第14話 一日の終わり
前回のあらすじ:無限ループって怖くね?
「「すいませんでした!もう勘弁してください!」」
あの後調子に乗ったカルナがおしおき砲を連発し、四度目の生還を果たしたところで私たちは許された。フェルミンが止めてくれなければあとニ、三発は喰らってただろう(後からリヴァイアちゃんに聞いてみたところ、実際には七回喰らっていたらしい。最初の三回の記憶無いんだけど…)
というかなんなんだよあの魔法は!全身を焼かれるような痛みだったぞ!最初の三回は記憶が飛んでいるってことは脳がシャットアウトするほどの痛みってことだよな…なんちゅーもん作ってんだよホープ社…。断言するがあんな魔法は女児向けのゲームで実装していいものではない、いやどのゲームでも駄目だわ。
そもそもなぜカルナはおしおき砲なんて魔法を持ってたんだ?
「なあカルナ、その魔法はどこで手に入れたんだ?」
「もう一発いっときますか?」
「なんで?」
えっ、何も気に障るようなことは言ってないよ?そんな「もう一杯いっとく?」みたいなノリで杖をこっちに向けないで。もう条件反射で強張っちゃう身体になってしまったんだから。
「まだまだ反省し足りていなようですけど本当に悪いと思ってるんですか?」
「ちゃんと反省してます!なのでもうやめてください!」
一応誠心誠意反省している風に何度も頭を下げているけど、そもそも私は何か悪いことをした覚えはないぞ。カルナが私達の何に怒ってるのか教えてほしいし分かればできる限り直すのに、なぜか頑なに教えてくれない。まさか私がこのゲームをプレイしていること自体が罪だとは言わないだろうし。
「ナナオ!俺にはお前の言いたいことはわかるぞ!」
「か、会長!大丈夫なのか?」
立ち位置の関係で魔法をモロに喰らい3割増しのダメージを受けた会長がカルナに向かって啖呵を切る。共に地獄のような苦痛を味わったことで、今私と会長の間には被害者意識という名の奇妙な連帯感が生まれている。フランス革命しかり、強者に虐げられた弱者は結束するものなんだなあ。さあ、私の分まで言いたいこと言ったれ会長!生まれたての小鹿並に足ガックガクだけど。
「俺達はただ楽しくこのゲームをプレイしていただけだ。悪いと感じることも反省することも何もないんだ!」
「おお!」
私の思っていたことを全部代弁してくれた。まあ会長は…というか陵辱部隊は悪いと感じることも反省すべきことも大いにあるんだが…
「いや流石にあなたはアウトですよ」(キュボッ)
「グアッ」
……………無詠唱で撃ちやがった!!いやいや、一応威力は低めみたいだけどあれなら連発できるじゃないか。
会長に同情するわけではないが少しやりすぎなのでは?さっきまで生まれたての小鹿みたいだったのが死にかけのカトンボにランクアップしてるるぞ。
流石にアレはどうにかすべきなんじゃないかと遠くで高みの見物を決め込んでるフェルミンたちに相談しに行く。
「なあフェルミン。通報したほうがいいんじゃないかアレ?」
「警察にか?」
「いや運営に…」
こんなロリコンどものクソみたいないざこざにわざわざ警察は対応してくれないだろう。
「やめておけ、恐らくあのおしおき砲は運営が直接カルナに贈ったものだろう。あんなのが野良で手に入ったらたまったもんじゃないからな。」
それもそうだな。カルナが暴れてるそもそもの元凶はピュアミー運営だったか………ということはカルナと運営は裏で繋がってるてことじゃないか?警戒しておく必要があるな…
「じゃあやっぱり警察に通報するか…」
「それだけはやめてくれ!」
うおぃっ、びっくりしたぁ。長身の人にすごい剣幕で詰め寄られた。ええと、たしかDDRだっけ?
「頼むから、警察だけは…!」
「すっごい震えてるけど大丈夫か?」
「………児ポが……たぶんアウトな児ポがあるんだ…!せめて…せめて処分する時間を…」
おしおき砲関係なくこいつは通報しといた方が良いんじゃないか?
「やめときなよナナオ君。誰にだってやましいことの一つや二つあるもんだよ。そう、彼にだって僕にだって君にだって」
リヴァイアちゃん、お前もアウトだったか。私も同類だと言っていたが、私は断じてやましいものなど持っていない………はずだ……あれは合法のはず……。
「それに通報したらピュアミー自体がサービス終了になる可能性が高いよ」
「あーそうなるかぁ」
そうなると迂闊なことができない、泣き寝入りするしかなさそうだ。まあ泣き寝入りに関しては文句は無いけどDDRとみっちゃんの二人がお咎めなしなのはなんか腹立つな。…丁度二人ここに揃ってるしカルナに葬ってもらうか。
「おーいカルナ!さっき反省云々言ってたけどこの二人にはおしおき要らないのか?」
「あっ、てめえ」
「それもそうですね。はい、おしおき砲」
あっ、これ5人とも射程範囲…
「「「「「グハァ!」」」」」
そんな即決で撃ってくるとは思わないじゃん。
☆
「というわけで、我々の完全敗北だ。大人しく負けを認めヘカトンケイル隊を今日限りで解散させよう」
会長を真ん中に陵辱部隊3人並び敗北宣言をする。私たち3人もなぜか満身創痍状態なので勝った気はしていない。
「陵辱部隊を解散してどうするんだ?」
私の質問によくぞ聞いてくれたという表情でDDRが答える。
「陵辱はもうやめだ。これからはロリの平和のために活動する。名前は…そうだな、平和をもたらす女子3人ってことで、和姦部隊ってのはどうだ?」
「どうだ?じゃねえよ、だめだよ」
「じゃあ俺の案はどうだ?」
今度は今まであまり絡んでなかったみっちゃんが喋りだした。
「平和を求めるには結局それなりの強さが必要だ。よって、強さを求める女子3人ってことで、強か「それただの陵辱部隊だろ」
「冗談はこの辺にして」
と会長が話す。
「我々はこれから和姦部隊として平和のために尽力する。ピュアミーを続けていく以上いつかまた出会うことがあるだろうからその時は仲良くしよう」
あっ、結局和姦部隊でいくんだ。
三人は同時に踵を返し、校門の方に向かって歩いていった。もう二度と会いたくない気持ちと、また会ってみたい気持ちの両方がせめぎ合っている。まあまた会ったとしても仲良くはできないだろうけど。
時刻を確認してみると丁度深夜の12時。私のピュアミーライフ怒涛の一日目が終了した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます