参考資料「おおへびとみこ」 ※「A村のむかしばなし」より抜粋

 むかしむかしのこと。村の近くの山に大きなへびがすんでいたそうな。それは、人でも丸のみにできるほどの大きなへびでした。


 おおへびは ときどき村におりてきて悪さをするようになりました。家をこわし、はたけをあらしました。しまいには、村のむすめをさらって食べてしまうようになったのです。


 こまった村人は、とおくのじんじゃにたすけをもとめました。じんじゃのみこさんは、

「では、わたしがそのおおへびをたいじしてあげましょう」

と言いました。


 みっかたった夜のこと。みこさんが村にやってきました。村人にあんないされたみこさんは、おおへびのいる山へむかっていきました。


 みこさんは、おおへびに言いました。


「もう、わるいことをするのはやめなさい」


 しかし、おおへびはいうことをききません。


「いやだね。おれは、わるいことがすきなんだ」


 おこったみこさんはじゅもんをとなえ、おおへびにカミナリをおとしました。でも、おおへびはへいきな顔。

 またみこさんはじゅもんをとなえ、火をあびせました。でも、またおおへびはへいきな顔。

 またまたみこさんはじゅもんをとなえ、たくさんの雪をあびせました。でも、またまたおおへびはへいきな顔。


 みこさんがこまっていると、村人たちがカタナを持ってやってきました。みこさんと村人たちは、いっしょにおおへびとたたかいました。


 へびはだんだんよわっていきます。そこで、村人たちは言いました。


「もうわるさはしないと、やくそくしてくれ。そしたらいのちはたすけてやる」


 するとおおへびは、


「わかった。やくそくする」


 そういうと、おおへびは山のおくへと帰っていきました。村人たちは、やったぁとみんなでよろこびました。


 かわいそうなことに、みこさんはおおへびとたたかっているときに2ほんのうでと2ほんのあしをなくしてしまい、しんでしまいました。


 村人たちは、そのみこさんのためにおやしろをつくり 神さまとしてまつってあげたのでした。

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