あとがき



 シリーズ第五弾『黒薔薇館の謎』、楽しんでいただけたでしょうか?

 これを書いてるのは五月十日。黒薔薇を書き終えたのが四月二十八日なので、二週間近くあいだがあいてしまってる。やっぱり、あとがきは書き終えてすぐ、気持ちが昂ってるときに書いてしまわないと、何を言いたかったのか忘れてしまいますね……。


 今回はグールゲームを放出したあと、急いで次の更新用に書いたので、何かと行きあたりばったりなところはありましたが、なんとか形はまとまったかなと。


 ジゴロ探偵シリーズはあまり長編を書いてないので、今回八万六千字ほどで、ちょっと短めながら、いちおう長編二作めとなりました。


 短編のなかでは、その回の事件に無関係なキャラクター同士のかかわりあいとか、詳しい心情とか、ムダになるので、あまり書けないんですよね。


 なので今回、意識して、ふだんは書けないジェイムズとの関係をくわしく書いてみました。ちょっと進展しましたね。ワレスさんがジェイムズを意識し始めました。


 これで次の長編あたりでは、やろうと思えば、砦に行くことになるジゴロ探偵最後に続く話につなげることもできる。


 そのためには、あと二人、重要人物が出てこないといけないですが。

 一人はジェイムズの婚約者。

 もう一人は、『死神からの招待状』に出てきたカースティですね。彼女はジゴロ時代というより、そのあとのシリーズで重要な役割を果たすことになるので。


 ちなみに、ぼちぼち勘のいい読者さまはお気づきかもしれませんが……(思いっきりネタバレします。いいですか? 行きますよ?)じつは、ジェイムズは少年時代からずっと、ワレスさんを好きです。ラブって意味で。でも、ルーシサスとワレスさんが両思いだと知ってたので、友達の好きな人をとっちゃいけないと、身をひいたわけですね。その後、ルーシサスが死んだことによって、なおさら言えなくなった、と。


 ジェイムズはゲイではないですが、龍郎と同じ属性なので、たぶん、不幸な匂いのする人をほっとくことができないんでしょうね。不幸だし、めちゃくちゃばっかりする破滅型のワレスさんが気になってしょうがないw


 そんなわけなので、今後は人間関係が荒れていくことでしょう。今が一番おだやかなときかな。

 短編ではあいかわらず、あまり変化ないと思いますが。


 短編と言えば、指輪の話は作中で何度もジェイムズが言ってたので、書いてみました。

 あと、5分で解決探偵用に、もう一、二話書けたらなと思います。そのときは、このあとがきのうしろに足しますので、完結のはずなのに更新されることもあるかもです。(公開前にまにあいましたので、あとがきの前に。透明な季節、不可視の殺人)


 これらの短編はイベントに出すため、その後、単一の作品として公開します。内容はほぼ同じですが、ものによっては少し省略されてる部分も。


 とりあえず、この次は『墜落のシリウス』

 ワレスさんの波瀾万丈な人生をダイジェストでラストまで綴った話を投下します。

 砦時代の終わりごろが冒頭になってますので、ハシェドとどうなるか、ここでは知りたくない……というかたはご注意を。


 ただ、ほんとに砦時代のシリーズ完結まで持っていくとなると、これまた数年かかってしまうので、いつになるか保証はできません。そのためにダイジェスト版を公開しときます。


 ジゴロ時代はけっこう現実的なミステリーなので、それから考えると「なんじゃコリャ」くらいSFでファンタジーですが、じつは砦時代のシリーズはじょじょにそのへんの謎に関係していくんですよね。


 ダークな展開が続きますが、最後は必ず感動できます。保証します。

 でも、たぶん、ヒロインがみんなに嫌われるんだろうなぁ。


 今回のBGMはデペッシュモードでした。耽美で切ないメロディーが大好きです。


 ではまた、いつか、このシリーズで会いましょう。

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