第6話


中山峠の道の駅を過ぎたら後は下りるだけ。

ニセコまではそう遠くないだろう。


「車の中は意外に温かいのね。」


「そうね。

はいミーちゃん、あーん。」



運転するミナトに、揚げ芋をだすツチヤ。


揚げ芋はアメリカンドックのような甘めの衣に包まれて揚げられていて、おやつのような感覚で食べられる。



「塩っ気のあるフランクフルトと組み合わせれは、甘いものとしょっぱいものの最強タッグやぁ。」



「なに…アメリカンドックみたいだって?」



某味の宝石箱人風に言ってみたが、ツチヤには反応がない。

まぁ組み合わせ的には近しいものはある。




「知らんな。」



ミナトはとぼけるようにして短くそう答えた。


運転している間は、ツチヤがミナトに食べ物を食べさせていた。

ツチヤは、なんだかんだで面倒見の良く顔面偏差値もスタイルも悪くないからヌイグルミの扱いなどクレイジーな事がなければモテる娘なのに…。


もったない女だ。

そんな事を思いながら口の中にある食べ物を咀嚼する。



「ここは帰りに寄れたらよろっか。」



中山峠の道の駅から次の喜茂別(きもべつ)の道の駅までそう距離はないが、ルスツもそう離れていないので今は通り過ぎてそのまままっすぐ進む。

因みに今回はルスツに寄り道するからまっすぐ進むが、喜茂別の道の駅を過ぎて右に曲がってまっすぐ行けば目的地のニセコだ。


旅のお供に方向音痴がいないだけでこうもスムーズに進むのか。

脳内でピースするオオダを小馬鹿にしながら感動するミナト。


道を走らせるとホテルのような大きい建物や施設の名前の看板が見えてきた。



「え、どこが入口?」


「まぁ落ち着きたまえ。

CMを見る限りだとジェットコースターがあったからド派手なレーンが見えたらきっとその近くだよ。」



入り口はツチヤの言うとおりジェットコースターのレーンが見えてきたら大きく案内の看板があった。


あったと嬉しそうに声をだしたミナトはウキウキで駐車場に車を止める。



ここの駐車場は駐車料金を取られず入り口の近くの場所に車を停車させた。

駐車も広く奥の方はホテル利用者が使うのだろうか…。

後から知ったことだが、土日祝など繁忙期には車なら500円ほど駐車料金をとりらしい。


そんな事を考えているとツチヤがアッと声を上げる。



「しまった、お金を引き出すの忘れてたよ。」



すると係りの人に聞こえていたみたいで、クレジットカードが使える事と近くにコンビニがありそこで引き出せると教えてくれた。

車はそのままで大丈夫ですと告げるとそのまま仕事に戻っていく。


係りの人にお礼を言い無事にお金を引き出したら受付にむかう。


1日券は夏と料金と春と秋の料金と分けられているようで、ミナト達は秋の利用と言うことで約6千円で済んだ。

ネットで予約すると200円ほど安くなるそうなので夏に行くときにでも利用しようとミナトは話した。


他にも誕生日割もあるらしいが、2人とも11月と遊園地がやっていない時期の為に永久に利用できることはない。

他にも宿泊すると安くなるとか色々と情報がある為、宿泊の予定があるなら一考して前もって調べておくと良いだろう。








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