第5話
一階に戻った2人は、お土産コーナーに入った。
大き目のブースで大きさ的にはコンビニより少し大きいくらいある。
「欲しいものは特にないけど、こういう所って思わず足を運びたくなるよね。」
「ボクは、観光業の罠の吸引力に恐怖を感じるよ。」
お菓子や飲み物補充は勿論、ご当地の食べ物が売っている。
北湯沢で有名な蜂蜜、北海道の美味しい野菜で使った乾燥野菜やふりかけ、ジャガイモのポタージュや海鮮味噌汁元、ご当地キャラクターグッズ。
ここだけでも時間が潰せそうなララインナップだったが、それをさしおいてミナトはあるものに目がいく。
「こ…これは…!」
振るえる手でミナトが両手で持ち上げたのはこの道の駅のイメージキャラクターのヌイグルミだった。
ここで特に有名な串にさした揚げ芋をイメージしていて、雪だるまみたいなキャラの頭に串が刺さったジャガイモが乗っかっている。
含み笑いのような何処か人を小馬鹿にした表情をしているが…何か心が惹かれる物がある。
「またミーちゃんは、そんな生産性ゼロのものを買おうとしてー。」
ツチヤは、先ほどの男の子の対応がまるで嘘のようにヌイグルミの頭を乱暴にワシっと掴んだ。
おかしーなぁ…おかしーなぁ…違和感を感じつつもミナトは自分の持っているヌイグルミをツチヤに見えるように持ち上げた。
「ちゃんと持ち上げてみてごらんなさいよ。
なんかこー心に来るものがある。」
それをみたツチヤは、ソワッ…とした表情になったがすぐにハッとした表情になるとミナトの持つヌイグルミと自分の持っているヌイグルミを元の場所に戻す。
「これからボクらはお金を使うから、無駄遣いしないで次にいこうか。
揚げ芋でも買って食べながらいこう。」
「はーい。」
フードコーナーはお土産コーナーのすぐ向かい。
入り口には立派な食券機があり、そこで選んでから店員さんの所に向かうようだ。
有名な揚げ芋の他に、揚げ芋の生地がちりばめられたアイスクリーム、フランクフルト、ザンギ…から揚げなどこれも種類がある。
「寒いからこの時期だとアイスはパス。
というと…揚げ芋とフランクフルトかな?」
「せやね。」
ツチヤは結構小食のために、基本的にこのメンバーだと食べ物はシェアして食べている。
いつものような流れでポチポチと食券を買って邪魔にならないように速やかに出口まで移動するとフードコーナーの出口付近に大量種類の調味料が置いてあった。
お好きな味に…と書かれた写真付きの表も貼ってある。
しかし、表にかかれている種類と出ている種類が比例していない。
「およ、数か少ないねぇ…補充しているのかしら?」
「ボクは別にアレンジはいいかな、味が濃いのはちょっと。」
シンプルイズベスト。
2人はおしぼりだけ貰って車に戻った。
※この調味料があったのは結構前のお話になりますので気になる方は事前に調べていくことをお勧めします。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます