僕、“人間”。

第9話 目覚めました。ここはどこ?

「——・・・っ」


光が見える。

まぶしい・・・。


ゆっくりと体を起こしベッドからおりて・・・そこで僕は、重要なことに気がついた。

下を向けば、足を床につけている。



——・・・なんか長くね?



そう、デンビというものには短いあしが8つついていて、ポテポテと進む。



2本ってめっちゃ少ないし。


これ、まともな体?



――しかも・・・顔の近くに長いものがついてる・・・?




そう、デンビというものには腕がない。

頭の上のでっぱりは会話するためにぶつけるもので、手というものはないのだ。


「・・・えっ⁉って、え?」


・・・。



「これが、声・・・?」



目の下に、開けるものがついている。

これが、口・・・ってことは、その上のでっぱりは鼻・・・?


それを触ろうとして腕をあげて・・・指を、動かす。


・・・なんでこんなにいっぱい枝分かれしてんの?


「これが、ゆび」


ひらひらと動かしてみる。



――こんなに具体的な夢は見たことがないから、多分現実だ。





「ケント、もーすぐ夕飯だよー!」


すさまじい怒声(?)が足元から聞こえてきたことによると、多分あまり良くないほうの。


もう一度手をあげて、今度はその手を顔の上にかざす。

少し赤い。これが・・・“血”。




――これが、人間。




――ああ、僕。




「――僕、“人間”になったんだ・・・。」

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