第3話 裏切り者達の末路
「はは、ザマアねえよなマグリスの野郎! 俺達に逆らうからそういうことになるんだ!」
俺、バルスは仲間と共に高笑いをしていた。目障りな男を一人葬ったからだ。
あいつはリーダーである俺に逆らった。だからあのダンジョンでパーティー内の士気が落ちて俺達は撤退しなければいけなかったのだ。
「ほんとそれよ! ボスモンスター倒した俺らなら楽勝だったのに邪魔しやがってって感じ」
俺の隣に座るヒナも同意する。そう、俺達は強いんだ。なのにあの野郎は止めやがった。
「まあもうあいつのことは忘れよう。それよりこのダンジョンを攻略するべきだ」
魔法使いのロレインは俺にそう提案する。
「そうだな。それじゃ皆行くぞ!」
こうして俺達はダンジョン内部へと向かっていった。
ダンジョンの内部に入ると、すぐさまモンスター達が俺達を襲ってきた。
「オラァ! あ、ヒナそっちの奴頼んだ!」
俺は目の前にいたモンスターを斬り伏せると、後ろから来た敵をヒナに任せる。
「任された!」
ヒナは華麗な槍さばきでモンスターを倒していく。
他の奴らもしっかりと頑張ってくれて、俺達は無事敵を壊滅させられた。
「よし、片付いたな。先へ進むぞ!」
俺達は更にダンジョンの奥へと進んでいく。良い調子だ。これならこのダンジョンも楽勝だな。
しばらくすると、俺達は謎の部屋に着いた。何か見たことのない文字が大量に書かれていて、不気味だ。
俺達が部屋の中へと入ると、突然壁から大量のモンスターが出てきた。
俺達は慌てて部屋から出ようとしたが、もう遅かった。既にモンスター達が俺たちの退路を断っていたのだ。
「ク、クソっ! おいロレイン、魔法でなんとかしろ!」
「うるさい! もうやってるんだよ! でもモンスターが多すぎて活路が開けないんだ!」
「出口だ! 出口を集中狙いしろ! なんとしてもここから脱出するんだ!」
俺は必死に叫び続ける。このままでは全滅だ。
「うおぉぉぉぉぉ!」
仲間達がモンスターを食い止めている間に、ロレインは魔法を連発する。俺も必死に抑えているが、そろそろ限界だ。
チッ、こうなったらリーダーである俺だけでも……!
俺はロレインが開けたモンスターの隙間を見つけ、すぐさまそこに飛び込んだ。
「あ、バルス貴様!!!! 絶対殺す!」
遠くから非難の言葉が飛んでくるが、俺は無視する。自分が生き残ることが最優先だ。
俺は無我夢中で逃げ続け、出口のすぐそこまで来ていた。
「よし、逃げ切れ――」
「アイシックランス!」
俺が出口へと向かおうとした瞬間、俺の胴体を氷の槍が貫いた。
「バルス、死ねぇぇ!!」
俺が最後の力を振り絞り後ろを振り返ると、そこにはロレインが立っていた。
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