伊四〇〇型潜水艦
潜特型 伊四〇〇型
当初は開戦前、アメリカの経済の中枢であるアメリカ東海岸において通商破壊するため、日本本土から大西洋まで往復し作戦行動が出来る艦として計画された。
大型になったため、水上攻撃機二機を搭載し偵察、要地攻撃も視野に入れられた。
一八隻の建造は、哨戒任務―――東海岸での通商破壊に六隻、往復用に六隻、基地での整備休養に六隻、という計算から計画された。
だが、せっかく航空攻撃出来るなら重要施設を攻撃する専門の潜水艦にしてはどうかという提案がなされた。
開戦により既存の潜水艦、のちに戊型潜水艦の建造が優先され、伊四〇〇型の建造計画は縮小された。
これを機に、要地奇襲攻撃用の潜水艦として計画は変更され、備砲を全廃し航空機搭載数を四機に増やした。
大戦中盤に完成し、連合艦隊直属の戦略潜水艦部隊として極秘に運用され、優秀な潜水艦乗組員を一本釣りして精鋭に鍛え上げた。
事実上世界初の戦略潜水艦であり、歴史的な意義の大きな艦である事は間違いない。
だが、史上初めての戦略的要地襲撃用の潜水艦のため海軍上層部でも攻撃目標の選定―――効果は勿論、その影響、戦局が悪化しないように、ハワイの奇襲攻撃のように軍事的に成功しても政治的に失敗するのを避けたかったため出撃は容易に決まらなかった。
また晴嵐の生産が遅れて艦載機が得られなかったこともあり訓練が続けられた。
ようやくワシントンへの襲撃が決まるも、ルーズベルトの死去により講和の気配が出てきたため中止。
しかし、トルーマンが継戦の意志を示したため、無意味に。
ドイツの降伏もあり、再び計画が立案される。
その中で、ヨーロッパの陸上部隊がやってくるのを阻止するために、パナマ運河奇襲作戦が立案され、実行される事となった。
船体は建造期間を短縮するため戊型潜水艦の耐圧殻を二本並べ、その上に航空機格納筒を設置し船体を安定させた。
潜水艦としては軽巡並みで異例の大きさになったが、潜水能力は優れており、船体の完全水没まで一分前後という通常潜水艦並みの能力を示した。
ディーゼル機関も大出力の物を搭載し、蓄電池も大量に搭載できたため、四〇時間の潜水能力を持つ。
艦内も広く、居住性は良かったとされる。
基準排水量 3,530トン
常備排水量 5,223トン
水中排水量 6,560トン
全長 122m
最大幅 14.0m
吃水 7.02m
機関 艦本式22号10型ディーゼルx4基
1,200馬力モーターx2基
推進 2軸
出力 水上:7,750馬力(5,843.5 kW)
水中:2,400馬力(1,788 kW)
速力 水上:16kt
水中:5kt
燃料 重油:1,750トン
航続距離 水上:14ktで37,500海里
水中:3ktで60海里
潜航深度 安全潜航深度:100m
乗員 157名
兵装 九六式25mm三連装機銃x3基9挺
九六式25mm単装機銃x1挺
九五式53cm魚雷発射管x8門(艦首8門)/魚雷x20本
搭載機 晴嵐x4機
四式1号10型射出機x1基
レーダー 22号電探x1基
13号電探x1基
作者メモ
大西洋作戦用の潜水艦として計画されたのは史実通りです。これまでパナマ運河攻撃用と書かれることも多かったのですが最近の研究で大西洋での作戦行動を念頭に作られたのが分かっています。
当初案で14サンチ砲二基、攻撃機2機という案がパナマ運河攻撃には不適当だと思っていたことがようやく氷解しました。
本来は眼鏡型の耐圧殻ですが、建造を容易にするためと作者の趣味で筒を二本並べた形にしています。
そのため、速力が遅くなっています。
この伊四〇〇型の活躍にご期待ください
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