伊三六一型輸送潜水艦
伊三六一型輸送潜水艦
開戦前、後方への隠密奇襲作戦用の潜水艦として計画されたが当時の軍令部は興味を示さず立ち消えになった。
だがミッドウェー海戦後、大規模な反転攻勢は難しいと考えた日本海軍は、本計画を復活させ、実際に建造することにした。
第一次大戦においてドイツの潜水商船ドイチュラント―――当時中立国だったアメリカへ、連合軍の封鎖を潜水で突破するために建造された潜水船を参考に艦の前後に貨物室を持つ構造を持たせて建造。
陸戦隊一一〇名、感慨に貨物二十トンを持つ奇襲用潜水艦となった。
奇襲部隊の母艦として当初は活躍した。
だが敵の警戒が厳重な海域での運用は難しく徐々に使われる局面が減少。
輸送用のため機動力も小さく、戦局が推移するにつれ、活躍の場が少なくなる。
そのため、後期型は兵員輸送を取りやめ、純粋な貨物輸送潜水艦として建造され運用された。
戦争後期、米軍の飛び石作戦により取り残された後方の味方基地への物資輸送、脱出に使われる。
隠密行動用の潜水艦のため当初より魚雷発射管はなく、非武装である。
基準排水量 1,440トン
常備排水量 1,779トン
水中排水量 2,215トン
全長 73.5m
最大幅 8.9m
吃水 平均 4.76m
主機 艦本式23号乙8型 ディーゼルエンジン×2基
推進器 スクリュープロペラ×2軸
出力 水上:1,850hp
水中:1,200hp
電力 特8型電動機×2基
1号15型蓄電池×240個
速力 水上:13kt
水中:6.5kt
航続距離 水上:10kt/15,000海里
水中:3kt/100海里
燃料 重油282トン
潜航深度 75m
搭載能力 艦内90トン若しくは兵員110名、艦外20トン
乗員 55名
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