第一話 森の奥地の神秘な木の実
不思議な夢を見た朝、突然現れた北の精霊に北の太古の神殿が魔力汚染にあい、その地に住まう妖精たちが消えかけているという話を聞いた。北の精霊に助けを求められ、ひとまずこのことを魔法使いたちに相談しようと大慌てで食堂に入るとまだ数人しかいなかった。
けれども私が探している人はゆったりとコーヒーを飲んでいた。
「ルイ!少し聞きしたいことがあるんですがいいですか?」
「そんなに慌ててどうしたのじゃ?むむっ、そこに浮かんでおる光はあの時の精霊か?」
私がこの世界に来た日にアルブレヒトの腕から上がっていた黒い靄、その正体がこの北の精霊だ。
あの時はすぐに帰ってしまったが、また彼がここにいることに何かを察したようで表情を引き締めている。
相変わらず精霊の姿をしっかりと視認できて会話できるのは私だけのようだが、それはまあ私が通訳係になればさほど問題はないだろう。
「実は、北の太古の神殿が魔力汚染にあっているそうなんです。そのせいで妖精たちも消えかかっているみたいで…………。妖精たちを助ける方法を知りませんか?」
北の大地を管理しているルイでも魔力汚染のことは把握していなかったようで、目を見開いて驚いている。
しかしすぐ思案顔になり、右手で顎のあたりを触った。
「そんなことが……。管理しておる立場じゃというのに、魔力汚染に気付けずすまぬのう。妖精が消えかけておるくらい汚染が進んでおるということは周辺地域にも悪影響が出ておるかもしれぬ。妖精が消えてしまうのは魔力汚染のせいで土地から切り離さてしまうからなのじゃ。助けるには汚染を浄化して彼らを土地になじませるための祝祭を行う必要があるのじゃよ。すぐに浄化のための材料を集めなければ」
『浄化のためにいるのって
「え?」
頭にそんな言葉が響いたと同時に私の横に大量の白い花が現れた。桔梗によく似た形で、透き通るように白い花弁が揺れている。
その出来事にルイも驚いていた。
「これだけあれば足りるが……。これは精霊が持ってきておったのか?」
「そうらしいです。ありがとうございます、精霊さん」
『前に小さな魔力汚染が起きた時に君がこれを使って浄化してたのを覚えてたんだ。あ、でも君はもうあの時の君じゃないんだよね。生まれ変わったから』
精霊はなんだかよくわからないことを言っている。私が以前にも浄化をした?生まれ変わった?
いったい何のことを言っているのか、聞きたい気持ちは強いが今は浄化が優先だ。早くもう一つの材料であるスターマインを取りにいかなくてはならない。
「ルイ、早くスターマインを取りに行きましょう。急がないと妖精たちが危険です」
しかしルイは難しい顔をして唸っているままだ。何か気になることでもあるのだろうか。
「行きたいのは分かるがの、スターマインの木がある正確な位置がわからんのじゃ。市場には出回らんからウドリアの森に行かねばならぬが、森のどこにあるのかわからんのじゃ。あの木は特殊でのう、定期的に場所を変えるんじゃよ。しかも、ウドリアの森は迷いの森とも呼ばれておる。森自体が日ごとに形と位置を少しずつ変えておるせいで一度入ったら出ることが難しいのじゃ。慎重に行かねばならぬ」
戻ってこない人が続出しているその森には次第に人間は寄り付かなくなり、物好きな魔法使いがたまに足を踏み入れる程度だそうだ。それだけ人の出入りが少ない場所なら凶暴な魔法生物も数多く生息している可能性もあり、危険な場所になっている。
「でも、それを恐れていたら何もできないじゃないですか。妖精たちを助けてあげたいんです。どうか、お願いします!ウドリアの森に行って一緒にスターマインを探してください!」
私の懇願に周りにいた魔法使いたちもこちらを見ている。そこに
赤い瞳をきらめかせているアルブレヒトだ。
「ウドリアの森に行きたいなら俺が連れて行ってやる。俺はウッドパレスで森番をしていたし森に入るのは慣れてるからな。地形もすぐ把握できるから迷うこともない。おまけに魔物討伐は得意だ。ルイ、俺が連れていくのでいいか?」
「アル一人じゃ心配だよ。ルイ様、俺も一緒に行ってもいいですか?」
「ラピスまで………。二人でも危険じゃ、北の魔法使いも同行しよう。ランスロットには我から伝える。支度ができ次第、東の扉前に集合じゃ。賢者には残ってもらいたいが、おぬしにその気はないんじゃろう?」
「あ、ありがとうございます!」
呆れたように眉を下げて笑うルイに頭を下げ、とりあえず私は朝食をいただくことにする。
早く食べて早く準備して、早くスターマインを探しに行きたい。
そんな気持ちで胸はうるさく鳴っている。
自室に戻り準備を整えていると後ろから白い紙を持ったヒスイが声をかけてきた。
「瑠奈、何かあったときのために弓矢を札にいれよう」
陰陽師がよく使う術のひとつに物質を札に取り込むというのがある。こうすることで大きなものや重たいものでも簡単に運ぶことができて便利なのだ。
ヒスイの言うように弓と矢を札にしてもらって預ければ準備完了だ。
みんなが待っているであろう各国へつながる扉がある塔へと向かった。
東の扉の前につくと今回同行してくれる東と北の魔法使いたちに加えて中央の魔法使いであるアランとグレイ、それと西の魔法使いのキースもいた。
「みなさんも来てくれるんですか?」
「いや、ついて行くっていったらルイ様に却下された」
「私たちは賢者様が帰ってきたらすぐに浄化薬を作れるよう、雪月桔梗の下処理と調合の準備を整えておくことになりました」
「私は昼食にと思ってバスケットを」
「今はとにかく時間がないからのう。二手に分かれておった方がよいじゃろう」
確かにそうだ。こうしている今も北の太古の神殿は汚染されているし、妖精たちの消滅も進んでいる。すべての物事をスムーズに進めていかなければいけない。
「じゃあ、行ってきますね!」
「えぇ、いってらっしゃい」
「どうかお気をつけて。ランスロット、賢者様を頼んだぞ」
「……言われなくても」
そう言葉を交わして私たちは扉をくぐった。
扉の中はこの世界に来た時の場所によく似ている。広いスペースには何もなく、床に紋章のようなものが大きく描かれている。それはミシェルが用意してくれた教科書で何度か見たものだった。
国を表す紋章であり、王族の家紋となっているもの。ここに描かれているのは東の国の紋章だ。星のような五枚の花弁を中心に水の雫が四方八方に散らばっている。
ルイがその中央に立ち、手には彼の魔道具である水晶玉がある。
「ヴォクニクスニア」
彼が呪文を唱えると紋章を囲むように引かれている二重円が淡く光り、重力がなくなったかのような感覚が来る。続いて一瞬体がふわっと浮き上がった。再び地面についたと同時に、軽やかな声が部屋に響く。
「到着じゃ。ここからウドリアの森は少し離れておる。近くまで箒で移動するぞ」
それを合図に私たちは扉の外へ出た。
塔の中は魔法舎にある塔とさして変わらないが、窓の向こうに広がる景色はだいぶ違う。魔法舎がある中央の国に比べると明らかに緑が多い。
中央の国から出たのは初めてだが、こんなにもあっさりとした移動だとは思っていなかった。魔法で動くあの部屋はまるで瞬間移動装置のようだ。普通の人間は使えないが、魔石を持っていれば動かせるらしい。まあ、魔石は高価なものだから一般にはほとんど出回っていない。実質、魔法使いだけが扱えると言ってもいいだろう。
「うわぁ、東の国は自然が豊かなんですね」
「はい、国の中心部は建物が多いですが、それでも自然は出来るだけ残そう、というのがこの国の根底にあります。太古の神殿があるウォルターの街なんかは水の都として観光地になってるんですよ!水路がほとんどなので、小さな船での移動が主流なんです」
「元居た世界でも水の都ありました!私が住んでいた国ではないし行ったこともないので詳しくはないですが、すっごい綺麗だそうですよ!」
思わぬ共通点にラピスと話を弾ませた流れで彼の箒に乗せてもらうことになった。
飛行中も話はこの東の国についてで持ち切りだ。
「そういえば、グレイが言ってたんですけど、私がこの世界に来た時に着ていた服を覚えていますか?あれが東の国の伝統衣装によく似ているそうですが、本当ですか?」
「!そうなんです!俺も一目見た時に似てるなって思ってて!」
「ラピスが今着ている服も、その伝統衣装をアレンジしたやつなんだぞ」
横から会話に入ってきたのは長年ラピスの家に仕えているアルブレヒトだ。
彼はどことなく中華を思わせるような服を着ている。紺の下地に赤が差し色として使われているその服は彼の黒髪と赤い瞳によく合っている。
「まあ、ラピスは何を着ても似合うけどな。畏まった服装なんて一国の王子みたいなんだ」
「確かに、ラピスは綺麗な顔立ちですし上品さもある。……絶対かっこいいじゃないですか、見てみたいですね」
アルブレヒトとそんな風に話していると、私の前に座っているラピスは黙ってしまった。どうしたのかと顔を覗き込もうとするとそらされてしまう。よくよく見ると耳が赤くなっている。どうやら照れているようだ。
「まずは叙任式での正装ですね。どういうものなのかは聞いていませんが、きっと素敵な衣装になるはずですし、楽しみです」
「ラピスが絶対一番似合う。けど賢者、俺のこともちゃんと見とけよ」
「もちろんです!」
そんな風にアルブレヒトと微笑み合っていると前方から声がかかった。
「そろそろウドリアの森じゃ!一度地上に降りるぞ!」
ルイの声に合わせて地上におりればあたり一面緑しかない。
人の気配もなく、もちろん建物も存在しない。
本当に木だけだ。
「ウドリアの森に入る前にもう一度確認するぞ。ここは人が立ち入ることのない場所じゃ。その結果、魔法生物が多く住み着いておる可能性が高い。中には凶暴なものもおるじゃろう。みな、気を抜かぬように。アルブレヒト、先頭はおぬしに頼むがよいか?」
「もちろんだ。完璧に森を把握してやる」
ルイの硬い声音に楽しげな声が返す。その顔には笑顔も浮かんでいる。
箒に乗ったまま探したほうが早いのでは、と思ったが、魔法生物に出くわしたときのことを考えてできるだけ魔力は使わないようにするようだ。
「今回の目的はスターマインの採取じゃ。甘い匂いが特徴じゃし近づけばすぐにわかるはずじゃ。日が暮れる前に魔法舎に帰れるよう、自分勝手な行動は慎むのじゃぞ?特にランスロット」
突然名指しされたランスはうんざりしたような表情をした。それは聞き飽きたというような顔だ。
「僕がどう動こうが僕の勝手だよ」
そのままそっぽを向いてしまった。なぜかいつも誰に対してもああいう態度をしている。天邪鬼なんだろうか。
とにもかくにも、森に入らないことには始まらない。私たちは薄暗いウドリアの森へと足を踏み入れた。
森はとてつもなく広いようで、行けども行けども同じ木ばかり。これは確かに迷う。
先頭を歩くアルブレヒトは何の迷いもなく地を踏みしめて前へ進んでいる。時々そばの木を触ったり、生えている草花を観察したり、あたりを見回している。ああして場所を把握しているのだろうか。
その時、ふと疑問に思ったことを横に並んで歩いているラピスに問いかけた。
「あの、アルブレヒトはウッドパレスの森番だと言っていましたが、それってどこにあるんですか?」
「俺の両親は東の国の貴族として一つの領を治めているんですが、ウッドパレスはその領にあります。俺の実家と隣接するというか、囲うみたいな形で広がっていて、東の国の下の方に位置しています。ウドリアよりは狭いですが、それでもアルみたいな森番がいないと入り慣れていない人は迷ってしまうかもしれません」
ついでに言うと、稀ではあるが魔物が出ることもしばしばあるのだとか。
「その魔物と魔法生物って何か違うんですか?」
「ここでもお勉強タイムじゃな!教科書がないのが残念じゃが、それは仕方ない」
私たちの前を歩いていたルイがにこやかに振り返った。彼の勉強タイムはいつも唐突だ。
彼曰く、魔物は元をたどれば魔法生物だが、一種の突然変異のようなものだそうだ。人間から魔法使いが生まれるのと同じだという。
また、魔法生物は何か事情がない限り殺してはいけないことになっているが、魔物は見つけ次第殺すようになっている。これは、魔物が魔力の暴走を引き起こしている可能性が高いためだ。魔法生物は魔力をコントロールし、人間にいきなり危害を加えるということはない。しかし魔物は我を失っていることが多い。高すぎる魔力を扱いきれずに暴走し、自我を飲み込んでしまうのだそうだ。
「魔法使いでも魔力をうまく扱えなければ魔法をうまく使えぬ。これと同じじゃな。魔力をコントロールできない魔法使いは危険じゃ。何をしでかすかわからんからのう。魔物は危険な魔法使いの獣版という認識で問題ないじゃろう。……まあ、魔力をコントロールできていても危険な魔法使いもおるがな」
危険な魔法使いの獣版。なんともインパクトの強い言葉だ。
我を失ってしまうほどの魔力だなんて、どれだけ強大なのか。霊力もなければ魔力もない私には計り知れないことだ。
こんな感じで辺りを散策しつつ談笑をしながら歩き、そろそろお昼かなという時間になり、一度休憩をはさむことになった。
少し広がった道で岩やら切り株やらに腰かけて、キースが持たせてくれたバスケットを開ける。そこにはとてもおいしそうなサンドイッチがびっしり。律儀にデザートのフルーツパイまで入っている。
「うわぁ!すごくおいしそうですね!あれ?このパイだけ別でくるまれてる。……『ランスロット用』?」
「へぇ、あいつ気が利くんだ」
未だにこの世界の文字を書くことには時間がかかるが読むことに関しては簡単なものなら大体できるようになった。だからパイの上に置いてあったカードの文字もすぐに読めた。とてもきれいな文字だったために読みやすいというのもある。
ランスロットだけ別ということにどういうことなのかと首をかしげていると隣に座っていたルイが耳元に顔を寄せて囁いた。
「前にも言ったやも知れぬがランスロットは超がつくほどの甘党なのじゃ。キースもそれを分かってランスロット用に甘さが倍以上のパイでも入れたのじゃろう」
どことなく甘い声で、吐息多めで囁かれ、すごくくすぐったい上に恥ずかしい。おそらく今の私は顔が赤くなっているのだろう。ルイが顔を離して私を見た時、面白いというように目を細めて「賢者は可愛いのう」なんて呟いた。
そんな彼から目を逸らし、サンドイッチにかぶりつく。早く頬の熱が冷めるように願いながら、トマトやレタスなどが挟まったサンドイッチを頬張った。
しばしの休息を終えてまた歩き出す。同じような木を何本も通り抜けひたすら歩く。
次第に会話も少なくなり、全員の顔に明らかな疲弊の色が浮かぶ。
そんな時にどこからか甘い匂いが漂ってきた。
もしかしてと思いルイを見れば、彼もまたこちらを見て真剣な表情をしている。
「アルブレヒト、この匂いを辿るのじゃ。その先にスターマインがあるはずじゃ」
「言われなくてもわかってる。だが、あたりに充満しているせいかうまく辿れないな」
「森番なんて言っても、やっぱりまだまだ子供だね」
ずっと黙っていたランスが口元をゆがめて冷たい言葉を吐き出した。
そこまで言わなくても、と抗議をしようとした瞬間、ランスが小さく呪文を唱えた。
するとあたりに充満していた匂いが薄まり、不思議な光が真っ直ぐ森の奥へと延びている。
光からあの甘い匂いが微かにするところから見るに、どうやらこの光の先にスターマインがあるようだ。
アルブレヒトはむすっとした顔を隠そうともせずランスを睨んでいる。
「これくらい、俺にもできた。勝手なことをするな」
「はやくスターマインを見つけて戻らないとなんだから僕が魔法を使った方がすぐだろ。それに、森に入る前に言ったでしょ?僕がどう動こうが僕の勝手だって」
「ま、まあまあ、二人とも落ち着いてください。ね?とにかく先に進みましょう?」
そう宥めるもアルブレヒトは睨んでるし、ランスは悪い笑みを浮かべているし、この二人はあまり相性が良くないのだろうか。
光を辿って歩き出してもアルブレヒトはむすっとしたままだった。
かなり奥まで歩き、少しずつ足が重たくなってくる。まわりに植物が多いため歩きにくいのもあり、体力がだいぶ削られる。
そんな時、急に開けた場所へ出た。そこには一本の大木がある。ゆうに五メートルは超えていそうなほどだ。
光はその大木を囲むように漂っている。
「すごい大きな木ですね。あ、あの光っているのがスターマインですか?」
木にはいくつもの木の実が実っており、そのどれもが金色の淡い光を放っている。
とても神秘的な光景に見惚れてしまう。
いつまでも見ていたい気にさえなってくるが、今は早く収穫しなければならない。
私たちは手分けしてスターマインを取っていく。
何人かは箒で上の方に実っているのを取り、私は地上から手が届く範囲で収穫していく。
スターマインは元の世界の鬼灯ほおずきに似ていた。逆三角形のような形の袋の中に丸い実が入っている。この実が淡い光を放ち、薄い袋からそれが漏れている。
御神楽の家の庭にも鬼灯は植えられていた。お盆の時期にはそれを飾って先祖様を迎えるのだ。帰る家という目印のために。
まじまじとスターマインを見ている私に横から柔らかな声がかけられた。
「どうかしましたか?」
「あ、いえ。スターマインとよく似た形の植物が、私がいた世界にもあったことを思い出していたんです。こんな大きな木ではないし、光りもしないんですけど、赤くて可愛いんです。観賞用がほとんどでドライフラワーにするのも流行っていました」
「よく似ているということは、これもドライフラワーにしたら同じように飾れるんじゃないですか?今回の目的は浄化薬を作るためですけど、一つくらいなら私用に使っても怒られないと思いますよ」
彼は悪戯を思いついた子供のように微笑み、小さな実を手渡してきた。
「少しでも賢者様の心が晴れますように。……僕もドライフラワー、作ってみたいです。やり方を教えていただけますか?」
「もちろんです!」
きっとラピスは私が元の世界のことで寂しい気持ちになっていると思ったのだろう。だから、心が晴れますようにと言ってくれたのだ。
確かに寂しいと思う気持ちはある。暮らしていた場所の居心地が悪くても、大切な思い出の詰まった場所なのだから、恋しく思ってしまう。
だがそれを表に出すのは違うと思う。だから隠してきたが、どうやら漏れていたようだ。
そんな私に寄り添うように、元の世界であったものを一緒に作ろうと提案してくれるラピスはとても優しい。
「ラピス、ありがとうございます。おかげで元気出ました!浄化薬を作った後、ドライフラワーにしましょう!基本的に水につけておくだけでいいので簡単なんですよ!」
その後も他愛のない雑談をしながら収穫し、たくさんのスターマインを持ってきていた瓶に詰めていると上の方を採っていた魔法使いたちも降りてきた。
「これだけあれば十分じゃろう。あとは帰るだけじゃが、アルブレヒト。道は分かるか?」
「当たり前だ。ちゃんと外まで連れ行ってやる」
そうして私たちはスターマインの木を背に歩き出した。
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