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脳裏に、遊間の記憶を見たときの光景が蘇ってくる。
――あなたが、この世界の真実に絶望して、この世界を見限ると言うのならば。
幼き日の遊間は、涙ながらに訴える。
――僕が、この世界に存在する別の真実を見つけだして、必ず、その絶望を打ち破ってみせる。
彼の言葉は、彼女に届かなかったのだろう。
しかし、彼の決意は、こうして今も静かに燃え続けている。
私は知ってしまったのだ。
その先に、どれだけの絶望が待っていようと。
例え、その問いの先に正しい答えなどないと知っていても。
自分にとっての真実を見つけ出すために、必死に思考し、抗い続ける人間がいることに。
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