第13話 秘密を打ち明ける①
◇◇◇◇◇
次の日の正午。
「2人とも、いらっしゃい。」
「わー、久しぶりだね。懐かしい。お邪魔します。」
「そっか。静は幼馴染だもんね。お邪魔しまーす!」
「いやー、今日は高校がお休みみたいで、妹もいるけど、気にしないでね。」
「そうなの?うちの妹は学校に行ったよ。」
「だよね。ははは。」
やっぱりね。わかってたけど。
「あ!静姉!朱美さん!いらっしゃい!」
「桜ちゃん!久しぶり!今日、学校サボったでしょ?
「えへへ。そうでした。若葉のお姉ちゃんだもんね。ばれちゃった。テヘペロ!
今日は、うちに静姉と朱美さんが来るって聞いたから、保護者としていないといけないかなぁってね。」
「誰が誰の保護者やねん!桜!」
「だってね。お兄ちゃん、ちょっと、頼りないから、心配じゃない。」
「おい!」
「わかるー(笑)」
「静!同意するなよ!」
「はいはい。颯は立派に成長してます。」
「むー。」
「まあ。2人とも上がって!コーヒーでいい?」
「うん、ありがとう!
これ、さっき2人でケーキ買ってきたの。」
「うん、私も。ありがとうね!」
◇◇◇◇◇
なんか、いつのまにか、女子3人は意気投合してます。朱美と桜も初対面なのに、普通に会話してるし。女子のトークって、もはや特殊スキルだよね。
「それで、今日は、颯の秘密を教えてくれるんだよね?」
「そうだね。そのために来てもらったから。」
昨日のうちに、桜には川崎ダンジョンで遭った事件の一通りを話しているから、ここでは、その話はいろいろ省略。
「颯ってスキルは取れなかったんだよね?
なのに、ルームってスキルを持ってるの?」
「隠しスキルみたいなんだ。
実際、ルームは、派生スキル。取ったスキルは、マイ・ダンジョンってスキルなんだ。」
「聞いたことないね。
そもそも、隠しスキルっていうのも、聞いたことないよ。」
「そうなんだよね。俺もネットで散々調べたから。」
「だとしたらさ。颯くんが最初の隠しスキル持ちなんじゃない?超イケてるじゃん!」
「なんか、そんな気がする。」
「でね。マイ・ダンジョンスキル自体は、効果がないんだけど、派生スキルが2個あって、もう一つがデイリー〈経験値〉ってスキルなんだ。」
「へー。変わったスキルだね。」
「うん、1日1回だけ、ダンジョンに行けて、そこの銀色スライムを倒すと、経験値が貰えるっていう感じ。それでレベルを上げてるんだよね。」
「そっか。あの異常な成長はそういうことだったんだね。今、レベルいくつなの?」
「レベル62。」
「「え?」」
「そうなるよね。」
「A級並じゃない!」
「でもさあ。静!
昨日、助けてもらったじゃん。その時の強さって、もっと強い感じがしなかった?白馬の王子級の強さって感じ?」
「朱美!その表現合ってる?朱美の気持ちが入ってない?
でもまあ、たしかに異次元な感じがしたかも?」
「うん、だよね。もう一つあって、武器と装備のおかげかな。」
「へー。あの日本刀とキル○ルスーツ?」
「そう。その秘密を見せるから、今からルームに行ってみよっか?」
「お兄ちゃん!私も行っていいよね?」
「ああ、いいぞ!」
「その前に。静!朱美!
ルームへ一緒に行く時の行き方がちょっと特殊なんで、説明するから。それで判断してくれ!」
「そうなんだ。昨日は普通に行けてたよね。」
「昨日は、行くとき、キュンとしたよ。そういうこと?」
「昨日は、自然にそうなったから、気づいてなかったんだと思うよ。
キュンは、ちょっとよくわからない。
ちょっと、言いにくいんだけど、抱き合う必要があるんだ。それも、かなりの密着度で。」
「え?だ、抱き合う?かなりの密着度?」
「わー!素敵!やっぱキュンだね!」
普通、静みたいな反応になるよね。
朱美の反応がちょっと変すぎ!
「そう、桜と検証したから。
他の方法はなかったんだよ。残念ながら。」
「え?桜ちゃん!抱き合ってんの?」
「えへへ。私は妹だからね。大丈夫だよ。
本当は、他の人はダメって思ってたんだけど、静姉は許可します。
朱美さんは、まあ、いい人そうだから、ギリギリ許可します。」
「桜ちゃん!ありがと。妹公認キュンだね!」
「桜ちゃん……。 そういう意味で言ったんじゃないんだけど……。」
「そうだよね。静はここで待っててよ。
ほんとは、もう一つ試すことがあるんだけど、朱美に試してもらうから。」
「嫌とは言ってないじゃない!私も行く。」
「颯くん!静はそっち方面が奥手なだけだから。本当は嬉しいんだよ。ね?静!」
「朱美!むー。」
ちょっと!その情報はどういうこと?
まあ、吊り橋効果かもしれないから、話半分に聞いておこう……。
「それじゃ、順番に。
まずは、桜からでいい?」
「はーい!」
「え?桜ちゃん!そんなに密着しないといけないの?」
「うん、これくらいしないと、お兄ちゃんだけ、行っちゃうから。」
「うわー、颯くんと。楽しみ〜♡」
朱美との密着は、絶対にやばそう。
それから、朱美と抱き合って、ルーム!
やっぱり、ボリュームが……。 鼻血出そう!
そのあと、静と抱き合って、ルーム!
これは、照れるな……。 吐息が……。 はう!
次はルームに移ってのお話です!
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