第33話 ルームLV3って何?

 ◇◇◇◇◇


 一通り、みんなへの説明も終わり、竜崎さんは帰って行った。

 俺は、新しいスキルの確認のために、自分の部屋に戻っていた。


 ルーム!


 いつものルーム。ものすごく豪華で広いリビングにいる。


 LV2の時は、2階が出来て、それぞれ違う色の6つの部屋があった。それも、すでに6人に割り振られた。それがトリガーなのかは、わからないがLV3に昇格!


 今回のLV3は、リビングの下に大きな部屋ができている。(感覚がある。)


 ふむふむ。なるほど。そういうこと。


 ストレージ!


 ほう。収納できる!


 ストレージ!


 ほう。自由に取り出すことも可能と。


 なるほど。なるほど。

 アイテムボックスみたいな感じだな。

 リビングの下に倉庫ができた。

 行き来はできないみたいだけど。


 むふふ。これはすごいぞ!

 ついでに、リビングに置いてあるいろんな物資は、ストレージにしまっちゃお!


 ふう。リビングがスッキリしたな。



 さらに検証!


 ルームから出て、外で同じことができるか確認したけど、出来ちゃった!うっほー!

 これで、手ぶらで探索いけちゃう!


 さらに検証した結果、収納したものは、時間が経過しない。(と思われる。アイスが溶けなかったから。アイテムボックスと同じだな。)

 あとは、どれくらい収納できるかを試したかったけど、よくわからなかった。

 とにかく、いくらでも入りそうだ。

 最初に、俺のベスパ号は入った。


 ダンジョンの中をベスパ号で走ったら、怒られるかなあ?と、しょーもないことを考える。


 さらに、内緒で片っ端から駐車場にあった車を入れてみたが、底が見えなかった。

 いくらでも入るよ。


 リビングの下にある割には、めちゃくちゃ広いのかも。もしかしたら、アイテムボックスの上位互換かもしれない。凄すぎです。


 今後、一緒に探索する5人には、説明しておこう。じゃあ、今日はデイリー〈経験値〉をやったら寝よう。明日も探索だしね。



 ◇◇◇◇◇



 今日は同居人の4人は、撮影のお仕事があるらしく、朝早くから上杉さんに連れられて、出かけて行った。B級ダンジョン制覇は、少し先になりそうだ。

 俺からも、上杉さんに探索以外の仕事を減らしてほしいと言っておいた。



 そして俺は今日も竜崎さんとレベル上げのために、千代田ダンジョンに行く予定である。


 早見さんに送ってもらって、探索者協会州支社のA級専用ルームで待っていた。


「橘さん!おはよう!」


「あ!おはようございます!

 今日は松崎さんもご一緒なんですね。」


「おはようございます。

 今日は橘様にご挨拶に伺いました。

 私、本日を持って、お嬢様の護衛を退くことにいたしまして、橘様にお礼をと思いまして、参上いたしました。」


「どういうことでしょうか?」


「はい。私もA級探索者として、お嬢様に同行させていただいておりましたが、もうついて行くのが精一杯でございました。

 その折り、お嬢様から、今後、橘様が同行いただけるとのお話をお聞きしましたゆえ、お嬢様の許可をいただき、橘様にお任せすることになりました。よろしくお願い申し上げます。」


「そういう訳なの。松崎には、無理言って同行してもらってたからね。それにね。私たちは、いろいろ訳ありじゃない。だからね!」


 ちょっと〜!訳ありって言い方が良くないですよ!松崎さんの眼が一瞬光りましたけど!


「はい。その、竜崎さんとは何も訳はないですけど、そういうことなら、同行探索者としてお任せください。」


「ありがとうございます。

 くれぐれもよろしくお願いいたします。」


 うーん。まだ、ちょっと眼が怖いんですけど……。


「あ、でも、松崎は探索者は引退するわけではないから、会うかもしれないよ。」


「そうすると、堀さんはどうするんですか?」


「はい、私は元々竜崎様の専属担当なので、今まで通りです。松崎様には別の専属担当がいますのでご安心を。」


「そういうことよ。ちなみに、堀さんは早見さんの同期なのよ。優秀なの。あとで聞いてみるといいわ。」


「へえ。そうなんですね。」


「いえいえ、咲夜の方が優秀ですよ。

 でも、私の方がほんの少し早く専属担当になりましたけどね!」


 あれ?結構、ライバル感出してませんか?

 早見さんも言ってなかったし、お互いに?


「じゃあ、そろそろ行きましょうか?」

「はい、そうしましょう!

 みなさん、行ってきます。」



 ◇◇◇◇◇



 今日は、竜崎さんを先頭に戦闘中。

 たしかに、後衛だとほぼすることない。

 この辺りだと、竜崎さん無双。


「ほんとにA級ダンジョンか?ってくらい爽快ね!これはチートだわ。」


「そうですね。前よりパワーアップしてるんで、たぶん最下層も2日で行けるんじゃないですかね。」


「橘さんは3日で制覇したのよね。」


「そうですね〜。

 そろそろ、この辺りでお昼にしますか?今日はルームでどうですか?」


「そっか。そうだったわね。もう秘密を知ってしまったからね。お願いするわ。」


「はい、竜崎さん。言い忘れてたんですけど、2人でルームに行くためには、かなり密着しないとダメなんですけどいいですかね?」


「え?そうなの?」


「はい、昨日はかなり密着してたんで、条件を満たしていたというか。」


「へえ、もちろん、お願いするわ。」


「じゃあ、また、おんぶしますね。」


「うん、ありがと!

 でも、みんなも行く時これやってるの?」


「ええ、まあ、そうなりますかね。

 おんぶじゃないですけどね。」


「え?もしかして、前からってこと?」


 あ!やってしまった。いらんこと言ってしまった!下手こいた〜。


「ええと……。 そうなりますね……。」


「なんなの!じゃあ、私も同じがいいわ!」


 ええ!なんで急に怒ってるんですか〜?


「そうですよね!同じがいいと思います!」



 めっちゃ恥ずかしいんですけど。

 同意いただいてるんで、いいですよね。


「それじゃ、失礼します!」


 むほー。ボリューム!しかも、竜崎さんが、自らめっちゃ絡んでくる。あっかーん!

 あっち向いてホイが、上一択になってる!


 ルーム!


「ふふふ、橘さんってかわいいわね。」


 ……。 なんて返せばいい?



 ◇◇◇◇◇



 ルームのリビングで竜崎さんとお昼タイム!


 竜崎さんリクエストにより、本日はパスタ!

 もちろん、冷食のチンです。


「へえ、結構いけるわね!」


「ですよねー!最近の冷食はクオリティ高いんですよ!」


「橘さん!これから、颯さんって呼ぶことにするわ。桜さんもいるし。」


「そうですね。そうしてください。」


「だからね。私のことも麗奈って呼びなさいね。」


「いや〜。いきなりは難しいかと。たしか、1つ上だったと記憶してるんですけど。」


「同じ年よ。早生まれだから、学年は1つ上だけど、学生じゃないからタメよ。」


「はあ、そうですか。じゃあ、麗奈さんって呼ばせてもらいます。」


「そう。それでいいわ。颯さん。ふふふ。」


「麗奈さんって、A級になってどれくらいなんですか?」


「時期的には、颯さんとあまり変わらないわね。もう少し早かったら、最年少ってことだったみたいだけど。まあ、すぐに誰かさんに抜かれてたとは思うけど。」


「へえ。そうなんですね。」


 あかん。これ以上聞くとその辺りのこと、全然知らんことがバレるぞ。


「颯さんって、いろいろ話して思ったんだけど、探索関係は結構、何も知らないのね!」


 はい、すでにバレてました……。


 まあ、今日一緒にいて、麗奈さんとの親睦も深まったということで、オーケーです。

 前より普通に喋れると思います。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る