第18話 恋愛の行方について

 ◇◇◇◇◇


「桜!今日は、横浜に行ってくるよ!」


「そっか。もう、B級だもんね。1日でC級クリアなんて、チートすぎるよね!」


「そう、全部、スキルのおかげだな。」


「気をつけてね!それはそうと、静姉と朱美さんは、どうするの?」


「どうするのって?」


「付き合わないの?」


「ブッ!なんで、そんな話になる?」


「朱美さんには、毎日言われてるじゃん。静姉は、言わないけど、見てればわかるよね?」


「むー。そうかなぁ?」


「もう、どっちか決められないんだったら、両方付き合っちゃえば?」


「いや、そういうことではないんだけど。」

(いや、そういうことなのか?)


「それに、最近は若葉も怪しいんだよね。」


「どういうこと?」


「私といるときの話題がお兄ちゃんに偏ってきてるの。前は、全然だったのに。ルームに誘ってからだよ。」


「そうなのか?」


「そう。このままだと、参戦してくるかも。」


「うーん。若葉はともかく、まあ、2人は助けたときから、そんな感じはするけど。。。」


「そっか。流石にそこまで鈍感ではなかったか。」


「うーん。でも、こういうの慣れてないんだよな。前がアレだったから。な。」


「たしかに。モテ期が全然なかったもんね。」


「そう言われると辛い……。 で、どうしたらいいと思う?」


「だから、両方!」


「お前、人ごとだと思って、めちゃくちゃ言うなぁ!」


「だって、私も選べないよ!」


「うーん、困ったな……。 まあ、この件は保留だ。とにかく、行ってくる!」


「はーい!いってらっしゃい!」



 ◇◇◇◇◇



 防衛省・探索局の局長室にて。


「局長!彼が本日、A級に昇格しました。」


「は?B級ダンジョンも1日か?」


「はい。横浜です。」


「そうか。横浜か。うーん、予想以上だな。

 まあいい。それで、彼は、州支社にいつ来ることになっている?」


「明後日の午前10時です。」


「そうか。では、今回は、私も同席しよう。」


「承知しました。」


 ついに会うときが来たか。

 遅かったのか?早かったのか?



 ◇◇◇◇◇



「でね。今朝、その話題を振ってみたの。」


「うんうん、それで?」


「まあ、2人のことは、なんとなく、わかってるみたい。」


「それで?それで?」


「朱美さん!食いつきすぎだって!」


「だってね〜!乙女心?

 静も気になるよね〜?」


「あ。うーん。そうだね。もう隠しても無駄だし、私も颯に言っちゃおうかな?」


「あら?どういう心境の変化?」


「というか、もうバレてるみたいだし!

 で、結局どう言ってたの?」


「保留だって。」


「うわー、颯らしいね。」


「というか、慣れてなくて、よくわからないって。ところで、静姉!朱美さん!もし、どっちかが選ばれた場合は、2人の関係はどうなるの?」


「私は、変わらないね〜。でも、ダメでも諦めないね〜。元々、二番目でいいし。」


「そうだね。私も同じかな。関係は変わらないし、諦めもしないと思う。」


「へぇ。まあ、なら良かったというか。

 なら、2人同時に付き合うってのもあり?」


「もちろんあり。」

「そうだね。朱美となら、ありかな。」


「そっか。今のお兄ちゃんって、とっても贅沢な状況だよね?」


「「いや、そんなことない。」」


「え?」


「なんか、ハモっちゃったね。」

「そうだね。」


「「ふふふ。」」


 この人たちの思考はよくわからない。。。


「まあ、でもさ。当分は今まで通りでいいんじゃない。もちろん、アプローチは続けるけどさ〜。」


「うん、そうだね。私もアプローチしつつ、様子を見るよ。それがいいね!」


 この2人って、最強かも?


 これじゃ、若葉の出る幕はないよね……。

 今日一言も喋ってない……。



 ◇◇◇◇◇



「ただいま〜!また今日もみんないるな!」


「「「「おかえり〜!」」」」


「今日はどうだった?って、日帰りくんじゃない?今日は帰ってきたんだ!」


「まあ、日帰りくんなんだけど、ちゃんと、ボス倒してきたよ!買取金額もついに100万円超えちゃったよ!」


「もう、凄すぎて、突っ込めないねw」

「颯くん。カッコいい!」


「ありがとう!というわけで、スイーツの大人買いだぞ!」


「やったー!ルーム行ってお茶しようよ!」


「そのつもりですよ!そっちの方が快適だしね!」


「じゃあ、いきましょ!」



 ◇◇◇◇◇



 俺は、まずルームの風呂に入って、それから、リビングのソファに座ってるが、今日はやけに両サイドが近くないかい?ものすご〜く、たわわの果実が当たっているのだが……。


「なんか、2人とも近くない?」


「大丈夫だよ〜!」

「気にしないで!嫌じゃないでしょ?」


「まあ、そうなんだけど。」


 朱美はわかるけど、静はどうした?

 まあ、いっか!でも、スタンディングオベーションがバレないようにしないと……。

(いや、とっくにバレてますから。)


「今日でA級になったんだよね?

 もう、トップランカーだね。」


「そうなの?」


「そうだよ。日本だとたぶん100人くらいしかいないんじゃない。」

「へぇ。私も知らなかった。そうなんだ。やっぱり、颯くんはすごいね。もう、付き合っちゃう?」


「いや、その流れはおかしいから!」


「颯は、どんどん先に行っちゃうね。

 これからも、ずっと、一緒だよね?」


「ああ、ランクは関係ないからね。静たちがいいなら、ずっと一緒がいいかな。」


「そっか。良かった!颯、あのさ〜!。。。」


(え?何?この間は?

 静姉、このタイミングで告白しちゃう?)


「これからもずっと、一緒にいてください!」


「おう、もちろん!」


(静姉!なにそれ?それじゃ、お兄ちゃんにはわからないって!)


「ありがとう!」


(これ、勘違いしてないよね……。)

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