僕、“人間”。
第9話 目覚めました。ここはどこ?
「——・・・っ」
光が見える。
まぶしい・・・。
ゆっくりと体を起こしベッドからおりて・・・そこで僕は、重要なことに気がついた。
下を向けば、足を床につけている。
——・・・なんか長くね?
そう、デンビというものには短いあしが8つついていて、ポテポテと進む。
2本ってめっちゃ少ないし。
これ、まともな体?
――しかも・・・顔の近くに長いものがついてる・・・?
そう、デンビというものには腕がない。
頭の上のでっぱりは会話するためにぶつけるもので、手というものはないのだ。
「・・・えっ⁉って、え?」
・・・。
「これが、声・・・?」
目の下に、開けるものがついている。
これが、口・・・ってことは、その上のでっぱりは鼻・・・?
それを触ろうとして腕をあげて・・・指を、動かす。
・・・なんでこんなにいっぱい枝分かれしてんの?
「これが、ゆび」
ひらひらと動かしてみる。
――こんなに具体的な夢は見たことがないから、多分現実だ。
「ケント、もーすぐ夕飯だよー!」
すさまじい怒声(?)が足元から聞こえてきたことによると、多分あまり良くないほうの。
もう一度手をあげて、今度はその手を顔の上にかざす。
少し赤い。これが・・・“血”。
――これが、人間。
――ああ、僕。
「――僕、“人間”になったんだ・・・。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます