第47話 地球境界『イース』
「それじゃ、続けましょう。
ここからは、天魔境界である地球境界について説明しますね。
我々はこの地球境界のことを『イース』と呼んでいます。地球では『ハーデス』と呼んでいるようですが、恐れ多いので、止めるように言ったほうが良いでしょう。
ほとんどの場合は、異次元に存在する天魔境界と俗界が交わることは無いのですが、次元の歪みで稀に交わってしまうことがあります。
それが現在の地球の状態なのです。
それはダンジョンという形で交わります。
そして、さらに
正式には、
一部の人間がこのゲートを通ることができるのは、それに耐えうる条件を満たした場合のみです。それを第二覚醒と呼んでいます。
そして、アースにある境界門を通過すると、通常はこのイースの同じ座標に転移するようになっています。
ハヤテの場合は、特殊な条件を満たしているので、この天門宮につながっているのですよ。」
要らない特別扱い!なんか不安です……。
まだまだ続く。
「このイースも球体をしていて、
これと対になっているのが、
やっぱり、天使がいるなら悪魔もいるのか。
ちょっと怖いから気をつけよう。
「大まかな説明はこれくらいですかね。
ここからが本題です。
ハヤテにお願いしたい事の話です。」
やっぱりか〜!そうですよね……。
「すでにこのイースに瘴気が広がっていることは知っていますよね?」
「はい、それは聞きました。」
「その瘴気は摩天宮から少しずつ発生しているのですが、最近になってその拡がりを加速しているのです。
これを放置すると地球に影響が出ます。
もうすでに一部で影響が出ていますよね?」
「あ!それって、この前の世界同時多発スタンピードのことですか?」
「そうです。すでに瘴気が南半球を覆うほどの拡がりを見せています。さらに濃さも増しているようで、魔物の凶暴化も進んでいます。このままでは、より強化された魔物が地球に溢れ出てしまうでしょう!」
「えーーー!ヤバい!それは嫌です!」
「はい。もうお分かりでしょう。ハヤテには、これを抑えてほしいのです。」
「え?理解はしますが、全くのノーアイデア状態なんですが……。」
「たしかにそうですよね。
ハヤテ。ステータスをオープンしてみてください。ここに来たことによって、新しいスキルが増えているはずですよ。」
「はい。」
ステータスオープン!
〈ステータス〉
橘 颯 25歳 探索者LV160
生命力:8000
魔法力:4000
戦闘力:1400(+2000)
防御力:1400(+2000)
瞬発力:1400(+2000)
〈スキル〉
なし
〈隠しスキル〉
マイ・ダンジョンLV3
→ルームLV4
→デイリー〈経験値〉LV2
→ゲートLV1
「あ!ルームLV4とゲートLV1が増えてます。」
「それです。ルームの地下2階に新しく無限スペースが確保されてます。バキュームと言って瘴気を吸い取ることが出来ますから、そのスキルを使ってお掃除をしてきてほしいのです。
ゲートに関しては、どこからでも天門宮に戻れるスキルです。便利ですよ。」
「お掃除ですか。なるほど、了解です。それなら出来そうです。」
「はい。お掃除と言っても地球を救う大切な作業ですので、よろしくお願いしますね。
私たちは、瘴気がとても苦手なので近づくことが出来ないんです。ごめんなさいね。
私は、いつも天門宮にいますから、いつでも声をかけてくださいね。普段は姿を消してますから。」
「はい。承知しました。俺としても目的があった方が気持ち的に楽ですのでありがたいです。
魔物も狩るように言われてるんで、並行してやって来ますね!それじゃ、行ってきます!」
ルームから出ると、天門宮の中に出たが、この建物の造りはシンプルなので、すぐに外に出られた。外観も神秘的な天門宮を背に、いざ新世界へ!
◇◇◇◇◇
おー!これが松田さんの言ってたやつか!
飛ぶように走れる!軽い!
これはすんごい!重力が10分の1って、こんなに快適なんだぁね!羽生えるわ!
さらに前方には、見渡す限りの地平線!
わぁ、これは壮大だなぁ!感動した!
この景色はたしかに浪漫かもしれない。
これ写真撮っとこ!帰ったら桜に見せてあげよう!ふふ。
でも、北極点から赤道付近までどれくらいかかるんだろう?たしか、ここでは1000kmだよな。
道のりは長いなぁ!遠いなぁ!
あ!そういえば仲間のことを聞くの忘れた!
戻った時に聞かないと!
◇◇◇◇◇
それからは、ひたすらジョギングで赤道を目指しつつ、魔物を見つけては、パシュパシュしてます。
まだまだこの辺りは全然楽勝ですね!
まあ、A級ダンジョンの魔物よりは、歯ごたえがありますけど。
なんせ、地球にいる魔物よりデカいし速い!
その分、上質の魔心がいただけますので、頑張ってたくさん狩っていかないとね!
ホッ!ホッ!ホッ!ホッ!
元気が帰ってくる!!
みたいな感じでジョギング!ジョギング〜!
パシュ!パシュ!パシュ!パフ!パフ!
たまに魔物と遭遇して戦闘!戦闘!
うん、いい調子!体も軽い!心も軽い!
きちんとお務めさせていただきますよ〜!
こちらに来る時はあんなに嫌がってたはずなのに、意気揚々と赤道を目指す颯であった。
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