第7話打開策

最初は疑心暗鬼だった。本当に彼は幽霊が見えているのか?とかいい人なんだろうか?とか。色んなことを考えた。


その結果話しかけた。まずは話してみないと分からないと思ったから。


そしたら案外気さくで、私の中二病にも付き合ってくれるようなおちゃめな人だった。

面白くて、ずっと一緒にいたくなるような人だった。


あぁ、私はどうしようもないな。徹はちゃんと注意してくれてたのに、それを振り切ってしまった。そりゃあ見捨てたくもなる。


やばい、とんでもなく気分が落ち込んで来ちゃった。目の前に私を殺そうとしてるやつがというのに。


「¥$$#♡@☆&?!♪&@#$$$$!?」

怒ってるなぁ。死ぬのかなぁ。怖いなぁ。死にたく、ないなぁ、せっかく気が合いそうな友達を見つけられたのに。


「死にたく、ない」

自然と涙が流れていた。そんな時だった、彼の声が聞こえてきたのは。

「おい!バハムートよ!お前の人生、ここで終わっていいのか!?そんなつまらない死に方していいのか?生きたいなら俺についてこい!」

ふっ、馬鹿だなぁあいつは、こんな私を⋯⋯。

瞬間、足は動きだしていた。


「ふはははは!貴様!我がそんなつまらない人生の終わり方をするはずがないだろう!」


息を吸い込み、堂々と笑顔を見せる。


「我は闇の力を持った選ばれし人間なのだからな!」





たくっ、調子の良いやつだなぁ。まぁ見殺しにすんのは目覚めが悪いからな。

さて、現状の確認だ。コックリさんは普通の人間に見えることができるくらい霊力が強い。つまり、幽霊の格としてとんでもなく上ということだ。


そして今、コックリさんは激怒してる。それは⋯⋯「はっはっはっ」隣で笑って走っている、バハムートのせいである。


最強の幽霊の一角であるコックリさんを止められるのは、あいつしかいねーよなぁ。

くそー、あいつに借りをつくるの嫌なんだけどなー、まぁ仕方ないか。


「貴様らぁぁぁぁぁぁぁ!逃げるなぁァァァ!」

「「いっ!?」」

嫌な予感を感じ、3人でコックリさんの方を向くと、コックリさんは口からレーザーのようなものを吐き出した。


「横に避けろぉぉー!」

すぐ横にあった教室の扉をぶち壊し、飛び込む。飛び込んだ時に横目で俺達が元いた場所を見たがもうその場所はビームによって完全に無くなっていた。

飛び込んだ勢いにより机に体がぶつかり散乱し、教室の壁にぶつかりようやく、その勢いは止まった。


ヤバすぎるだろ、あいつ。バケモンじゃねーか。

「う、うーん」

「おい!バハムート、お前の能力でなにか出来ねぇーのか!」

起き上がった真理の肩を掴み、揺らして聞く。すると真理は胸を張り、どやぁとしながら

「我の能力は右手を黒くする能力さ!」

「え?それだけ?」

「それだけとはなんだ!貴様!我の能力を舐めているのか!?」

「⋯⋯⋯⋯」

あまりの能力の弱さに開いた口が塞がらねぇ。


「な、なぁ、一体何が起きてるんだよぉ」

「「うるさい!メガネ!」」

「えー、俺の扱い酷すぎじゃねぇ、俺も傷つくんだよぉ」

今にも泣き出しそうな薙を無視して、こっからあの場所に行く方法を考えよう。


「おめぇらちょっと待てや、殺すぞ?」

壁をすり抜けて現れたのは最強の幽霊コックリさんである。

すげぇ威圧だな。勝てる気が全くしない。


「逃げるぞ!わかれてな!」

「「おう!」」

俺たち、3人は一斉にコックリさんから1番離れているドアに向けて走り出した。


「わかれろよお前ら!」

「貴様があっちにいけ!もう怖いのはいやだー!」

「俺はただのメガネだよ!?そんな危険冒せるはずないじゃん!?」

こいつら、人のことを考えろよな。←人のことを言えた口ではない。


「き、きさまらぁ!!」

「「いやぁぁぁぁっ!」」

コックリさんの怒号により教室にヒビがはいり、俺達3人はヒビ割れるほどの悲鳴をあげる。


「逃げろぉぉぉー!」

全力で走る。ただただ走る。後ろで爆発が起きようと、たとえ目の前の壁が崩れてしまったとしても。


ここを右に行って階段をかけ登り、登った突き当たりで左に向かって走る。そうすれば⋯⋯

「見えた!」

女子トイレの看板が見えてくる。

「おい、なんで女子トイレなんかに」

「アルティメットマスター、貴様こういうこと今するか?さすがの我も引くぞ?」

「ちげーよ!いいから見てろ!」


後は女子トイレに入って、右から3番目の個室に向かって

「来い!花子!」

そう叫ぶんだ。

















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