旭日旗の元に コラム

日本のミサイル艇事情

　大型艦を求める事が日本は多い。

　日本近海という世界有数の荒い海へ乗り出すため、荒天でも航行出来る大型艦が好まれた為だ。

　実際、どのような艦種でもすう荒波を乗り越えるため、大型化する傾向がある。

　例えば明治に導入された駆逐艦は五〇〇トンほどだった。

　だが、艦隊決戦への参加を要求された特型になると二〇〇〇トン近く、多数の防空火器を求められた大戦末期時の秋月型など三〇〇〇トン近くへ大型化された。

　しかし、あえて小型艦、ミサイル艇などを配備しなければならない理由が東京政府にはあった。

　一つは、北との境界線警備のため、臨機応変に動ける小型艇が必要だった。

　北、東側が大量のミサイル艇を保有しており、対抗する必要があったからだ。

　同時に東南アジアの西側諸国が自国に合った、小型艇を求めていたこともある。

　日本の護衛艦、最低でも二〇〇〇トンの排水量を誇る艦は大きすぎて取得も維持も出来ない。

　大型艦を運用できる軍港も限られていた。

　二〇〇トンくらいのミサイル艇が数を揃えて調達、運用できる限界だった。

　だから、海自もミサイル艇を保有し、配備していた。

　そのため地方隊にミサイル艇部隊を配備していた。

　特に余市の部隊は、北と近いことから最新鋭のミサイル艇が配備されている。

　小型のため海外派兵などは出来ず、活躍は小さいが、現場では小回りが利くため、大型艦の護衛、周辺警戒、警備、訓練支援などに使われている。

　特に大きいのは一尉、三佐などの中級幹部が一貫あるいは四隻の指揮官となることで、若い内に艦、艦艇部隊の指揮経験を積めることだ。

　実際、大型艦の艦長には魚雷艇、ミサイル艇部隊での指揮経験がある人間がおおい。

隼型ミサイル艇

　11号艇型魚雷艇の発展型である36号艇型ミサイル艇の更新として建造された。

　仮想敵であるソ連及び北日本のオーサ型ミサイル艇を独力で排除し、背後の大型艦にミサイルを撃ち込む事を主眼にしている。

　当初は、水中翼を使うアメリカのペガサス型ミサイル艇の導入を考えたが、建造費、維持費ともに高額で、アメリカ海軍も調達を断念したため、放棄。

　次いでイタリア海軍のスパルヴィエロ型ミサイル艇を導入しようとして、試験的に一隻購入、試験する。

　しかし

　荒天に弱い。

　水中翼という特殊構造故、支援設備が必要で有事に使用予定の漁港から運用できない。

　水中翼を使う高速と通常航行の低速は出せても、多用される中速が出せないため運用が難しい。

　以上の理由で水中翼の使用自体、断念して通常型の船体構造で建造することにした。

　手堅く纏められたがそれだけに実用性は高く、稼働率も高く現場の評価は高い。

　また、東アジアの各国へ輸出される。

　仮想敵であるオーサ級を3インチ砲で一撃で撃破し、圧倒的な威力を見せた。

　しかし、ソ連がタランタル型コルベットを建造すると劣勢に立たされ、新型ＤＥの建造配備が行われた。

基準排水量 200トン

満載排水量 240トン

全長 50.1 m

最大幅 8.4 m

深さ 4.2 m

吃水 1.7 m

主機 ガスタービンエンジン×3基

推進器 ウォータージェットポンプ×3基

出力 16,200馬力

速力 最大40ノット

兵装

62口径76ミリ単装速射砲×1基

40ミリ機関砲×1基

SSM四連装発射筒×2基

単装短魚雷×2基

スティンガー四連装発射機×1基

ソナーブイ多数

　対潜戦闘も考慮し、ソナーを装備している。

　しかし高速で航行するため、航空機用ソナーブイで潜水艦の位置を特定する方法をとっている。

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