第8話
ツチヤに手を引かれて最初に足を止めたのは、大きなジャングルジムのようなアトラクションだった。
細い足場やバランスの悪い足場がある結構な高さのアトラクションで入り口のほうでは係りの人が安全の為に命綱をセットしてくれている。
「私、有名なゴリラゲームでこんなの見たことある。」
「あれでしょ、ホフフーンコングでしょ?
ふふ…じゃぁ、ここにしようか。」
係りの人は、色々と考慮されているのか女性と男性がそれぞれ1人ずついて2人は女性の係りの人が安全の為の説明をしながら命綱をセットしている。
きつくないか再度確認した後に2人は、アトラクション進む。
階段を上り分かれ道でミナトは立ち止まった。
「下からみたら大した高さじゃないんだと思うんだけど…ここみたいに中途半端な高さが上から見ると一番怖いと思うんだ。」
「その言葉覚えておいてねミーちゃん、今日は高い所にたくさん連れて行くから。
それでどこに行くの?」
後ろが詰まるよとツチヤに急かされてミナトは、1巡するように進もうと右側にあった細い足場を渡る。
極度の運動音痴ではない為に漫画のような面白おかしい失敗は起こらなかったが…問題はここからだった。
ブランコのようにぐらつく足場を飛び越えて上に上がり、命綱をつかってリフトのように下に下る所で問題は起きた。
「ミーちゃん、安全の為に綱は両手で握るんだよー。」
「私もいい年だから、そんなウェーイ系みたいな事はしないさ。」
いざ!!
そういきこんでミナトは、命綱にしがみ付く。
しかしミナトは忘れていた、前に太ももの内側を火傷していた事を。
痛ったぁぁぁ!!
内心でそう叫びながら、忘れていた焼けるようなヒリヒリとした痛みを耐えつつ下に下っていくミナトは、極力太ももに当てないようにして全体重を足ではなく手で支えて無事に下まで辿り着く。
「ミーちゃん、どうかしたの?」
ミナトの異変にツチヤは気が付いたようでしたに下りると心配そうにミナトの顔を覗き込む。
「この前カップ麺を食べようした時にケトルのお湯を零してしまってねぇ。
シャワーしてても平気だったから完治したと思ったんだけど…私も甘かったぁ。」
普通に座る分には平気なようで、ミナト達は次のアトラクションを探して移動する。
ウェーブスインガー。
クルクル回る大型のブランコのアトラクションだ。
「なんか必殺技みたいな名前だね。」
「…本当に必殺技にならないことを祈るよ。」
ツチヤに対してそう答えるミナト。
適当なブランコに乗ってベルトをセット。
車の運転は問題なかったからさほど心配することはないだろう。
そんな事を思いながらミナトは、アトラクションに揺られる。
こんな感じのアトラクションに乗るのはいつぶりだろうか。
久しぶりの感覚と程よい強さの風を楽しみながら、外の景色を眺める。
あー、あそこにフードコートみたいな所があるなー。
等と考えていたら、アトラクションがガタンと揺れる。
思い切り油断していたミナトは、太ももの所を強打。
ふぉおおと再びもがくミナト。
後ろからは、何かを察したのかツチヤの笑い声が聞こえる。
「次こそはっ…!!」
アトラクションを乗り終えたミナトは、グングンと他のアトラクションに向かう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます