第14話 秘密を打ち明ける②

 ◇◇◇◇◇


 昇天!わが生涯に一片の悔いなし!


「お兄ちゃん!なんで、右手を突き上げて、仁王立ちしてんの?」


「ん?特に意味はない。」



「いつ来ても、いい部屋だね〜!

 ここに住みた〜い!」


「それは、ほんとにそう思うわ。

 来る時がちょっと恥ずかしいけど。。。」


「でしょ、私は部屋もあるし〜!」


「桜ちゃんの部屋があるの?」


「うん。ここの2階にあるんだよ!」


「うわー、いいなぁ!」

「ほんと、羨ましい!」



「それなんだよ!試したいことって、それ!

 もしかして、ここに入った人は、部屋をもらえるかもしれないんだよ。

 2階に全部で6部屋あるんだけど、俺と桜の部屋以外は、開かないんだよ。

 あと、4部屋あるから、ちょっと試してもらっていい?」


「やったね。やるやる!」

「嬉しい。やるよ!」


「うん、それじゃ、こっちに来て!」



 エアーエレベータで2階へ。



「すごいね。6部屋ある!」


「うん。まずは、こっちの黄色の部屋。」


 ガチャ


「ここが、俺の部屋なんだけど、そこに置いてある武器と装備を触ってみて!」


「え?なにこれ?」

「わー!すんご〜い!」


「こういうことなんだよ。

 これが置いてあったんだ。」


「なんか納得した。」

「ふーん。やっぱり颯くんってすごい!」


「それじゃ、一回出て!

 桃色の部屋は、桜の部屋。

 同じ武器と装備が置いてある。

 所有者も桜にしてある。」


「へー!羨ましい。」

「いいなぁ!」


「静と朱美もなんか感じない?」


 。。。。。


「あ!私、紫色かも?」

「あ!私、赤色かも?」


「お!そっか。いけそうじゃん!

 じゃ、入ってみよっか?」


 2人とも、それぞれの色の部屋に入ることが出来た。当然、武器と装備も所有者登録をしてもらった。


 ○紫色の部屋


〈パープルトラックスーツ〉

 種別:防具

 効果:防御力+1000

 所有者:桂木 静


〈タイガーシューズ〉

 種別:靴

 効果:瞬発力+1000

 所有者:桂木 静


三日月宗近みかづきむねちか

 種別:武器

 効果:戦闘力+1000

 所有者:桂木 静


 ○赤色の部屋


〈レッドトラックスーツ〉

 種別:防具

 効果:防御力+1000

 所有者:坂本 朱美


〈タイガーシューズ〉

 種別:靴

 効果:瞬発力+1000

 所有者:坂本 朱美


数珠丸恒次じゅずまるつねつぐ

 種別:武器

 効果:戦闘力+1000

 所有者:坂本 朱美



「2人とも、次からこの武器と装備を使ってね!安全第一だから。」


「ありがとう!すごいチートだわ。」

「やったー!颯くん!ムギュ!」


「朱美さん!くっつきすぎ!」


「えー、いいじゃん!初めてを捧げる人だもん!」


「え?お兄ちゃん!どういうこと?」

「ちょっと!朱美!」


「大丈夫!ちゃんと順番は守るから!」


「え?お兄ちゃん!どういうこと?」

「ちょ、ちょっと!朱美〜!

 桜ちゃん!大丈夫だから!」


「静姉が最初で、次が朱美さんってこと?」


「ははは。そんなことになるはずないだろ。こういうノリだから……。」


「そ、そう。ノリだから……。」


「いや、私は、もうノリノリのアリアリなんだけど!」


「朱美さんって、お兄ちゃんのこと、好きなの?」


「そりゃもう、この人しかいないって感じで、大好きだよ!」


「真剣に?」


「そうだよ!」


「うーん。だったら、仕方がないか〜。

 あとは、若い人同士に任せるか〜。」


「お見合いか!」


「静姉はいいの?」


「何が?」


「お兄ちゃんと朱美さんがくっついても。」


「桜!それ以上はやめろ!

 やめてくれ!

 やめてください!お願いします!」


「わかったよ!もう!お兄ちゃんって、こういうの苦手だよね!」


「ふー、悪かったな!苦手だよ!」


「でも、朱美さんって、初めてって意外かも。」


「そっかなぁ。あんまし、考えたことない。今まで、そういう人がいなかっただけだね〜。」


「ふーん。そういうのいいね。静姉は?」


「ちょっと!桜!ストップ!ストップ!」


「もう!お兄ちゃん、子どもみたい。」


「いや、そういう話は、俺のいないところでしてくれよ!」


「そうね。桜ちゃん、また今度ね。」


「静姉、了解です。」


 ふー、やっと、止まったか。桜と朱美は、こういうことを普通にしゃべれるんだな。

 これも、もはや特殊スキルだな。



 ◇◇◇◇◇



 リビングに戻って。


「いやー、2人ともいけて良かったよ!

 これで4部屋埋まったな。

 ただ、今回みたいな事件が起きない限り、もう増やすことはしないから。

 ここで見たこと、喋ったことは、4人だけの秘密だからね!」


「「「はーい!」」」


「颯!デイリー〈経験値〉って言うのは、颯だけしか行けないの?」


「うん、そう。これも桜と検証したからね。俺だけが行けるみたい。今日の分はもう終わったしね。ここでは、見せれないな。」


「ふーん、そうなんだ。」


「まあ、こんなもんかな。」


「それじゃあさ。定期的に4人で集まろうよ。

 ここに来て、お泊まりしたりね。」


「うん、いいね。賛成!」


「そうだね。女子はオーケーだね。お兄ちゃんは?」


「うん、いいよ。って、俺がいないと成立しないと思うんだが。」


「それもそっか。お兄ちゃんがいないと、ここに来られないもんね。」


「じゃあ、連絡先交換しよ。今朝、朱美と一緒にスマホ新しいの買ってきたんだよね。昨日なくなったから。」


「だから、今、2人とも連絡先ゼロ。でね、まだゼロのままにしてるんだ。どうせなら、1番目は颯くんにしようって。」


「え?俺?」


「そう。ライムやってるでしょ?」


「あー、やってるけど。俺の連絡先には桜しかいないけどね。」


「それじゃ、友達登録お願いします!」

「私もお願いします!」


「はい、こちらこそ!喜んで!」


 それから、4人でチャット用のグループを作成した。グループ名は『颯の秘密』にされた。恥ずかしい。


「これで、いつでも連絡取れるね!」


「俺、これから川崎営業所に行くけど、静と朱美は、どうするの?」


「私たちも行くつもり。原付を回収したいから、スペアキー持って来た。」


「そっか。なら一緒に行こう。」


「「うん。」」

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