転生したら虚無だった件。

白咲焰夜

序章 第1話 〜プロローグ〜

「いい天気だなぁ〜。」


 俺の名前は……蒼井あおい 紅蓮ぐれん。そこら辺に居る一般人と同じ何も変哲もない高校 3年生だ。


 今の月は、8月……時刻は9時……しかも、服装は征服だ。本来ならば学校は夏休みだが……どうやら、強制と言う名の参加型、VRMMOの扱い方の授業をするらしい。はっきり言って……地獄だ。

そう思いながら、俺は空を眺めた。真っ青な快晴で、太陽が眩しい。


 そんな中……俺は学校の登校中に、子供連れのお母さんが青信号で渡っていると……スポーツカーが赤信号を無視して走っていた。


「危ない!!!!」


 咄嗟に、走ってお母さん達を押して俺はそのスポーツカーに轢かれた。


 そのスポーツカーを運転してたおじさんは車から出て、俺を轢いた恐怖で車に乗らずに……逃げて行った。


 俺は、意識が朦朧としながら……言った。


「あの人……は……? あの人の子供も無事……かな?」


 朦朧としながらも、連れ子のお母さんと子供を見た。


 すると、パニックになっていたお母さんと衝撃に驚いて泣いてる子供……。


 ハハッ……どうやら、無事みたいだ。

このまま、死ぬんだと思うと……全てがどうでも良くなってきた。


 ━━━確認しました。

転生個体を発見。並びに、転生個体の情報をおまかせにします。


 唯一……あるとしたら、


俺は、意識が無くなりかけながら言った。


「ヨグ=ソトースみたいに無の個体で入れたら……楽なんだろうな……。」


 ━━━━確認。

おまかせを破棄、並びに……固体名 レイ=アイリスは、エクストラスキル 「意味之無意意味の無い姿」を獲得。


更に、ユニークスキル 「全知全能ゼウス」、ウルトラスキル 「極限ノ無ヨグ=ソトース」を獲得。


並びに、「極限ノ無」に必要なスキルを作成します……。成功しました。


 なんか、死ぬはずなのに……

誰かが……。


 こうして、蒼井 紅蓮の人生はここで……幕を閉じた。


 次に目を覚ましたのは……見掛けない洞窟の中だった。


「こ、ここは何処だ?」


『起きましたか? マスター?』


「うわぁぁぁあ!? どこ!?

何処にいるの!?」


『何処にもいません。

スキル 「全知全能ゼウス」の効果です。』


「な、なるほど?」


 つまり、ここは……異世界って言う奴か?


『その通りです。

マスターは、固体名 蒼井 紅蓮を捨て……

固体名 レイ=アイリスへと転生しました。』


「なるほどね。んで、全知全能さん? 聞いていい?」


『はい、何でしょうか?』


「なんで、俺はモンスター達に気づかれないの?」


『それは、エクストラスキル 「意味之無意姿」で、透明化……と言うより無になっています。』


「え、エェェェェェェェェェェェェエ〜!?」


 ちょっと待って!? なんでだ!?


 俺は、試行錯誤してその原因を調べた。

すると、あるフレーズを思い出した。


 そう。死んで意識を失う前にボソッと呟いたフレーズだった。


 俺は、あちゃ〜と後悔した。

だが、後悔しても仕方ないので……

全知全能さんに聞いた。


「全知全能さん? ステータスって見れる?」


『はい、こちらとなっております。』


 そうして、俺は……全知全能さんに俺のステータスを表示して見せてくれた。俺は、それを覗き込みながら見る。


 ━━━━俺は、絶句した。

それぐらい……やばかったからだ。

この先が不安になる。

本当に大丈夫なのだろうか……?


 こうして、蒼井 紅蓮は不慮な事故で死んで、転生したら……無になっていて、しかもステータスが絶句する物だった!?

 一体、どんなステータスだったのか!?

それは、神のみぞ知るセカイだった。

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転生したら虚無だった件。 白咲焰夜 @sirosakienya_124

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