第二章 ロリコン、ガチ勢、欲望の魔女
第15話 実質デート回
前回のあらすじ:やっと一日目が終わった…
陵辱部隊(現和姦部隊)との激闘のおかげですっかり忘れていたけど、私がこの星蘭中学校に来た当初の目的は武器を買うためだ。今私が使ってるステッキでは余りにも火力が心許ない。てなわけでフェルミンとリヴァイアちゃんとは一旦別れ、私は今学校2階の購買部に来ている。せっかく一人になったし武器購入ついでに学校探検と洒落込もうかと思ってたんだけど…
「なに店の前でぼーっと突っ立っているんですか?早く入りましょうよ」
なぜかカルナが着いてきた。
あなた今私の中で一緒に居たくない人No.1だよ…
「なんで着いてきたの?」
「前にも言ったでしょう、おしおき砲の存在を知られると色々な人から狙われてヤバいんですよ。一応あなた達には口止めを頼みましたけど、それだけでもう安心とは流石にならないんでこうしてナナオさんに着いてきたというわけです。」
うーん、間違ったことは言ってない。そもそもカルナにおしおき砲を使わせたのは私なので流石に同行を拒否するのは筋違いだと思う。
「安心してください、仲間に向かっておしおき砲を撃つなんてことはしませんよ。文句無いですよね」
「私に着いてくるのは一向に構わない。だけど言わせて欲しい、文句はある!」
「前言撤回しましょうか?」
「おおぅ、言論統制ぃ…!」
杖こっち向けないで、それ見るだけでもう足の震え止まんなくなっちゃう。
「す、すみません冗談です!もう二度とあなたには撃ちませんから!」
珍しくカルナが狼狽えてる。もしかして心配くれてる?
「本当に撃たない?」
「本当ですよ!おしおき砲はその名の通りおしおきなんです。おしおきは一回で充分、二回目以降はただの虐待になってしまいますからね!」
………私8回喰らったような気がするんだけど?
でも心配してくれてるのは本心のようだ。カルナのその喋り方に小さい頃遊んでもらっていた近所のお姉さんの面影を感じた。カルナもその姉さんのように実は優しい人なんだろうか?
「ナナオさんに着いていく理由はもう一つあります。実は私もストーリーの攻略が目的なんですよ。せっかく同じ目的の人と出会ったんです、一緒に頑張りましょうよ!」
もの凄い屈託ない笑顔で話してくれてるけど、これ多分私たちの真の目的がストーリー攻略の先にあるロリパラダイスだってこと知らないよなぁ。黙っておくのが吉か。
「なんていうか、カルナは最初会ったときとキャラ変わったね。前はもっと怨嗟の塊みたいだったのに」
「怨嗟とはなんですか怨嗟とは。まあでも確かにあのときはジメジメとしていたかもしれません。気に入らないものがあったらちゃんとぶっ飛ばさないとダメですね!スッキリしました!」
その言い方だと私が気に入らないものだったことになるんだけど………まあ気に入らなかったんだろうなあ………そうじゃなきゃ8回もおしおきしないもん。
店の中に足を踏み入れた感想だけど、学校によくあるような購買部とは全然違い広めの近未来的な鍛冶場といったような施設だった。店の壁やショーウインドウには様々な武器が飾られており、カウンターの奥の方では鍛冶師と思われるNPCが金床で剣を作っている。一応設定的には魔法少女の活動を支援する学校の理事長が秘密裏に作らせた場所ってことになってるらしい。
武器作成は店主に頼めばいいんだろうか?壁掛けの武器はどれも弱そうだったし…
「武器作成や武器強化はそれ用の素材が無いとできませんよ。今のナナオさんは壁掛けの武器しか買ませんね」
「ああそうなんだ。そこはJRPG的なシステムなんだな」
「ピュアミーのディレクターがそっちの畑出身の人なんですよ。その人がインタビューで言ってましたけど、やはり魔法少女モノの要素だけでMMOとして成立させるのは難しかったらしいです」
「へー、詳しいな」
褒めたつもりだったんだけど何故かカルナに悲しむような表情をされた。変なことは言ってないつもりなんだけどなあ。
「じゃあ私も作りたい武器があるので。後で合流しましょう」
そくさくと歩いていくカルナの後ろ姿を見送った。
さて、私の武器をどうするかだ。見た感じ壁掛けで売られている物は得意分野は違えどどれも強さは同レベルとなっているみたいだ。恐らくここで売られているのを基本武器としてどんどん強化していくんだろう。私が今欲しいのは攻撃力が高い剣や斧、弓、銃といったところだ。カルナも含めて仲間の三人が遠距離補助系なのを考えると、近接系の剣辺りを選ぶべきなんだろうけど…
…………いや待て、そんな打算的な考えでいいのか?確かに今は攻撃力が欲しいけど、そもそも私がステッキを使っていた理由は後方で女児の尻を見ながら戦闘したかったからじゃないか!そのリビドーを捨ててまで効率を求める道理がどこにある!
そうだあるじゃないか、ステッキと剣の両方の特性を併せ持つロマン武器が!これだけ武器種の多いピュアミーならちゃんと存在しているはずだ。店中を探し回りようやく私はそれを見つけ、迷わず購入した。
カルナも満足する買い物ができたのか、ほくほく顔で帰ってきた。
「ナナオさんも買えたようですね。何にしたんですか?」
「これだよ」
カルナに手に持った武器を自慢するように見せつける。
「…ステッキじゃないですか。同じの買ったんですか?」
そう、私が買ったのは一見なんの変哲もないステッキに見えるだろう。だけど見て驚けよ。こうやって柄を持って引き抜くと…
「おおっ、杖が剣になりました」
「仕込み杖だよ、これならステッキと剣の両方の効果を使える。これで私は万能魔法少女となる。」
そしてなりよりカッコいい!仕込み杖には男のロマンが詰まっているんだ!
「万能というより器用貧乏って感じですね、ステッキとしても微妙剣としても微妙。てか別にインベントリに制限無いんですから、ステッキと剣の二本持ちの方が良かったんじゃないですか?」
なんでそんな酷いこと言うの?このかっこよさがわからないの?
「その主張も納得はするけど、カルナは大事なことがわかっていない!いいか、仕込み杖にはロマンがあるんだ!」
「市販品にロマンなんてあるんですかね?」
「わかりました!私は器用貧乏な人間です!」
あー、カルナのせいで大人しく剣を買っておけばよかったと後悔。買い換える金残ってねえよ。
ここまで私の仕込み杖をコケにしたんだ、さぞカルナは良い買い物をしたんだろうな。
「カルナは何買ったんだ?」
「フッフッフ、よくぞ聞いてくれました。私はちゃんと実用的なものを買いましたよぉ」
恍惚とした笑顔で手に持った武器を見せびらかされる。ええと………これはなんだ?三角状の木材を並べた板と重石?なにこれ?
「石抱き用の
「石抱きって確か昔の拷問のやつ?」
…なんで?恐い恐くない以前になんでそれ買ったの?発想が面白い面白くない以前になんでその発想に至ったの?
「一応聞いておくけど、その武器なにか良いところあるの?」
「たぶんこの武器が一番痛いと思います!」
おしおき砲のせいでバグってるけど本来ピュアミーに痛みのシステムは無いんだよ、カルナさん。
ツッコもうかとおもったけどカルナの笑顔が眩しかったからやめといた。
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