点検型潜水空母

 ソ連が終戦直後にムルマンスクに逃げ込んだ、あるいは大連に入港していた伊四〇〇型を接収し、それを元に北山の大連造船所で建造させた潜水空母。

 対立が増すアメリカに対抗するため、対米開戦時にワシントンなどアメリカ東海岸を攻撃できる手段を保有するため。長期間沿岸で潜伏することを計画して建造された。

 伊四〇〇型の発展型で伊四〇〇型改とも呼ばれるが、ソ連海軍で運用するため、内部はソ連の製品に改められている。

 ソ連はムルマンスクからの運用を考えており、航続距離は短くて済んでいたが、満州や北日本は自国からの運用を考えており、伊四〇〇型と同様の航続距離を求めた。

 そのため船体は非常に大きくなった。

 搭載機は伊四〇〇型と同様晴嵐改を搭載。

 ただし格納庫が大型化し、内部に巡航ミサイルの搭載が可能となり、運用能力は向上した。

 原爆の開発もあり、小型戦術核の配備もあって開戦時に奇襲できる戦略兵器としての地位を確立した。

 しかし巡航ミサイルの能力が低く三〇〇キロ以内に接近しなければならないこと。発射するには浮上しなければならない、浮上から発射まで一分掛かることなどの運用の不備が重なった。

 そのため弾道ミサイル潜水艦の開発が進められ、早期に引退する計画を立てた。

 だが、その弾道ミサイルが浮上して発射するのに二〇分かかる上に、四時間の準備が必要だった。

 更に射程が初期型で一五〇キロしかなくより警戒の厳しい沿岸に行かなければならない。

 以上の理由から浮上してすぐに巡航ミサイルを撃てる点検型が、弾道ミサイル原潜が整う六〇年代まで残ることになった。


 性能的に低いとされるが冷戦初期では、東側が持つ唯一のまともな対米攻撃手段だった。

 アメリカも性能は低いが本土攻撃可能なこの潜水艦に対する警戒心は強く、大西洋方面に警戒用の海軍艦艇を集中配置している。

 結果、極東戦争において極東海域に米艦艇が少ない状況を生み出し、緒戦の劣勢に繋がった。

 その意味では、偉大な成果をもたらした艦と言える。

 しかし、吉田首相暗殺という戦術的勝利を得て、南日本の単独講和という戦略的敗北を招いたとも言え、評価が難しい艦である。


基準排水量 4200トン

常備排水量 6400トン

水中排水量 7500トン

全長 140m

最大幅 14.0m

吃水 7.02m

機関  ディーゼルエレクトリック

推進器 2軸

出力 水上:10000馬力

    水中:4000馬力

最大速力 水上:20kt

    水中:7kt

航続距離 水上:14ktで40,000海里

水中:3ktで60海里

燃料 重油2000トン

潜航深度 安全潜航深度:150m

乗員 157名

兵装 53cm魚雷発射管x8門(艦首8門)

    魚雷x20本

搭載機 特殊攻撃機晴嵐4機または巡航ミサイル4機

    射出機x1基

電池:一号一三型360個

連続行動時間:約4ヶ月

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