第17話 ダンジョン解禁!

 ◇◇◇◇◇


 久しぶりに、探索者協会のホームページにログインしてマイページを確認。


 橘 颯 25歳 日本合衆国🇯🇵

 東日本州・川崎支部所属

 探索者シーカーランク:国内C級

 東日本ランキング:3,125位

 日本ランキング:10,064位

 世界ランキング:773,439位(圏外)


 ものすごくランキングが上がってる!

 まだ、トップランカーには程遠いザコだけど、圏外ではなくなった。ふふふ。

 この調子で、ダンジョンが解禁されたら、さらに上げて行くぞ!おー!



 ◇◇◇◇◇



 長かった川崎ダンジョン封鎖もついに解除され、探索が解禁された。


 静と朱美は、もう少し休んでから始動するつもりらしい。まあ、あの事件の後だから、ゆっくり再開してもらった方がいいだろう。


 俺は解禁日に合わせて始動すべく、ここ川崎ダンジョンに来ている。相変わらずの混雑ぶりだ。いや、いつもより混雑しているな。


 やっぱり、ソロって俺だけだな。。。


 これは、休んでる間にわかったことだが、C級以上をソロで制覇することが難しい。

 なぜか?

 それは、1日でボス部屋まで到達することが困難なためだ。そうすると、当然、睡眠が必要な場面が出てくるため、誰かが見張り役をする必要がある。そのため、必ず、2人以上で挑まなくてはならない。

 ソロで来る奴もいるらしいが、周りからは、はなから制覇するつもりがない日帰りくん、もしくは、無謀な奴と見られる。


 これら情報源は、すべて桜である。

 妹は、なんでもよく知っているのだ!

 (だいたいの人は、知っている。)


 しかし、俺ってダンジョンのこと、全然知らないよな!選択科目を取っとくんだったよ。


 俺の場合は、どちらに見えてるんだろう?

 案の定、周りの目は、冷たい。

 俺には、ルームがあるから、大丈夫なんですよ!秘密ですけど!


 よし!そろそろ行きますか!



 ◇◇◇◇◇



 あれ?聞いてた話と違うんですけど……。

 ここは、ボス部屋の待機場所。

 1日で到着しちゃいましたけど……。

 当然、解禁初日なので、待ちはゼロ。


 まあ、気にせず行きますか!


 ボス部屋入場!


 ボス登場!ビッグボスオーク!

 (またもや、なんの捻りもないなぁ。)


 プシュ!プチ!


 ウッソ〜ん!二撃!

 うーん。チートすぎる。


 これは、人間やめてるかも。

 もう、相場がわからん!


 お!今回はアイテムドロップ!

 

 〈スキル玉(鉄)〉

 スキル名:クリーン

 所有者:橘 はやて

 

 お!やったー!

 女子に大人気の生活魔法『クリーン』

 これはいいもの出た!


 試しに『使用する』


 シーン!


 やっぱりか……。 俺には使えない(泣)


 これは、人気があるから買取金額が結構いいはずなんだよなぁ!

 でも、これは、桜にあげよう。お金はこの前4000万円もらったしな。


 ビッグボスオークの魔心を拾って、ボス部屋を出た。



 ◇◇◇◇◇



「次の方〜!」

 (この人、この前の4000万円だわ。しかも、超絶イケメン!なんとか、連絡先交換できないかしら?)


「お待たせしました。買取ですね。そのマジックトレイに魔心を置いてください。」


 ザラザラザラザラ!コロン!


 (ワオ!素晴らしいわ。え?ボス?ウソ⁉︎)


 マジックトレイが、買取金額を表示する。


「はい、買取金額は584,000円です。口座に振り込みますので、右手をIDセンサーに乗せてください。」


 カチャカチャ


 (ほんとにヤバいわ。どうやって、連絡先渡そうかしら。)


「はい、完了しました。

 本日はボス討伐が確認出来ましたので、探索者ランクが国内B級に昇格いたします。

 これにより、B級ダンジョンの入場が可能になります。

 すでにデータが更新されてますので、協会ホームページからご確認ください。

 それで、あの〜。」


「橘君!」


「あ!佐久間さん!」


「今日解禁だったから、来てるとは思ってたけど、1日で制覇しちゃうとはね。まあ、橘君なら、不思議じゃないけどね。

 あ!邪魔になるから、向こうで話そう!」


「それでは、またお越し下さい。ありがとうございました。」

(所長!全然邪魔じゃなかったのに〜!あんたが邪魔なのよ〜!連絡先が〜!)


「はい、ありがとうございました。」



 ◇◇◇◇◇



「ただいま〜!桜、帰ったよ!」


「あ!お兄ちゃん!おかえり〜!」

「お邪魔してま〜す!」

「同じく〜!」

「お邪魔です!」


「あれ?今日も来てたんだ!」


「そ。もうね。なんか、足が向いちゃって。」

「私は、颯くんに会いに来たんだよ〜!そろそろ、進展があってもいいんじゃない?」


「そ、そうだね。ルーム行く?」


「「「「行く!」」」」



 ◇◇◇◇◇



 防衛省・探索局の局長室にて。


「局長!彼が本日、B級に昇格しました。」


「そうか。あれから結構かかったな。」


「いえ、彼は、川崎ダンジョンが封鎖してからは探索してませんでした。本日の解禁と同時に1日でダンジョンボスを制覇しています。」


「ほう。そうか。C級を1日でか?」


「はい、彼は一体?」


「わからん。が、何かの前触れかも知れん。

 良くも悪くも、もうすぐ、山が動くかもしれんな。」


「今後はどうしますか?」


「いや、そのままでいい。

 俺は一応、この情報を総理に伝えておく。」


「承知しました。」



 一体、何が起こっているの?


 

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