#7
あれ…?
見慣れない部屋に、この加齢臭…。どこかで嗅いだことのある…。
「おはよう、虚弱体質」
その嫌味のある癖が強い声は、
「おぃ」
「何で避けるんですか…」
もう少しで、頭突きできたのに。
「命の恩人によくそんなこと出来るな」
「命の恩人…?」
首を傾げたら、めちゃめちゃ睨まれた。
「風邪で記憶失くすくらい体調不良になるな…」
「す、すみません…」
突き出されたものは飲み物ではなく、写真だった…。
「ん…?」
「最近の
舞台もやるようになったのか。メイクをバッチリ決めて自信に満ちた顔しやがってる。
「別れて大きくなったな…」
「そうですね…」
先越されるかも知れない焦燥感はあって、でもそれよりも好きだったんだ…。と改めて気付いた。自分から別れを切り出しておきながら…。バカなこと言ったと思った。
逃した獲物はデカかった…。色んな意味で。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます