Season3:地上世界型ダンジョン編
第46話 大宇宙の概念
◇◇◇◇◇
ついにS級ダンジョンに入った颯。
新しい世界に突入し不安だった颯は、想定外の状況にさらに不安を増す。
「あれ?ここ何処?」
松田さんから聞いた話と違う。
最初は草原のような場所に出ると聞いていたのだが……。
颯が現れたのは、なんらかの建物の大きな部屋の中であった。部屋の内部には無数の光が差し込み、とても神秘的な造りになっていた。
そこには、光の差す中央部に女性が一人立ってこちらを見ていた。
「やっと来ましたね。ハヤテ。」
その女性の姿も神秘的でとても美しく見えた。その女性が、俺に向かって笑顔で声をかけてきている。
ただし、普通の女性ではなく、背中に大きな翼を生やしていた。この人は神なのか?
「あのー。あなたはどなたでしょうか?」
「私は、サランディーテ。第七位階天使です。」
「えーーーー!第七位階天使様⁉︎」
「そうです。神にお仕えする天使ですよ。
天使の位階は第一位階が最高位で第九位階まであります。
その7番目の位階ですね。最初は第九位階から始まり、徐々に上がっていきます。」
「はぁ。天使の仕組みはよくわかりませんが、天使の中で下から3番目の方なんですね。」
「いえ、上から7番目ですよ。そこは間違えてはいけません!」
「あ!すいません!(土下座!)
ところで、サランディーテ様!
俺のことを待っていたようですが、どこかでお会いしたんでしょうか?俺のことを知ってるんですか?」
「そうですね。知っているといえば、地球のことは、ほとんどのことは知っているのですが、あなたに会うのは、初めてではありませんよ。覚えてないかもしれませんが。」
「え?お会いしたことがあるんですか?
……記憶にないです。」
「でしょうね。
私たち天使が直接、管理下の俗界に行くことは禁止されているのですが、事情があり、一度あなたたちの住む地球に行っているのですよ。」
「はぁ……。全然わかりません。」
「まあ、その時はハヤテのところに行って、玉を落としてきただけですからね。それを拾ったのを確認して帰りましたから。」
「あーーー!それですか!あのときの!」
「思い出しましたか?あのときですよ。」
スキル玉を落としたのは鳥だと思ってたら、サランディーテ様が落としてくれたってことだったんだ!なんか、スッキリしたかも!
「あのスキル玉は、俺に向けて落としてくれたんですか?」
「そうですよ。ぶつけようと思って投げたのですが、当たらなかったので、心配したのですけど、ちゃんと拾っていたので良かったです。」
「それじゃ。そもそも俺にくれる予定だったってことですか?」
「はい。あなたしか使えませんから。特異体質のあなたにしか使えない隠しスキルです。」
「あのー。ありがとうございました。」
「いえ、いいのです。
それにも意味がありますからね。」
うん、それは聞かなかったことにしよう!
「じゃあ、もしかして、頭の中で語りかけていたのもサランディーテ様ですか?」
「そうです。あなたの心に直接話しかけたのです。それには、かなり大きな力が必要なので、あまり頻繁には出来ませんが、天使にはそういう力もあるのですよ。」
「へぇ。それで、ここは何処ですか?」
「ここは、
「はぁ……。知らない言葉ばかりでよくわからないですね……。」
「そうですよね。理解するためには、いろいろと説明をする必要がありますね。
立ち話もなんですから、ルームでお茶でもしながら、お話ししましょうか?」
「ルームって、あのルームですか?」
「はい、あのルームですよ。」
「えーーーーーー?
あれって密着しないといけないのでちょっと失礼に当たるかと思うのですけど……?」
「いえいえ、あれは私が授けたものですよ。
自分で行けますからね。
それとも、密着したいんですかー?」
ジト目で見てる……。
「あ!いえ!滅相もございません!
普通でいいです!」
「ふふふ。それじゃあ、行きましょうね。」
「はい。」
ルーム!
わ!本当だ。サランディーテ様もいらっしゃいました。すでに、リビングのソファに座ってます!
「ハヤテのルームはこんな感じなのですね。
とてもいい部屋ですね。」
「サランディーテ様は初めてなんですか?」
「そうですね。ルームはスキル所有者のイメージが反映されるので、それぞれ違うんですよ。」
「へぇ。これが俺のイメージ?
あ!すいません。何か飲みますか?」
「そうですね。地球のコーヒーを飲んでみたいですね。お願い出来ますか?」
「はい、少々お待ちくださいませ!」
。。。。。
「ふーん、こんな味なんですね。美味しい。」
「良かったです。
それじゃ、いろいろ教えてもらってもよろしいですか?」
「はい。では、この
まず、創造神、破壊神を頂点とする神々がお住まいの
その下に
天界には、天使長を頂点とする天使たちが住んでいて、管轄下の天国もここに含まれます。
魔界には、悪魔長を頂点とする悪魔たちが住んでおり、管轄下の地獄もここに含まれます。
天国も地獄も精神が輪廻する前に帰る場所として存在してるんです。これは知っているかもしれませんね。
そして、その天界と魔界の境界線にあるのが、
さらに、その天魔境界と対を成すように存在するのが、
精神が輪廻する先として、ここ天魔境界と俗界が存在するというわけです。
おさらいすると、大宇宙の構造は、頂点に神界があり、その下に天界、魔界があり、そして無数の一対になった天魔境界、俗界で成り立っているということです。
ここまでは、わかりましたか?」
「はぁ。なんだか信じられませんけど、説明いただいた内容は一応理解しました。」
まだまだ、この世界の話は続きますが、一旦休憩にしますよ!
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