side.B

朝。目を覚ますと、

 冷たい床に倒れていた。仰向けで。

 ……床が硬い。寝ぼけてベッドから落ちたらしい。妙な夢を見た気がするが、俺のぼんやり頭はこれっぽっちも思い出してくれなかった。

 誰かの歩く音が、床を伝って響いてきた。同居している彼女が忘れ物でもしたのかと思い、俺は気だるい身体をゆっくり起こした。


「へっくしょん」


 小さなクシャミがひとつ出た。春といえども、まだまだ寒い。

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最後に何故かひっくり返る。 おくとりょう @n8osoeuta

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