗を出して、苦しみだした。
私は
「出る。出る。神託が出ました」
「神はなんと?」
「勇者が生まれたようです。その者は聖剣を抜かずに自然の呼び声を利用したようです」
「凄いですね。自然を操る勇者というのは。どんなスキルなんでしょう?」
「分かりません。分かったのは勇者が生まれたという事です。それと近々邪神の封印が解けるようです」
「大変です。邪神討伐隊を結成しなくてはならないです」
「リア・ゲート、あなたに勇者を探し出す任を与えます。あなたの探し物スキルが役に立つ時です」
「あの私。私のスキルはそんなに便利なものじゃないです。探し物がある街が分かるぐらいです」
神官長は何人かの名前を書いた。
「十分ですね。何にも分からないよりヒントがある方がましです。勇者探索隊の他のメンバーも決まっています。さあ、お行きなさい」
私は神官長に渡されたメモを持って教会を出た。
最初に記されたロウタイド・スツールはすぐに見つかった。
貴族名簿に載っていたからだ。
彼に手紙を出したら、了承の返事を貰った。
後の二人、アドミ・ニストとペネト・レーシは簡単に見つかった。
アドミは魔法使いとして天才だと呼び声が高いのだとか。
ロウタイドに手紙で尋ねたら知っていた。
ペネト・レーシは女だてらに武闘大会で優勝したみたいで、酒場で聞いたら何人もの人から答えを貰えた。
これで探索隊のメンバーは揃う。
「【探し物】。この方向にある街は辺境のディレクという街しかないわね」
スキルを発動して行先は決まった。
神経を使ったせいか、お通じが1週間も来ない。
今までは3日置きぐらいだったのに。
早くこの任務をこなして体調を元に戻したい。
転移スキルを使えば辺境の街だろうと、あっという間よ。
料金は高いけど、全員分の金額を教会が負担してくれる。
待ってて、私の平穏なお通じ。
Side:ロウタイド
リアという神官から手紙を貰った。
勇者探索隊に入って欲しいとの依頼だ。
僕は二つ返事で了承した。
運が向いてきたぞ。
勇者を見つけたら、あわよくば聖剣を奪ってやる。
僕のスキル斬撃に敵うものなどない。
どんな敵も真っ二つだからね。
手紙で何度かやり取した後に僕は旅装を整えた。
待ってろよ僕の聖剣。
Side:アドミ
神官から何度か手紙を貰った。
行先は辺境の街、ディレク。
あそこには大魔法使いオペラッティ・ブがいらっしゃいます。
オペラッティ様は単独でドラゴンを撃退して、その時にドラゴンの名字のブを、ドラゴンから頂いたとか。
最近はスキルの効果を込める魔道具を開発中と聞いた。
是非、お会いしたい。
長年の悩みの便秘を解決する手をオペラッティ様なら知っているかもしれない。
私のスキル魔力操作でもこの悩みは解決しない。
水魔法でなんとかしようと思った時があったけど、腹痛がよけい酷くなった。
この重たいような腹の中をぶちまけるような魔法があったら。
無いわね。
いいえ、きっとあるはず。
Side:ペネト
神官から何度か手紙を貰ったぜ。
勇者探索隊に加われとだと。
いいねぇ、強い者とは手合わせしたいぜ。
腹がすっきりしないもんでよ。
武闘大会ではそのイライラを対戦相手に全てぶつけたけどよ。
勝ってもスカッとしやがらねぇ。
勇者と手合わせしたらスカッとするかな。
やっぱりアマゾネスの村に帰って下剤でも飲まないと駄目か。
あそこに帰るのは勘弁してほしいところだぜ。
あそこは女同士で昼だけでなく、夜も手合わせしてる。
あたいは女が好きというより強い男が好きだ。
強い男と昼も夜も手合わせしたいもんだ。
あたいのスキル怪力に敵う男がいるといいが。
そんな男いないだろうな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます