第34話 横浜ダンジョン

 ◇◇◇◇◇


 家に帰って、改めて確認。

 日本探索者協会ホームページにログイン。


 カチャカチャ。


 橘 颯 25歳 日本合衆国🇯🇵

 東日本州・川崎支部所属

 探索者シーカーランク:国際A級

 東日本ランキング:1位

 日本ランキング:2位

 世界ランキング:97位


 いい感じなんじゃないですかね!

 あとは上限レベル99に上げるだけ!

 あと、5人の情報も確認だね。


 竜崎 麗奈 26歳 日本合衆国🇯🇵

 東日本州・千代田支部所属

 探索者シーカーランク:国際A級

 東日本ランキング:8位

 日本ランキング:23位

 世界ランキング:1676位


 こう見ると、やっぱり麗奈さんは、すでにトップランカーなんだなあ。感覚が麻痺してるかも。


 桂木 静 25歳 日本合衆国🇯🇵

 東日本州・川崎支部所属

 探索者シーカーランク:国内B級〈特〉

 東日本ランキング:98位

 日本ランキング:258位

 世界ランキング:20859位


 坂本 朱美 25歳 日本合衆国🇯🇵

 東日本州・川崎支部所属

 探索者シーカーランク:国内B級〈特〉

 東日本ランキング:100位

 日本ランキング:266位

 世界ランキング:21076位


 橘 桜 18歳 日本合衆国🇯🇵

 東日本州・川崎支部所属

 探索者シーカーランク:国内B級〈特〉

 東日本ランキング:158位

 日本ランキング:408位

 世界ランキング:32785位


 桂木 若葉 18歳 日本合衆国🇯🇵

 東日本州・川崎支部所属

 探索者シーカーランク:国内B級〈特〉

 東日本ランキング:159位

 日本ランキング:409位

 世界ランキング:32786位


 こっちも、みんな、チート武器装備のおかげで、異常な上がり方してるね。

 特に桜と若葉は、まだデビューしたばっかで、これはすごいわ。

 でも、これでB級ダンジョンのボスは大丈夫なのかが良くわからん。

 次は様子見でついて行くかな?

 あれ?行ってもいいんだっけ?



 ◇◇◇◇◇



 本日は、ついに同居人の4人とB級ダンジョンの横浜ダンジョンに来ております!


 4人は、すでにスタンバイOK状態!


「あれ?お兄ちゃん!なぜ着替えてるの?」


「うん、やっぱり一緒に行こうかなって。

 A級探索者でもB級ダンジョンへ入ってもいいことは、すでに早見さんに確認済みだ!」


「何ドヤ顔で言ってんのよ。そんなの当たり前でしょ!みんな知ってるわよ。もう!」


「颯くん。一緒に来てくれるんだ〜!やったね!」


「颯。心配になったって感じ?」


「そう。桜と若葉がね。ちょっと、見ておきたいかなって思ってね。

 それにしても、ギャラリーが半端ない。」


「そうだね。私たち、人気だからね〜。」

「だからね〜。」


 何、手を振ってるねん!ポーズ取ってる!


 こいつら、すでに順応してる。なぜだ!

 俺と違って、ミス、準ミスだからか?

 もう、これはアイドルグループじゃないか!

 ペンライト振ってる奴もいる。恐い……。


「もう、みんな行ってきてよ!あとで入って行くから。」


「わかった。それじゃ、先に行くね。」

「うん、来てね〜!」


 4人は、ギャラリーに見送られて、横浜ダンジョンの入り口から入場して行った。


 それから、遅れて俺も入ろうとしたところ、俺のファンもいるみたいで恐縮です。

 俺はぺこぺこ頭を下げながら、ダンジョンに入場して行った。


「お待たせ〜!行こっか!」


「「「「イエッサー!」」」」



 ◇◇◇◇◇



 俺たちは、苦労という苦労をすることもなく、順調に無双して行きました。

 途中、みんなでルームに行ってお昼も済ませてございます。冷食最高!

 そして、地下37階!ボス部屋の前!


「みんな、大丈夫そうだね。」


「この前、パワーアップしたから、もうここまでは楽勝だったね。」


「ここのボスは、サイクロプスだ。戦闘力、防御力特化だからな。うまく避けて攻撃するんだぞ!あとは、上位種が出ないことを祈る!」


「え?そんなことあるの?

 上位種なんて聞いたことないわよ。」


「そうなの?じゃあ、いいわ。

 とにかく、ボス戦だけは、ソロ討伐になるからな。何が起こるかわからない。油断せずに行こう!」


「「「「おー!」」」」


 ダンジョン内では、道中はパーティでサポートしつつ攻略可能だが、ボス戦だけは、個人の力量のみが試される。よって、事故発生率はボス戦が異常に高い。死亡率も同様である。

 なので、高ランク者に寄生しての昇格は不可能であり、故に高ランク者を量産することも不可能なのだ。


「それじゃあ、俺は最後として、ここは誰から行く?」


「うん、じゃあ、ここはいつも通りに私から行くよ!」


 やっぱり、静は女前だな!


「うん、わかった!初陣頼んだよ!」


「オーケー!任せて!」


 バタン!


 ボス部屋の扉が閉まる。

 戦闘が終われば、勝ち負けいずれにせよ、扉が開くのだが、この待ち時間は、嫌なもんだな。誰も喋らないで待ってる。大丈夫!


「あ!開いたね!」


「早かったね!まあ、これなら、大丈夫でしょう。次は誰が行く?」


「はーい!いつも通りで!」


 それから、桜、若葉、朱美の順で、ボス部屋に入って行く。結果はわからないが、大丈夫!


「じゃあ、しんがり行きます!」


 バタン!


「久しぶり!2回目のサイクロプス!カモン!」


 サイクロプス登場!上位種では無さそう。


「よっしゃ!どれくらい成長したか?試してみましょう!こいつ硬いから、注意してと!」


 おりゃ!プシュ!プシュ!


「へ?あれ?瞬殺!」


 こりゃ、だいぶチート増し増し。

 ボス魔心を拾って、出口はこちら〜!

 出ると同時にダンジョンの広間に転移。



「あ!お兄ちゃん!」


「おー!みんないるな!ということは?」


「「「「全員クリアしましたーーー!」」」」


「よっしゃーーー!グッジョーーーブ!!

 これでみんなA級探索者か〜!良かった〜!」


 わっしょい!わっしょい!やんや!やんや!



 このあと、みんなで横浜営業所に行って、換金とボス制覇証明をしてもらって、帰宅中です。


 4人は、明日の朝10時から、州支社に呼ばれている。例のA級探索者登録である。

 ちなみに、ここに来る前から、早見さんと上杉さんは、いろいろ段取りをしていて、ダンジョンから出てきた時には、すでに明日の準備は完了したとのこと。とにかく仕事が早い。

 


 あと、早見さんの情報によると、4人同時は国内初らしい。しかも、今回、18歳でのA級昇格は、当然国内最年少記録更新。

 海外では、ダンジョン入場に年齢制限がないため、最年少記録ではないが、ものすごい快挙であることは間違いない。

 誕生日の差で、最年少記録は、我が妹の桜になった。若葉は2位。それでもすごい。

 ちなみに、3位は俺のままでした。



 ◇◇◇◇◇



 探索省・大臣室にて。


「藤堂大臣!先程、橘さんの同居人の4人が同時にB級ダンジョンを制覇したとの報告が入りました。」


「そう。たしか、全員川崎支部ね。」


「そうですね。明日、州支社に来ますが、お会いになりますか?」


「いや、いいわ。私の興味は颯ちゃんだから。

 その子たちは自由にさせておいて。」


「はい、承知しました。失礼します。」


 そろそろ、颯ちゃんを呼び出そうかしら。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る