第2話 出会い

「今晩、夜が明ける前に”儀式”を開始する」

儀式と何のことなのか。この儀式と俺は関係があるのか。


様々な考えが俺の頭をよぎるなか、後ろから足音のような音が徐々に大きく聞こえてくる。

驚きながらもハッと後ろを振り返るとそこには一人の男が立っていた。

男はローブのようなものを身にまとい顔はフードに隠れていてよく見えない。

「あ、あの~。大丈夫ですか?」

他にも言うことがあるだろうと自分自身にツッコミを入れつつ相手の反応を待っていた。

「大丈夫じゃないっぽいです」

そういうと彼は人に出会ったことによる安心感で膝から崩れ落ちその場で倒れてしまった。

倒れた彼に急いで近づき安否を確かめたところ気を失っていただけで息は正常に行われていた。

「どうしたものかなぁ。俺も疲れてんだけどなぁ」

まあ愚痴っても仕方がないので小屋に設置してある仮眠用のベットに男を乗せた。そして彼が目覚めるまで待つことにした。

その間に今まで起きたことを簡単に振り返ってみると、今寝ている男が日本語を話していたことを思い出した。

「あまりにも出来すぎではいないか?」

なんて思いながらも、意思疎通できることをプラスに考えることにした。


「んっ……」

数時間か経って男は目が覚めたようだ。ゆっくりと起き上がり辺りを見渡している。

「おっ、起きたか。」

俺は目覚めたことを確認するために声をかけるとこちらに振り向いてきた。

「あなたは誰ですか?ここはどこなんでしょうか」

「質問が多いぞ。まずはお前の名前はなんだ?」

「僕の名前ですか……えっと……名前は……」

少し間を空けてから言葉を発した

「名前…なまえは…なんだっけ?」

なんとこの男、記憶喪失ときた。しかし、今までに様々なことが起きてきたせいか、あまり驚きはなかった。

「そういうあなたっだって誰なんですか?人に名前を聞くんだったらまず自分からなのってくださいよ!」

なんだこの生意気な奴はせっかく俺が介抱してやったていうのに…

「まあ、確かに俺からなのるのが筋ってもんだよな。」

「俺の名前は…」

「あれ…、名前なんだっけ」

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なんで転生したんだろう? @pocket777

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