音声入力・専門用語編 その後

 前回も少し書いたが、筆者の本業の一つが昆虫類をはじめとする動物の同定どうてい作業であり、シーズン中には多くの同定依頼メールが送られてくる。

 室内作業中はパソコンから返信するが、外出中はスマホからメールを返す。


『童貞お受けします』


 ……あれ……?


 慌てて再入力し、確認の上で送信ボタンを押す。


 しかし、今までこんな誤変換、なかったのに……。


 いや、スマホの機種変換直後には誤変換――正確には、より一般的な単語の方――が第一変換候補として出てきていたが、正しい変換を何度も使っているうちに学習した結果がそれである。

 その後、スマホで童貞などという言葉は入力する機会も理由もなかったため、筆者の仕事の用語である同定に自動的に変換されるようになっていた。


 しかし今回、音声入力のテストにより童貞という言葉が変換されてしまったため、メールのフリック入力からの変換にも影響が出たらしい。


 すなわち、タップやフリックによる入力での学習結果が音声入力にも表れるならば、逆に音声入力の結果が手入力の変換に影響することも当然ありうる。


 というわけで、音声入力で執筆して普段使わない単語を使った場合は、日常のメールやSNSの変換時にご注意下さい。……と、言いたいところであるが、よく考えたら音声入力関係なく普段使いのスマホから執筆していたら普通に起こりうることだろう。


 今回の例に関しては筆者が自営業で、仕事も私用も執筆も同じスマホを使っていた結果なので、やはり特殊な例かもしれない。


    ◆


 それとついでに、『とうてん』(、)と入力するつもりが、なぜか特定と入力される事例もあった。


 これも前回の副作用かもしれない。

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