どうしても転生したい!〜転生先はまさかの○○でした!?〜

 「あの、ですから!それは無理なんですよ!」


 「何でだよ、いいじゃんか!」


 やぁ!僕の名前はミツキ!僕はさっき暴走するトラックに轢かれてここ、天国に来たんだけど…


 「いいじゃん転生するくらい!トラックに轢かれて死んだんだし、これはもう転生するしかないって!」


 「だから、ダメなんですよ!そもそも転生っていうのは…」


 全く、この天界人(僕が勝手に名付けた名前だけど)達はどうも融通が利かない!僕が転生したいのに、転生できないって言うんだ!


 「そこを何とかさ〜」


 「無理です!」


 「お願い!」


 「ダメです!」


 「それでも!」


 「いい加減に…!」


 「まあまあ、いいじゃないか。ミツキ君だったね?そんなに転生したいなら転生させてあげよう」


 「せっ、先輩!?」


 おっ、なんか話の分かるやつが出てきたぞ。


 「転生先はこっちで選ぶけど、それでも構わないかい?」


 「うん!全然オッケー!」


 「先輩、まずいですって…」


 「いいから。…じゃっ、いってらっしゃい」


 そう話の分かる天界人が言うと、僕の身体(魂?)は下からキラキラと消えていった。よーし、これから転生先でラノベ主人公みたいな素敵な人生を送るんだー!!




 「…先輩、いいんですか?勝手に転生なんてさせちゃって。あの子は生前の行いがすこぶる善性だったから、輪廻転生の輪から抜け出して天国に永住できるはずだったのに」


 「んー?転生はさせてないよ?魂を移動させただけで」


 「え?そうなんですか?移動ってどこに?」


 「地獄だけど?」


 「えええ!?その方が問題がある気が…」


 「大丈夫だよ。話が通じなさそうだったから、ちょっと頭冷やしてもらうだけ。少ししたら天国に戻すさ。…にしても、せっかく善い行いをして天国に来られたのに、苦難ある、しかも元の場所ではない下界に生まれ変わらせてくれなんて、変わってるよねえ」


 「そうですよね〜。全く、何考えてんだか…。んん!?先輩、大変です!今地獄から連絡があって!!」


 「えっ、もしかしてさっきの子?」


 「いえ、違います!地獄にも転生を訴える人の魂が溢れていて、困った閻魔一味が『転生』と称して何人かの魂を天国に送りつけたそうです!」

 

 「おいおいおい!いや、俺も同じようなことしたからあんまり文句言えないけどさ…。というか人間達は一体何考えてんだ?現世で何か変な教えでも受けたのか!?」

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