7.英雄二人その実力を知り、豪傑義憤により悪人を打ち殺す事

 カーロンはブレイズの背中に乗りながら、静かに思案した。もう、村には戻れない。ヴァンター山に入り、ヴァーミリアン達に助けを求めるのが良いか。或いは、キロンを探しに行くのも良いかもしれない。カーロンがお尋ね者になったと国中に広まるのには、時間がかかるだろう。少なくとも飛竜に乗って移動できる彼の移動速度とは比べ物にならない。


「よし。まずはローレルに向かおうか。行こうぜ、ブレイズ」


 そう言って手綱を引き、ブレイズの顔をローレルの方に向ける。方角は太陽の方向を見れば、すぐに分かった。凄まじいスピードで飛竜は飛び、彼らは半日も経たずにローレルに到着した。カーロンはローレルの南門に程近い丘の上に降り立つ。


「さてと……ブレイズを連れて町に入る訳にゃいかんな……」


 そう呟いて、彼はブレイズの顔を軽く撫でながら言った。


「いつも通りだ。俺が呼んだら、戻ってこい」


 ブレイズはその言葉を理解したのか、少し辺りを見渡すと、大きく翼を羽ばたかせて飛んでいく。これで、ある程度は人目を避けられるだろうと思った。彼の皮膚は頑丈で、並の武器なら傷一つ付けられない。余程の事が無い限り、大丈夫だろうと思った。


 カーロンはローレルの町に入り、辺りを探る。ローレルは広い町だ。闇雲に探していては、時間がどれだけあっても足りないだろう。まずは、酒場に入って聞く事にした。幸い、金なら少しは持ち出せた。


「親父。ワインをくれ」


 そう言いながら、彼は机に腰かける。まだ日没までには時間があったが、人が多く入って来つつあった。ワインの入ったゴブレットを受け取りながら、親父に話しかける。


「なあ、親父さん、キロンって旦那をご存じかい?」

「え? いや、知らんね。お探しで?」

「ああ。俺の武術の師匠でな。今はここの領主、コーネリアス辺境伯にお仕えしていると聞いたんだが……」

「キロンか。そいつは、今はここにはいない」


 不意に、そう話しかけてきた男がいた。カーロンが振り返ると、そこにいたのは筋骨逞しい騎士だった。年は三〇を過ぎた頃、背はカーロンと同じ位で、真っ黒いひげが茂っている。眉は太く、目も鋭い眼光を放っていた。


「貴公は、我が師の事をご存じか」

「おう。少し前……もう一年になるか。ここに来てな。我が主君は大層彼を気に入られたようだった。そこで彼を自分の配下の騎士として取り立てる事にしたのだ。今は主君の命令で、北方の国境にいる。あそこは防壁があるばかりで集落からも遠いし、民が立ち入れる場所ではない、会いに行くのは難しかろうな」

「そうですか。お会いできないのは無念ですが、師は再び仕官し、国の為に働く事を願っておりました。その願いが叶ったのならば本望でしょう。弟子として、私も喜ばしく思います」

「ところで……お前、若いがかなりの使い手と見たぞ。身に隙が無いし、闘気が体に漲っている。一手、俺と立ち会ってくれんかな」


 そう言って、彼はニヤリと笑った。


「そのスタッフ。若いのだ、足腰弱いからという訳でも無いのだろ」

「しかし、ここでは店にも迷惑が掛かりましょう」

「なら、外だ」


 そう言って、騎士は外の大通りに飛び出す。そして、近くで薬を売っていた大道芸人に吼えた。


「そこの! お前の薬桶の天秤棒、そいつを貸して貰おうか!」

「ちょ、ちょっと待って下さいよ。何する気なんです」

「少し仕合をな。折れたら弁償してやるわ!」


 そう言って、彼は強引に天秤棒を抜き取り構える。それを見たカーロンは、苦笑しながら表に出た。


「全く、強引な人だ」

「行くぞ、お若いの。ローレルのジニアスの技、とくと見るが良い!」


 そう言うが早いが、彼は棒を凄まじい勢いで横殴りに振った。棒の先端は早過ぎて見えない程で、弾き飛ばされた空気が風となって周りの人々の頬を打った。しかしカーロンはそれをわずかに後ろに下がって躱し、棒を構える。


「何という早さだ。力だけなら、先生以上だ」


 雄叫びを上げて、ジニアスは二度、三度と打ちかかる。カーロンはそれを何とか躱し、隙を伺った。しかし、全く隙がない。一見力任せに振り回しているだけに見えるが、もしそれだけならば必ず隙が見える筈だった。この男は強い。素直にそう思った。だが、ただやられる訳にも行かない。キロンの名を出した。今負ければ、彼の名前も辱める事になる。


「こちらからも参る!」


 そう叫び、キロンに教わった技を次々に繰り出していく。その棒は変幻自在に動き、ジニアスの脳天を目がけ突き出され、振り下ろされた。ジニアスはそれを弾き飛ばし、しかし反撃に転じる隙を見出せない。カーロンが思い切って、大きく足を踏み込んだ。ジニアスは棒の一撃が来ると身構える。しかし、カーロンはそこで左足を出した。強烈な蹴りが、ジニアスの右足を刈りに行く。ジニアスは一瞬反応が遅れた。彼の巨体が宙に舞い、大地に倒れる。その脳天に、カーロンの棒が鋭く突き出され、そしてぶつかる寸前で止まった。全く同じタイミングで、ジニアスの棒もカーロンの顎先に突き出され、寸前で止まっていた。


「見事だ、お若いの。一本取られたわ」

「引分でしょう。あのまま私が貴方の脳天を打っていれば、貴方の棒も私の顎を打ち抜いていた。意識を飛ばされ、昏倒していたはずだ」

「全く、若いのに大したものだ。一〇年後には、俺は手も足も出なくなっているだろうな」


 そう言いながら、二人は笑い合う。その二人に声をかけた者がいた。あの薬を売っていた、大道芸人だった。


「もうよろしいですか? 返して下さいよ、俺の天秤棒」

「おお、すまんかったな」

「全く……ところで、お前さん。ひょっとして、ファム村の若旦那じゃねえか?」

「え?」


 そう言われ、カーロンはその薬売りの顔を見つめる。そしてあっと声を上げた。


「先生、ジム先生じゃないですか」

「おう、まさかお前とこんなところで会うとはなァ」


 そう言って、薬売りは声を上げて笑った。ジニアスは不思議そうな顔で言う。


「うん? この若いのの先生だと? お前はそんな風に見えんがな」

「俺が教えた覚えのない技を使っていた。良い先生についたんだろう。今の俺じゃ五合と持つまいな」

「しかし、先生は何をなさっていたのです?」

「薬を売っていた」


 そう言って、彼は桶の中身を見せる。その中にはいくつもの小瓶が入っていた。一つを開けると、黄褐色の軟膏が入っているのが見えた。


「これですか」

「おお。俺の生まれた山で取れる薬草やら、色々混ぜて作るんだ。打ち身とかねんざなんかに効くぞ」

「分からんな。何で薬売りが、棒術の師匠だ?」

「そりゃ、俺の商売のやり方でね。俺は昔、傭兵で食って行こうと思ったんだ。元々腕っぷしは山里で一番だったからな。でも肝心の戦争が無かった。そんで、山の薬を売ろうと思ったんだ。まず俺がこの天秤棒を振り回して、適当に武勇伝を聞かせてやる。そんで、怪我した時にコイツを塗ったらたちどころに治ったってな調子でな」


 そう聞いて、ジニアスは呆れた顔で言った。


「何だ。じゃお前、実際に戦った事は無いんじゃないか」

「そんな事はねえぞ。ある村にギボンって暴れ者がいてな。禿げ頭なんで、毛無しの獅子なんて言われてる奴だったが、そいつが村人に迷惑をかけてるってんで、ぶちのめしてやった」

「おい。そんなの、ただチンピラ一人ぶちのめしたってだけじゃねえか」

「先生は以前、自分は獅子を打ちのめした事もあると仰ってましたが、ひょっとしてその事ですか?」


 二人にそう言われて、ジムはきまり悪そうに笑った。三人は連れ立って、酒場に入りなおす。そして向かい合い、乾杯した。カーロンがジニアスに名乗ると、彼はほうと頷いた。


「そうか。確かに聞いた事がある。ある村にいるカーロンという若い豪傑がいるとな」

「お前、随分強くなったじゃないか。一体誰に教わったんだ」

「キロン殿という、元王国守護軍の武術教官ですよ。故あって私達の屋敷に立ち寄られ、私が弟子入りを志願したのです」

「キロン殿と言えば、この国でも屈指の豪傑では無いか。それは強くなるわけだ」

 そう言い合って、三人は朗らかに笑う。楽しい時間だった。しかし、そんな彼らの耳に奇妙な音が入り込む。若い女のすすり泣きの様な声だった。最初に気が付いたのは、ジニアスだった。

「ん……? おい、何だこの声は」

「え? ……ああ、確かに泣き声が。まあ、泣き上戸というのもおりますから」


 カーロンはそう言ったが、ジニアスはぎょろぎょろと辺りを見渡す。そして、泣いている女を見つけた。老人と二人、向かい合わせに座っている。机には一応料理と酒も並んでいるが、ほとんど手を付けていないようだった。しかしそんな二人の様子に全くお構いなく、ジニアスは怒鳴り込む。


「おい、貴様ら! こういう楽しい場でめそめそと、全く無粋だ! そうは思わんか!」

「も、申し訳ありません。お気に障りましたらご容赦の程を……」


 老人が平謝りする。ジニアスはなおも何かを言おうとしたが、カーロンが横から宥めた。


「まあまあ。何か事情があるんでしょう。そんな脅かすものじゃありませんよ」

「チッ。興が削がれちまったわ」

「申し訳ありません。すぐに、出ていきますので……」

「俺達の興を削いでおいて、さっさと立ち去ると言うのか。せめて何を泣いていたのか、理由を言え!」


 ジニアスが怒鳴る。カーロンはまたまあまあと宥め、彼らの横の椅子に座る。ジムも気になったのか、歩み寄って来た。


「よろしければ、お話頂けますか」

「はい。私はクルード、娘はソニアと申します。私は吟遊詩人を生業としておりまして、娘は踊りなども多少やります。酒場を巡って仕事をしておりましたら、ある日ガストンの旦那がお出でになりまして」

「ガストン……ああ、あの肉屋か。それで?」


 ジニアスが言う。クルードは話を続けた。


「ガストンの旦那が、娘を気に入った様でして。三〇〇〇ゾルで身請けをすると。私は最初はお断りしたのですが、娘が私に楽をさせられるからとその話を受けたのです。しかし、旦那からはそれから三〇〇〇ゾルどころか一レクトも受け取っておりません。そして娘も、一月もしない内に旦那の奥方の勘気に触れて追い出されてしまいました。すると旦那は、身請けの金の三〇〇〇ゾルを返せと無理強いするのです。とてもではありませんが、私達の様な者が三〇〇〇ゾルなど返せる訳もありません。一体どうすればいいのかと途方に暮れていたのです」

「逃げようとは思わなかったのですか」

「私はもう脚が弱くなってきています。ゆっくりとした旅ならばできるでしょうが、今の状況ではすぐに見つかり、捕らえられてしまうでしょう」


 話を聞いているうちに、ジニアスの顔色が真っ赤に染まっていった。カーロンは静かにそれを聞いていたが、やはり心中には燃え上がるものがあった。


「成程。事情は分かりました……酷い話だ」

「許せねえ。あの肉屋め、竜殺しだ何だと持ち上げられて、こんな無法を行う様になっていたとは」


 そう言って、ジニアスは勢い良く立ち上がる。


「おう、心配するな! この俺が、必ず、あのクソッタレに道理というのを分からせてやる!」

「俺も手伝います。これは許せん」


 カーロンもそう言って立ち上がる。二人は、今すぐにでも飛び出して行こうという勢いだったが、それを止めたのは、ジムの一言だった。


「落ち着きなさいよ、二人とも。それより、まずはこの二人をどうするかが先でしょう」

「どういう意味だ、薬売り!」

「あのガストンはここら一帯の商売人じゃ一番の富豪だ。お役所にだって顔が効く。そんな大物に睨まれちまったとなったら、この一件がどう終わろうがこの親子はここにゃいられんでしょう」

「それは、構いません。追手がいないゆっくりとした旅ならば、まだできるでしょうから」

「ただ、路銀はいる。そうでしょうが。なあ、お二人。ガストンの旦那を問い詰めるのは、今からじゃ遅い。明日にすべきだ。それより先に、路銀を渡してやるのが良いと思いますが」


 そう聞いて、二人はそれも尤もだと思った。カーロンは一〇ゾル、ジニアスは五ゾルを取り出して置く。それを見て、ジムは気まずそうな顔をした。


「どうしたのです、先生」

「い、いや。そうか、二人とも、俺とは身分が違うな……俺にゃこれが限界なんだよ」


 そう言って、彼は一ゾル銀貨を二枚積んだ。ジニアスは呆れた様に言う。


「なんだ、言い出しっぺのお前がそれっぽちか」

「無茶言わんで下さいよ。騎士様の貴方や、村長の息子のカーロンとは違うんです。これだって、俺にはかなりの額なんだ。出せる額にすりゃちっぽけかもしれねえが、二人の為と思う気持ちの大きさじゃ負けてねえつもりですよ。お二人、これを持ってお行きなさい。ここのお代も出しておくから」

「ありがとうございます、このご恩は、決して忘れません」


 そう言って、クルードは深々と頭を下げた。ソニアも同じように頭を下げる。なるほど、確かに美しい娘だった。金色の髪はキラキラと輝き、粗末な服装は却って彼女自身の美貌を際立たせている。二人は何度も何度も礼を言いながら、酒場を出ていった。三人はその後しばらく飲んでいたが、やがて酒場を出ていった。


 翌日、ジニアスは目を覚ますとすぐに家を飛び出した。今日は非番だから、自由に動ける。しかしその服装は、まるでこれから辺境伯に会うかの様なしっかりしたものだった。敢えて、そうしたのだ。最初はカーロンと共に行こうかとも思ったが、相手はたかが肉屋、大したことは無いだろうと思いなおした。彼は歩いて、ガストンの肉屋を目指す。


 彼は肉屋であり、また狩人でもあった。若い頃、彼は竜を狩る事に成功し、その肉を売る事で大いに名を上げ、店を構えるまでになった。今ではこのローレルでも屈指の大商人になっていて、貴族達にも顔が効く。


 ジニアスはガストンの店に着くと、居住まいを正して呼ばわった。


「店主、ガストンはおるか! ローレル辺境伯コーネリアスの使いとして、騎士ジニアスが参ったぞ!」


 いくら富豪であるとはいえ、身分の差はある。ガストンはすぐに飛んできた。かつては精悍な体つきであったが、今はすっかり狩りに出る事も無くなり、でっぷりと太っている。彼は人のよさそうな笑顔を浮かべて近づいた。


「これは、これは。いかなる御用向きで」

「おう。実はな、王都より使者が来るとの連絡が入った。そこでもてなしの為に、上等な肉を一〇ポンド程購入したいのだよ」

「それは、それは、すぐに用意いたしましょう」

「おう、ああそうだ。これは王都からの使者がお召し上がりになるのだぞ。言うなれば皇帝陛下にお召し上がり頂くのも同然、お前に切って貰いたい。肉も当然、最上級の物を使うのだ」

「畏まりました」


 そう言って、ガストンは裏に引っ込むと自ら包丁を取り、肉を切って包み出てきた。その彼に、更にジニアスは言う。


「よし。次に、脂身を同じく一〇ポンド程切ってくれ」


 そう言われ、ガストンは怪訝そうに言う。


「脂身ばかりをそんなに……? どうなさるので」

「それは、知らん。そう命じられてきたのだ。俺は料理人じゃないぞ、知る筈なかろう」


 ガストンは再び引っ込み、脂身を切って包み、出てきた。その彼にまたジニアスが言う。


「次は軟骨を一〇ポンドだ」


 そう言われ、流石にガストンもムッとした様子だった。


「冗談なら、お止め頂きたいが」

「冗談? こちらは本気だぞ。本気で、貴様を懲らしめてやろうと言うんだ!」


 そう言って、彼は受け取った肉の包をガストンの顔面に叩きつける。ガストンは逆上して吼えた。


「貴様、騎士だからと下手に出れば付け上がりやがって! 竜殺しの俺を怒らすなよ!」


 そう言って、彼は肉切り包丁を掴んで斬りかかる。ジニアスは笑いながらそれを避けた。昨日のカーロンの打ち込みに比べれば、まるで子供騙しだった。


「今の貴様は、竜どころか豚も狩れんぞ!」


 嘲笑う様にそう言って、ジニアスは右拳を彼の背中に叩きつける。ガストンは無様に床に叩きつけられ、更にその背を二度、三度と踏みつけられた。何かが砕ける様な、潰れる様な、嫌な音があたりに響く。周りにいた者達は、既に逃げ出していた。


「どうだ、貴様! ろくでもないペテンで、あくどい事をしやがって!」


 そう怒鳴ったが、しかしその声はもうガストンには届いていなかった。腹を蹴って仰向けにすると、既にその顔は苦悶の表情のまま固まっていた。


「ん!? 貴様、まだノビるには早い……」


 そこまで言って、ジニアスはハッとした。おそらく、最初の踏み付けで心臓が破裂したのだろう。既に、事切れていた。


「チッ。もう気絶しちまったのか。しょうがねえ、これで勘弁してやらあ!」


 そう怒鳴って、彼は店を出る。殺してしまったとなれば、罪に問われるのは避けられない。あんな男を誤って殺してしまって、それで捕まるのは真っ平だと思った。彼はそのまま、ローレルから立ち去ってしまった。


 その頃、カーロンは人にガストンの肉屋の場所を聞いて向かってきていた。彼が肉屋に到着した頃には、すでにガストンは打ち殺され、役人と野次馬が押しかけてきていた。野次馬から事の顛末を聞き出したカーロンは、溜息を吐いて呟いた。


「全く、短気な事だ。せめて俺を待って欲しかったが、こうなれば仕方ない」


 彼はそう呟くと、その場を離れる事にした。ジニアスと昨晩飲んでいた事が分かれば、彼にもあらぬ疑惑が降りかかりかねない。キロンは国境の防壁にいると言うから、会いに行くのは無理だろう。ならば、どうしようか。ヴァーミリアン達の所に行くか、或いは他の地方に行き、見聞を広げるか。どちらにせよ、まずはブレイズと合流しようと思った。町の外に出て、口笛を吹いてブレイズを呼ぶ。少しの間を開けて、ブレイズが降り立った。甘える様に顔を擦り付けて来たのを、軽く撫でてやる。


「さて、どうするかな」


 そう呟きながら、その背に跨った。すると、彼は大きく吼えて不意に飛び上がった。


「お、おい!? どうしたんだ」


 落ち着かせようとしたが、彼は勝手にぐいぐいと飛んでいく。そのまま、彼らの姿は虚空の彼方に消えた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る