第15話 因果応報だよね⁉︎

 ◇◇◇◇◇


 3人なのでタクシーで川崎営業所に到着。


「俺、所長さんところに寄ってから帰るから、先帰ってていいからね。」


「うん、わかった。」

「了解!」


「静!朱美!」

「無事で良かった!」


 うわー!天然記念物!尾張と三河。

 なぜ、お前たちは声をかけられる?


「あれから、電話も出ないし、ライムも既読にならないし。心配してたんだよ!」

「本当に心配で。」


 静も朱美もブチギレモードですけど!

 昨日、スマホ無くなってるから。


「よく、私たちの前に来ることが出来たね!」

「あんたらの顔見たくなかったんだけど〜。」


「あのときは、助けを呼ばないとと思って。」

「そ、そう。必死だったんだ。」


「あんたらが、必死で逃げるところ見てたから、何言っても無理。」

「もう一緒に探索するの無理だから〜。」


「そうだな。悪かったよ。」

「俺たちも、そう言ってたんだよ。

 これからは、3人で探索しようって。」


「ならそうして!」

「はい、話は終わりだね〜!」


 ほう、意外とあっさり引いたな。



「だから、静!俺と付き合ってくれ!」

「俺も!朱美!俺と付き合ってくれ!」


 え?ウソ?


「無理!」

「無理!」


「返事は今じゃなくていいから。」

「そう、今じゃ……。」


「馬鹿?」

「シネ!」


 いや、そりゃそうでしょ。諦めなよ。


「そっか……。 ふざけんなよ!こっちが下手に出てりゃいい気になりやがって!」

「お前ら、調子乗ってんじゃねえ!」


 マジで?ウソでしょ?


「静、朱美、悪い。もう聞いてられん。」


 ボスッ!ボスッ!


 颯は、尾張と三河を当て身で気絶させた。


「ちょっと、この辺で寝ててもらいますね。」


「颯〜!」

「颯く〜ん!」


 わかるわー。我慢したんだね。えらいぞ!

 俺が我慢出来なかったけど。


 。。。。。



「落ち着いた?」


「うん、ありがと。」

「うん。」


「そっか。じゃ、行ってくるよ。」


「うん、またね。」

「うん、またね〜。」



 ◇◇◇◇◇



 コンコン!


「どーぞ!」


 ガチャ!


「橘颯さんをお連れしました。」


「ありがとう。」


「佐久間さん。昨日はありがとうございました。」


「いやいや、礼を言うのは、こっちだから。

 まあ座って!」


「はい、失礼します。」


「さっきは、大変だったね。」


「え?さっき?」


「いや、ここから君たちを見てたんだよね。」


 窓の方を指差す。


「ああ、そうでしたか。」


「あの男の子たちは、何というか、すごいね。」


「はぁ。ちょっと信じられないというか。」


「協会からも、彼女たちに近づかないように言っておくよ。

 私から見ても、あれはないよね。」


「そうしてもらえると助かります。」



「それじゃ、改めて、探索者協会川崎営業所所長の佐久間です。昨日は川崎エリアの危機を救ってくれて、ありがとうございました。」


「いえ、佐久間さんがいてくれて助かりました。」


「でも、ちょっと、橘君の強さは強烈だねえ。

 すでに、藤堂局次長の域に達してるんじゃないかな?いや、それ以上だな。

 これでも、協会の人間だから、君のデータは見られるんだよね。だから、事実とデータが乖離していると思うんだよ。

 まあ、深く詮索しない方がいいと思うので、これ以上突っ込まないけど、何かあったら、いつでも相談に来てほしい。

 私はね。昨日の君を見て、ファンになってしまってね。あれは良かった。実際にこの目で見たからね。おじさんのファンは迷惑かい?」


「あ、いえ。光栄です。僕も佐久間さんが必死で魔物を食い止めていたのを見てたので、尊敬できる人だと思ってます。」


「お!それは光栄だね。ありがとう。

 ま、とにかく、私はファンだから、いつでも頼ってほしい。個人的にね。もちろん、協会としても協力するよ。」


「はい、ありがとうございます。」


「じゃあ、昨日の精算の件に移るけど、魔心の還元額が4000万円。アイテムはほとんどなくってね。ポーションが2個だね。残念ながら。」


「4000万!」


「いや、これでも、君の功績を考えれば安い方だよ。でも、驚いてくれると助かるかな。」


「いや、もう、そんな。」


「他にも出せって言ったんだけど。こっちもいろいろあってね。これで満足してくれると助かる。」


「もちろん、充分です。」


「まあ、君ならもっと稼げるから。」


「はい、ありがとうございます。」


「じゃあ、よければ、下で受け取ってください。今日は以上です。」


「はい、ありがとうございました。」


「いつでも頼ってね!」



 ◇◇◇◇◇



「ただいま〜!」


「おかえり〜!どうだった?」


「嫌な奴に会った。例の静と朱美を置いて逃げた奴。もう会わないと思うけど。」


「嫌な奴だね。敵だね!静姉と朱美さんは、大丈夫だった?」


「大丈夫じゃなかったけど、まあ、なんとか。」


「そっか〜。まあ、お兄ちゃんがなんとかしてあげなよ。それが一番だよ。」


「まあ、わかった。

 それといいこともあった。

 なんと!4000万円もらった。」


「えーーーー!4000万円!」


「ナイスリアクション!そう、4000万円。

 ちょっと、今日は外食しよっか?」


「いいね!なんでもいい?」


「おう!なんでもいいぞ!」


「ならね、やっぱ、焼肉じゃない?」


「お!いいね!じゃじゃ園に行くか?」


「お!いいね!お兄ちゃん、太っ腹!

 じゃあ、どうせなら、2人も誘おうよ。」


「そうだな!いい案だ!さすが妹!」


「でしょ!ついでに若葉も誘っていい?」


「いいぞ!若葉か。覚えてるかなぁ?」


「やったー♪

 それじゃ、みんなにライムしとくね!」


「おう!よろしく!」



 で、そのあと、5人で集合して、近所のじゃじゃ園で焼肉三昧を楽しんだ。

 こんなに大勢でご飯を食べるのは、何年ぶりかなぁ。


 若葉とは、久しぶりだったので、お互いの変わり様にお互いビックリするということに。

 桜の親友って若葉だったのね。

 俺と静の関係と違って、ずっと続いてたらしい。ちなみに、若葉も今年の準ミスだったらしく、やはり、静の妹だなぁって思った。


 締めに。なんと、俺以外の4人、新旧のミスと準ミスの盛り合わせでした。

 おあとがよろしいようで!

 ごちそうさまでした!楽しかった!!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る