用語資料集


■ア行


『アルケオス機能拡張プログラム(=AEXプログラム)』


・シリウスが緋色尊のために調整して作り上げた電子プログラム。

 元来、万能兵器として開発されたアルケオスには装着者を補助する機能が付いていた。

 特に今回のB-15計画の予定だと現地協力者がどのような人物かも不明な点もあったためにそれこそ素人でも一定以上に使いこなせるレベルに「博士」の手によって改良を加えられている。

 とはいえ、あくまでも本来の仕様としてスーツとして装着している場合での想定で作られていたので、シリウスが独自に未来での軍人格闘教練用データや実戦データを組み込んで再構築した自衛用の特殊な戦闘補助プログラム。


『ICR』


・アルケオスの駆動源。

 Cケィオスが液状物質化したもので深紅の色合いをしており少し粘着性がある。

 アルケオスの機体内をまるで血液のように循環している。


天去あまさり市』


・大都市化計画が進行中で拡大の一途を辿る新興都市。

 およそ二十年ほど前から急速に発展し、現在ではもうすぐ総人口が二百万人を超えるとされる。

 近代化されたロボティクス技術が都市計画に練り込まれているのが特徴で公共施設では管理ドローンなどが多く採用されている。


 十八の区が中央四区、北四区、東三区、西三区、南四区に分かれ、緋色尊が住んでいる区は南四区の内の南二区。日本海に面しているのが特徴。

 だが、主に工業地帯としての意味合いが強いので遊楽には向いていない。

 そちらは南三、四区の方が適している。南二区はやや再開発が遅れている地区でもある。


『アルケオス』


・未来において非異能者が異能を使うため、或いは異能者の能力発動をサポートするための兵器として作られていた強化骸骨格スーツの総称。

 装着することによって上位次元への親和性を高め、干渉能力をサポートすることにより異能発動の補助を行うことが主な役割。

 他にも色々な機能などが兵器としての機能として備わってはいるが、あくまで主眼は異能補助を目的としたもの。


『アルケオス零号機』


 緋色尊と融合したアルケオスの形式番号。機体コードは無し。

 機体を構成する高次元マテリアルの耐性を評価されB-15計画に組み込まれた。


『異能』


・万象に干渉できるケィオスを上位次元から引き込み超常現象を起こす能力のこと。

 未来においては数多くの異能が観測されている。


・力の根幹であるCケィオスは上位次元に無限に存在するとされるが、異能としてこちらの次元で使う度に使用者は体力や精神力を消耗するので無制限に使い続けることは出来ない。

 ただ、使えば使うほど慣れていき、一度に使えるCケィオスの量や総量なども増えていくので異能は使えば使うほど異能者は強くなれる。


『異能者』


・その名の通り、異能を行使できる人間の総称。

 Cケィオスに干渉できるようになった人間のこと指す。

 公式で確認されるようになったのは大厄災後からでそれから爆発的に増加。

 それ故に大厄災自体との因果関係について仮説もあるが詳しいことは不明。


大戌神社おおいぬじんじゃ


・南二区の北部にある歴史のある神社。

 ただし、五年前の落雷火災によってほぼ廃墟となっており、その際に巫城悠那の両親と祖母も亡くなっている。


■カ行


Cケィオス


・未来の世界において実証された上位次元に存在するとされる未知のエネルギー。

 異能者が異能を使う際のメカニズムを調べている時に発見された存在で、異能者は上位次元に存在するそれに干渉しこちら側へと引き出すことで、現実に超常現象を発生させることを可能とする。


・未だ完全な解析には至っておらず、万物への干渉が可能な力であると推測されているが詳しいことはわかっていない。


Cケィオス反応値』


・次元空間におけるケィオス反応の総量を数値化したもの。

 単純に数値が高ければ高いほど大量のCケィオスの反応があるということ。

 Cケィオスは物質化などの特殊状態ではない限りは存在が保てなくなり消えていくが残留反応として残る場合もある。


Cケィオス移相力場』


Cケィオスとは上位の次元に存在するものであり、本来はこの次元に存在していないエネルギー。

 それを異能者は上位次元から引き出すことで超常的な現象を発現させることができるのだが、その際に発生する次元移相力場のこと。

 本来、存在しないものがこっち側に来ることによって生まれる空間の澱みのようなものでそれを数値化したものとなる。


Cケィオス波長パターン』


・異能者は源は同じとするCケィオスを使っているにも関わらず、個々人によって使う異能に差が生じる。

 そのため、指紋のようにCケィオスの観測値にも微細な変化が現れ固有差が波長パターンとして現れる。

 それを利用すれば個人の特定も可能。

 ただし、Cケィオスはこの次元においては存在が長く持たないため残留反応だと精密な解析は測定できない場合がある。


Cケィオス抗体値』


・存在次元の違うエネルギーであるケィオスに干渉し、そして使用する際には使用者に負荷がかかるがこの値が高ければ高いほど負荷も小さい。

 連続で使用可能や持久力、最大Cケィオス量にも関係する。

 異能者が異能の使用頻度が多ければ多いほど、異能が強くなる傾向があることからCケィオスというエネルギーに対する慣れ、あるいは親和性に近い値であるとされている。


『高次元マテリアル』


・アルケオスを構成しているCケィオスを基とした特殊な人工マテリアル。

 「博士」による特殊な技術によって生み出されたものだとされている。

 詳しい技術については特秘事項となっているためシリウスも詳細不明。


・高密度で物質化されたケィオスの塊。

 その性質から上位次元に対する親和性、Cケィオスへの干渉力の向上などを補佐すること可能。

 強靭な「存在強度」を有しており、その特性故に時間遡行への高い耐性を持っている。


■サ行


『術式プログラム』


・万象に干渉出来るケィオスに、異能者各々が指向性を持たせ固有の異能として形を為すための過程を解析、解体したものを電子的な情報に変換することで疑似的に再現することが出来る特殊なプログラム。

 アルケオスに搭載することで力を発揮する。

 欠点として非異能者しか使用することが出来ない。


『存在強度』


・その物質、物体の時空間における存在確立の強度を示した値。

 この値が高いほど時間遡行における存在消失への耐性を持つとされており、アルケオスを構成する「高次元マテリアル」が現在最も高い「存在強度」を持つ物質であると推定されている。


■タ行


『大厄災』


・原因不明。時間軸として緋色尊とシリウスが出会ってちょうど一年ほど後に全世界で同時期に起こるとされる天変地異の総称。

 未来が荒廃することになった直接の原因。

 その特異性からCケィオスとの関係の可能性が示唆されている。


『第二〇八時間遡行実験』


・未来で行われたCケィオスの可能性の研究の一環。

 人為的に時空間に歪みを作り干渉すること目的とした実験の一つ。

 簡潔に述べるならば実験の結果については失敗。

 時空間歪曲場を発生させ過去と繋がることには成功するも2.3秒間の維持後に実験施設、及び周辺の土地を半径五kmを含め消失という結果に終わり実験計画は凍結することとなった。


■ハ行


『博士』

・シリウスの開発者であり、アルケオスの技術協力者であり、B-15計画の実行者。

 シリウスとアルケオス零号機を送り込んだ張本人。

 革新的な技術を次々に十八歳という若さで開発した未来において知らぬ者が居ない程の有名人。

 混沌とした未来における重要人物であり、その情報は特秘事項対象者。

 制限が掛かっておりそれはシリウスも例外ではない。そのため個人的な情報はほとんど出てこない。


■ヤ行


融合体サイボーグ

・アルケオスと人間を一つの存在として融合させたが故の特殊な状態の形式的な名称。

 緋色尊の現在状況。

 最も被害の大きかった右腕、右足はアルケオスをベースに再構築。

 見た目はもちろん医療的、あるいは科学的検査をしても見抜くことは不可能な偽装が施されている。

 右眼は完全に蒸発してしまったため、こちらもアルケオスの眼で代用している。

 他の部分としては腹部、胸部の損傷による臓器が損壊していたため。それの強化。そして視神経などは適宜再構築している。


・元来は装着する外部ユニットスーツであったため影響はされないはずが、融合して同一化したためかあるいは想定していない使用をしたためか使用者の精神状態が良くも悪くも機体の出力や演算、反応などのパフォーマンスに影響が受けるようになってしまった。

 融合時の緋色尊の肉体の損壊率はおよそ32.67%でそれを補う形をしたため、およそ三割ほどが人工物ということになる。


■英行


『Abyss』


・大手テクノロジー企業の出している有名な通信携帯端末シリーズ。

 緋色尊が持っているのはその最新版のⅫ。深いブルーの色が特徴なやや大きめな携帯情報端末。

 シリウス指導の魔改造に晒されてしまったため、すでに外見からも大分違うことになっている。


『B-15計画』


・第二〇八時間遡行実験によって実証された過去へ繋がる時空間歪曲場の作成、そして大厄災の正体の仮説から歴史改変を目的として立ち上げられた計画。


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