第42話 修羅場ラバンバ2!
「橘君!オーストラリア遠征は無事遂行出来たな。感謝する。約束通りにドラゴングループ会長として、君への支援していくことにする。」
「ありがとうございます。」
「そこでだ。今回は特別に君の要望を聞いてやろうと思ってな。ここに来てもらったわけだ。」
ん?要望?したっけ?
「ところで、最近、うちの麗奈といい仲であると聞いている。麗奈に言いよる勇気のあるやつは今までいなかったので、そんなことも気にしていなかったが、そんな歳になっていたんだな。ははは。」
ちょっと待って!なんか危ない発展しそうなんだけど……。 麗奈さん!なんか言ってぇ!
「麗奈はうちの一人娘だ。やはり、心配だったんでな。宗方と松田にお前のことを聞いてみたんだが、2人ともから絶大な評価をされている。そこで、お前たち2人の交際を認めることにした。大切にしてやってくれ!
麗奈!それでいいんだな?」
「はい、お父様。ありがとうございます!」
えーーーーー!嘘〜ん!なんで〜?
「あのー……。」
「ん?なんだ?まあ、ゆくゆくは、ドラゴングループを背負っていくことになるが、心配はいらん。麗奈は幼い頃から帝王学を学ばせておる。優秀な人材もつけてやる。
くれぐれも麗奈のことをよろしく頼む。
もし、泣かせる様なことをしたら、ありとあらゆる手段を使って抹殺してやるからな!
ははは!それは冗談として、今後とも仲良くしようじゃないか!」
「よろしくお願いします……。」
「颯さん!これで公式にお付き合い出来るわね!」
「……。 はい。」
えらいことになってしまいました。
だって、断れないじゃないですか〜!
このあと、大成功の看板を持った人が現れないか?と待ってましたが、現実のようです……。
◇◇◇◇◇
号外!
ドラゴングループ会長の御令嬢であり、A級探索者の竜崎麗奈さん(26)の熱愛が発覚!
お相手は、探索大臣(仮)であり、A級探索者(日本ランキング2位)の橘颯さん(25)であることが判明。
すでに、ドラゴングループ会長からの許しを得ており、ゴール間近との噂も出ています。
橘颯さんは、宗方首相、藤堂大臣からの信頼も厚く、松田S級探索者とは旧友のような存在であるとのことです。故に、ゆくゆくはドラゴングループのトップになると見られており、各業界で激震が走っています。
以上
なぜ、こんなに情報が早く出回ったか?
実は堀さんが、メディア各方面に情報をリークしていて、竜崎会長の交際許可が出たタイミングで、一斉に発表していい旨を伝えていたからである。もちろん、麗奈さんの指示によるものである。
早見さんはこの件については、噛んでいなかったので、協会を通して、颯の面談依頼が殺到し、その後の対応に追われることになる。
◇◇◇◇◇
一方、マンションでくつろぎ中の静がネットニュースで熱愛報道を見つけて大騒ぎ!
「ちょっと!このニュースは何?」
「あ!お兄ちゃんと麗奈さんだ!」
「なんなの〜?えー!」
「颯兄と麗奈さんが熱愛⁉︎」
「ドラゴングループ会長公認って!」
「そう言えば、今日は颯って麗奈さんと竜崎邸に行ってるのよね?」
「ドラゴングループの次期後継者とか書かれてるよ!お兄ちゃんすごいね。」
「桜ちゃん!そういうことじゃないでしょ!」
「やられたね〜!もう!」
「もう!颯、電話に出ないじゃない!」
「ライムも既読にならないね!」
「これって完全に麗奈さんの仕業じゃない?」
「そうだね〜!いろいろ聞かないとね!」
「あ!ライム返ってきたよ。今から帰ります。だって。絵文字が土下座してるよ(笑)。」
「なら、待ってましょうか!」
「そうだね〜!勝負だね!」
このあと、修羅場ラバンバになること間違いなしです。
◇◇◇◇◇
「ただいま帰りました……。」
「ただいま〜!るんるん!」
「2人とも!そこに座ってもらえる?」
「はい……。」
「もう、知れわたっているのね。」
「あ!マネージャー群はちょっと仕事があるんでした。ね!みんな、行きましょう!ね!」
「あー!そうでした!今日中にやってしまわないと!忙しい、忙しい。」
「そうだね〜!このあとの天気予報は土砂降り時々雷雨だからね〜!」
「ははは。失礼します!」
ぱたぱたぱたぱた!
マネージャー群は気を利かせたのか?逃げたのか?とにかく、空気の読める人たちです。
「それじゃあ、どういうことか、説明してもらいましょうか?」
「はい!ど、どのあたりからでしょうか?」
「2人の交際報道のことよ!なぜ、こうなったの?」
「はい!麗奈さんと交際はしていなかったと記憶していますが、麗奈さんのお父さんから交際を認められまして、現在に至ります。です。」
「そうでしょうね。これって、麗奈さんが仕組んだんでしょう?」
「いえいえ、お父様に最近、好きな人がいるって話しただけですわ。そしたら、トントン拍子に話が進んじゃって、交際することになってしまいました。ふふふ。」
「むー。それで、颯くんはどうするの〜?」
「すいません。麗奈さんと交際することにしました。本当にすいません。」
「そういうことなのよ。ね!颯さん!」
「もう!なんでそうなるのよ!もう!
颯!覚えてないかもしれないけど、颯と私は結婚の約束してるんだよ!私から言ったんだけど、颯も約束してくれたんだもん。」
「え?お兄ちゃん?覚えてないの?」
「えーっと。当時、すごく嬉しかったんで、すごく覚えてる。俺は静が忘れてると思ってたんで、桜にも言ったことなかったんだよ。それに、俺がそんなこと言ったら、静に迷惑だと思ってたから。」
「そうだったんだー。ということは、静姉とお兄ちゃんは昔っから付き合ってるってこと?」
「私はそう思ってるけど、避けられてると思ってたから。だいぶ話していない時期があったし、颯がどう思ってるかは知らない……。」
「それは、なんとも……。お兄ちゃんもそうだけど、静姉もなんというか……。
で、どうするの?お兄ちゃん!」
「え?」
「え?じゃないでしょ!小さい時の口約束だとしても、約束したんだし、ハッキリしないといけないよ!私は静姉なら、ありありだよ!
いつもの保留とかは、なしなしだよ!」
「うー。まあ、いまさらなんだけど、正直に言うと嬉しい。でも……。」
「よし!桜ちゃんが整理してあげよう。
静姉とお兄ちゃんは、ほんとは相思相愛。でも、事情があって疎遠になっていた。でも、その理由はお互いに誤解があって、迷惑になると思って遠慮してた。だから、誤解が解けたので、遠慮する必要がなくなった。でも、お兄ちゃんは、すでに麗奈さんと交際中。だから、諦める。
と、まあこんな感じかな?」
「そうなると、麗奈さんが邪魔だね〜!」
「ちょっと!私が悪者になってるじゃない!」
「だって、その通りだよね〜!」
「お!朱美さん!ナイスツッコミ!」
桜!そのツッコミがナイスじゃないんですけど〜!煽らないで〜!
「桜さんまで〜!敵ばっかりになってるじゃないの〜!」
「違うよ。私は麗奈さんを敵と思ってないよ!私はお兄ちゃんの味方なの!だから、流されてほしくないだけなんだよ。」
うう。ありがとう!桜!お前はいつでも味方だったよ。間違いない!
ただ、この状況は、どんどん、ドツボってる気がする……。
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