第13話 発動!マグニウェーブ作戦 チャプター9 決戦
『マキシマ・オーバーブレイク』
「《リーオーバーブラスト》」
銃にパスを装填。超強力な熱光線をエルマグニの顔面に発射!
腕で防がれたけど随分痛がってる。ダメージ有り! やっぱり不死身じゃなくなってる。
エルマグニは炎を吐いてきた。けどアヤが来てる。
『マキシマ・オーバーブレイク』
槍にパスを装填。アルカナ粒子が槍を中心にドリルのように渦巻いて炎を受け流していく。
「《
そのまま突撃してエルマグニの右脚を抉った。片膝をついて唸り声を上げてる。
視線はアヤを追うけど途中で奏にターゲットを切り替えたみたいで尻尾を振るって攻撃してきた。
とんでもない質量のはずだけどそれを奏はバリアでガードする。
『マキシマ・オーバーブレイク』
「《
剣の切っ先を超えて薄いバリアを生成してリーチを大幅に伸ばす。
何十メートルにもなったバリアの刀身はエルマグニの巨体も貫いた。
「ググルオォ……」
「どこ見てんのよデカブツ!」
悶絶するしてるエルマグニに追撃のためハヤミが飛んでくる。
『マキシマ・オーバーブレイク』
剣で円を描くと赤い魔法陣が出来上がり、それを突き抜け炎を纏う。メラメラ燃えてるハヤミはエルマグニを頭から股下まで切り裂いていく。
後方へ大きく跳んで……いや、飛んで。纏った炎を剣に収束。
「《マジカ・フェニックスカリバー》」
剣を振るうと炎は鳥の形になって飛んで行く。エルマグニはそれを太い腕で払いのけた。
ほとんどが拡散してあっちこっちに弾き飛んだけど、腕にはまだかすかに炎が付着してその皮膚を焼き焦がすように燃えている。
「グモオオオ!」
雄たけびを上げて光球を乱射した先にいるのは愛美と憐。
能力でお互いの死角をカバーしてるのか流れるような動きで光球の弾幕をすり抜けていった。
『『オーバードライブ』』
『マキシマ・オーバーブレイク』』
「「《トゥワイス・ニコラシカ》」」
光の斬撃と弾丸が重なってエルマグニの胸に風穴を空けた。やるじゃん大ダメージ!
「グオオォォォォォォ!」
「こちら兵頭! AGE‐ASISST全隊に告ぐ! 火力をエルマグニの頭部に集中しAGEを援護せよ!」
『カウント3で仕掛けます。3……2……1……発射!!』
AGE‐ASISSTの皆も残り少ない攻撃手段を全てつぎ込んで援護してくれる。
一点集中の波状攻撃にエルマグニもタジタジ。少ないダメージでも今の回復速度なら意味はある。
「グギャアアア!」
全弾撃ち尽くした後のエルマグニはフラフラになって頭を押さえていた。
脳震盪? そんな概念があいつにあるのか分かんないけど、十分すぎるほどの大きな隙だ。たたみ掛ける!
『マキシマ・オーバーストライク』
「《リーオーバースラスト》」
『マキシマ・オーバーストライク』
「《
「マキシマ・オーバーストライク』
「《マジカ・クアドラバスター》」
私とアヤ、ハヤミの必殺技が連続で叩きこまれる。
私の技でスティックのヘッドから光線が放たれ、エルマグニにダメージを与えている間に、アヤの技が追撃。槍を自身の足元に突き刺すと、エルマグニの足元から巨大な矢切り型のエネルギーがいくつも出現して次々と刺し貫いていく。
更にそこへハヤミの技が襲い掛かる。四つの魔法陣から放たれた光線が収束して一つになり、エルマグニの身体を貫通した。
「グガアアアァァァァァァッ!」
『マキシマ・オーバーストライク』
「《
『マキシマ・オーバーストライク』
「《フォトンスラッシャー》」
『マキシマ・オーバーストライク』
「《クァンタムスクリュード》」
逆サイドからは奏、愛美、憐がたたみ掛ける。
奏の振るう剣から出る斬撃波がバリアを纏い、そのコーティングされたいくつもの斬撃波がエルマグニの身体に次々と深手を負わせていく。
そこへ更に愛美の無理の様に撓る光の斬撃が入り、ダメ押しに憐の放った光の弾丸が腹部を抉る。
「ゲブフッ! グルルルルルゥゥゥ……」
「こっちも最後の手段だ!」
『マキシマ・オーバーブレイク テンパランス』
『マキシマ・オーバーブレイク ラヴァーズ』
『マキシマ・オーバーブレイク ハングドマン』
マグニウェーブランチャーって言ったっけ? その新兵器に兵頭さんが予備のアルカナパスを装填していく。
アルカナ粒子の制御に秀でたアヤの
三つのパスを装填すると銃口にアルカナ粒子のエネルギーが収束されていく。
黒、黄色、紫、赤、オレンジ。それぞれパスに記録されたアルカナが持つ粒子の色。それが一転に集まって膨大な破壊エネルギーに変換されていく。
「《マグニウェーブキャノン》! 発射ぁ!!」
マグニウェーブランチャーから破壊光線が放たれる。
エルマグニの胸部を貫き、大きな風穴を開けた。
「グギュゥオオオオオオ! クキュゥゥゥ……」
苦しそうに唸ってる。でも、まだ倒れない。
さっきの一撃でマグニウェーブランチャーが破損した。もう反マグニエネルギーの照射はできない。
そもそももう三分経った頃だ。私も結構やばい……作戦の続行は難しい。けどあと一押し! もう一押しなんだ!
「ハァ……ハァ……アヤ!」
「なんだ?」
「皆のエネルギー、私に流してくんないかな」
「お前また無茶を……」
「お願い!!」
「……はぁ。死んでも知らんぞ」
でもなんだかんだ頼み聞いてくれるんだよね。恩に着るよ。アヤ。
「四人共、私の肩に手を乗せろ」
皆戸惑ったけど、割とすんなりアヤに従った。
四人がアヤの肩に手を置くと、今度はアヤが私の背中に手を翳す。アヤの力で四人のアルカナ粒子を操り、アヤの体内へと集める。そして集まったそれにアヤの分も加えて私に――
「うおおおおおぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
「勝賀瀬さん!?」
「莉央さん!」
「莉央姉!」
「……!」
流石に……きっつい……でも……これなら!
「さっさと終わらせて来い!」
「うん……いくよっ!!」
『マキシマ・オーバーストライク』
「《ストライクチャリオット》ォォォォオオッ!!!」
身体中に満ち満ちたみんなのエネルギーをぶつけるため、私は全力で走った。
そして地面を蹴った! 蹴った箇所が割れるほど力強く! 地面を蹴った!
撥ねた身体がまっすぐエルマグニへ向かって跳んで行く。既に再生が始まっていて、胸に開いた風穴が少し塞がっていた。
その穴と喉の中間地点。そこへ目がけて一直線に私は跳んでいた。
衝突の間際、私はエルマグニに向けて脚をめいいっぱい突き出した。力を込めて、めいいっぱい!
「グギュウォォォォォッ!?」
「うおおぉぉぉぉぉぉっ!!」
キックのヒット時、エルマグニのあの巨体が大きく後退した。衝撃は相当なもの。私の脚にもかなりの痛みが走ったくらいだ。
でもまだ足りない! このままじゃ倒しきれない……!
『マキ『マキ『マ『マ『マ『マキシマムチャージ』』』』』』
六回、ドライバーの右側を連打した。マキシマムチャージが六回分重ね掛けされる。
「馬鹿! 本当に死ぬつもりか!?」
アヤが叫んでいる。でも私はここで止まらない!
「今はこいつを倒すことしか考えらんない! 倒す! 今、ここで倒す! 絶対に!!」
私は更に三回マキシマムチャージを重ね掛ける。ついでにマキシマ・オーバーストライクも!
『マ『マ『マキシマムチャージ』』』
『マキシマ・オーバーストライク』
「ぶっちぎれぇぇぇぇぇぇぇっ!!」
「グェブラアアァァァァァァァァァァァ……」
エルマグニの悲鳴がどんどん大きくなっていく。空気や肌にビリビリと伝わってくるくらいの大絶叫。
けどそれが突然萎むように徐々に消え始めていった。
そして声がほとんど聞こえないようなか細いものになると、エルマグニの強靭で頑丈な皮膚がスッと、古紙が破けるみたいにすんなりと裂けるように穴が空き、私はエルマグニの身体を貫通した。
突き抜けるとそのまま何十メートルか先で着地。着地した数秒後にエルマグニの身体が粉々に砕けていった。
体長約三十メートル。そんな巨体が連鎖的に爆発し、次々とはじけ飛んでボロボロになっていく。
最期には通常のマグニ同様黒い靄になって霧散。エルマグニは復活することもなく、完全に消滅した。
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